戯れ言たれる侏儒
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< 高血圧治療ガイドラインの次回改訂ポイント... | メイン | ADVANCE試験  その2(2/2) >

2型糖尿病に対して積極的に降圧を図ると利益があるかどうかという試験です。
どうやら高血圧の有無にかかわらずペリンドプリル(日本での商品名:コバシル)とインダパミド(日本での商品名:ナトリックス)を併用して使用するというユニークな試験です。
投与量も各々4mmHgと1.25mgと珍しく国内での投与量です。
これは軽度の降圧を狙ったものかも知れません。
高血圧患者の降圧というより、糖尿病患者における降圧(ここでは血圧低下と表現)に主眼がおかれています。
循環器専門医からみると少し奇異な試験です。
当院でも両薬剤を置いてあるため、興味深く読みました。

ここで少し気になるのは糖尿病患者、に少量とはいえ利尿剤を併用している点です。
「おくすり110番」でインダパミドを調べてみました。


<インダパミド  製品例 : ナトリックス錠 >

チアジド系に近い利尿薬で、作用的にもほぼ同じです。チアジド系利尿薬は、日本では処方される機会が少ないのですが、海外のいくつもの臨床試験で、寿命を延ばすことが証明されています。少量であれば副作用もほとんどなく、併用薬としても優れています。また、古くからある薬で、値段(薬価)が安いというメリットがあります。
チアジド系に比べ、低カリウム血症の副作用が少ないとされます。
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se21/se2149012.htm 

ESC2007 ADVANCE試験結果より
2型糖尿病患者に対する積極的な血圧低下がもたらすベネフィットが明らかに
世界糖尿病機構(IDF)によると,糖尿病の新規発症患者は毎年700万人のペースで増え続けており,その大部分は2型糖尿病であるという。
また,2025年までには3億8,000万人,実に世界の全成人の7.1%が糖尿病に罹患するとの予測も出されている。
UKPDS等,各種大規模試験において,2型糖尿病における厳格な血圧・血糖コントロールの重要性が確立されてきた。しかし,血圧値をさらに下げるために治療を追加した場合,それが合併症の発症抑制にどの程度寄与するかは明らかにされていない。
その問題に対するひとつの答えとなる試験,ADVANCE(Effects of a fixed combination of perindopril and indapamide on macrovascular and microvascular outcomes in patients with type 2 diabetes mellitus)が2007年の欧州心臓病学会(ESC)で発表された。
ここではおもな結果とともに,高血圧診療のエキスパートによるディスカッションを紹介する。

ADVANCE・・・2型糖尿病患者における血圧低下の意義を検討した最大規模の無作為化比較臨床試験
ADVANCEでは,現在既に血糖,血圧,血清脂質等に対する治療を受けている 2 型糖尿病患者 1 万1,140例を対象に,アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬ペリンドプリルと利尿薬インダパミドの併用療法が心血管疾患をはじめとする各種合併症の発症にどのような影響をもたらすかについて,無作為化比較試験による検討が行われた(図 1)。
試験には55歳以上の 2 型糖尿病患者で,
1)65歳以上,
2)大血管/細小血管障害の既往がある,
3)糖尿病の確定診断から10年を超える,
4)その他の主要リスク因子を少なくとも 1 つ以上有する,
いわゆるハイリスク症例が登録された。
試験開始前の各群の背景因子に差は見られず,75%の患者が既に降圧薬を服用していた。

平均5.6/2.2mmHgの血圧低下により全死亡・心血管死が有意に抑制
全患者はペリンドプリル 2 mgとインダパミド0.625mgによる導入期間を経て,ペリンドプリル 4 mgとインダパミド1.25mgを投与した実薬群と従来治療を継続したプラセボ群に無作為割り付けされた。
4.3年間のフォローアップ期間中の血圧の平均値はプラセボ群が140.3/77.0mmHgであったのに対し,実薬群では134.7/74.8 mmHgであった。
また,追跡期間中の実薬群とプラセボ群の血圧下降度の差は実薬群で平均―5.6/2.2 mmHgと有意であった(図 2)。
 
一次評価項目である大血管/細小血管合併症の発症は実薬群で有意に低く(15.5% vs 16.8%,相対リスク低下率 9 %,p=0.041),全死亡についても実薬群で相対リスクが14%と有意な低下が認められた(図 3)。
全死亡のうち,血管死あるいは非血管死の死因別解析では血管死において実薬群で18%,相対リスクの有意な低下が見られた一方,非血管死では有意差は認められなかった。

ペリンドプリル+インダパミド追加治療はすべての2型糖尿病患者に有益
また,試験開始時の既往,服用薬剤等の背景因子別解析では年齢,性別,血圧,血糖値,降圧薬や高脂血症治療薬,抗血小板薬の服用等にかかわらず,ペリンドプリルとインダパミドによる追加治療の有益性も明らかにされた(図 4)。
 
同試験の統括責任者の 1 人,オーストラリア・シドニー大学のSteve MacMahon氏は今回の結果について,IDFが指摘する2010から15年の全世界における糖尿病人口のうち,半数がADVANCEで実施されたペリンドプリル+インダパミドによる追加治療で予後改善が期待できるだけでなく,この 5 年間で150万人の死亡が回避可能との試算を示した。
 
同試験では引き続き血糖降下薬グリクラジドの追加により血圧に加え,血糖値のさらなる低下が 2 型糖尿病患者に相乗的な予後改善をもたらすかが検討されており,今後の動向が注目される。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41130481&year=2008
出典 Medical Tribune 2008.3.27
版権 メディカル・トリビューン社
 

<コメント>

明日は専門家による、突っ込んだディスカッションをとりあげる予定です。

最初に述べたように、この試験がユニークなので私自身明日が楽しみです。

 

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