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エバロリムス溶出ステントは内径損失と重大な心有害事象が少ない
パクリタキセル溶出ステントと比較したSPIRIT III試験の結果
エバロリムス溶出ステントとパクリタキセル溶出ステントの有効性と安全性を比較する大規模な前向き単盲検試験
SPIRIT IIIの結果、エバロリムス溶出ステントの方が内径損失と有害な心イベントは有意に少なく、標的血管不全の発生率については非劣性であることが示された。
米国Columbia大学医療センターのGregg W. Stone氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年4月23/30日号に掲載された。
エバロリムスは、半合成のマクロライド系免疫抑制剤で、ラパマイシンのアナログだ。エバロリムスを溶出する高耐久性フルオロポリマーでコートしたコバルトクロム合金製ステントは、予備的な研究において、シロリムス溶出ステント、パクリタキセル溶出ステントに比べ内皮化が早いと報告されている。
欧州で行われた小規模な研究と中規模な試験では、冠動脈疾患患者の臨床転帰と血管造影の結果を向上させることが示されている。
著者らは、広く適用されているパクリタキセル溶出ステントとエバロリムス溶出ステントの安全性と有効性を比較するSPIRIT IIIを実施した。
米国内の大学病院と地域病院65施設で、2005年6月22日から2006年3月15日に、経皮的冠インターベンションを受ける男女1002人を登録。
de novo病変が1または2カ所で、病変部の長さは28mm以下、参照血管の直径は2.5~3.75mm(米国でパクリタキセル溶出ステントの適応として承認されているサイズ)を登録の条件とした。
患者を無作為にエバロリムス溶出ステント(669人、平均年齢63.2歳)またはパクリタキセル溶出ステント(333人、62.8歳)に割り付けた。
登録が早かった順に564人の患者に対して8カ月時に血管造影を計画していたが、実際には436人の患者に血管造影を行った。
臨床的な評価は1カ月、6カ月、9カ月、12カ月時に実施した。
主要アウトカム評価指標は、8カ月時の血管造影による病変内の内径損失とし、これを指標とする非劣性または優越性の検証を試みた。
非劣性のマージンは、「片側検定で両群間の差の97.5%信頼区間が0.195mmを超えない」と設定した。
非劣性が確認された場合に、優越性について評価することにした。
2次エンドポイントは、9カ月時の標的血管不全(心臓死、心筋梗塞、虚血による標的血管血行再建術の再施行を合わせたもの)の発生率とした。
非劣性のマージンは、「片側検定で両群間の差の95%信頼区間が5.5%を超えない」とした。
8カ月時の病変内内径損失は、エバロリムス溶出ステント群(301病変)で、パクリタキセル溶出ステント群(134病変)に比べ有意に少なかった。
平均は0.14mmと0.28mm、差は-0.14(95%信頼区間-0.23から-0.05)。非劣性のP≦0.001で、優越性のP=0.004となった。
ステント内の内径損失も同様で、それぞれ0.16mmと0.31mm、差は-0.15(95%信頼区間-0.25から-0.04)。非劣性のP<0.001、優越性のP=0.006だった。
8カ月時に血管内超音波検査によって内膜過形成の容積が測定されていたのはエバロリムス群101人、パクリタキセル群41人。
エバロリムス群で新生内膜過形成(10.13立方mmと20.87立方mm、P=0.04)と、新生内膜肥厚による狭窄容積(6.9%と11.2%、P=0.01)は有意に少なく、先の内径損失に関する結果が確認された。
30日の時点の臨床転帰については、エバロリムス群で心筋梗塞が少ない傾向が見られた。
罹患率はそれぞれ1.0%と2.7%で相対リスク0.38(0.14から1.02、P=0.06)。
心臓死と標的病変血行再建術再施行の頻度には差はなかった。
9カ月の時点の標的血管不全の発生率については、エバロリムス溶出ステントの非劣性が示された。
エバロリムス群7.2%、パクリタキセル群9.0%で、差は-1.9%(-5.6から1.8)、相対リスクは0.79(0.51から1.23)で、非劣性のP<0.001となった。
優越性はP=0.31で有意にならなかった。
12カ月時の標的血管不全の発生率は8.6%と11.3%で相対リスクは0.76(0.51から1.13)。
非有意ながら、エバロリムス群で好ましい傾向が見られた。
9カ月時と12カ月時の重大な有害事象(心臓死、心筋梗塞、虚血による標的病変部の血行再建術再施行)はエバロリムス群で有意に少なかった。
9カ月時は4.6%と8.1%、相対リスク0.56(0.34から0.94、P=0.03)。12カ月時には6.0%と10.3%、相対リスク0.58(0.37から0.90、P=0.02)。
重大な有害事象に設定されたイベントの発生率には、ステント留置後早い時期から一貫して差が見られた(ログランク検定のP=0.01)。
ステント留置から約半年間はエバロリムス群で心筋梗塞が少なく、その後はエバロリムス群で標的病変部の血行再建術再施行が少なかった。
大規模な前向き研究で、エバロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントに比べ8カ月時の内径損失が少ないこと、9カ月時の標的血管不全の発生率においては非劣性であることが示された。
これらは、米国食品医薬品局(FDA)が試験成功と認めるために必要な条件として事前に提示していた2項目だった。
原題は「Comparison of an Everolimus-Eluting Stent and a Paclitaxel-Eluting Stent in Patients With Coronary Artery Disease。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/200805/506391.html
日経メディカル オンライン 2008. 5. 8
版権 日経BP社
<番外編>
昨夜、PERISCOPE のシンポジウム(第1部は全国ライブ配信)を聴きに行きました。
演題は
「循環器医による糖尿病治療」
さすが、T社。
会場の机にはチャーミングなパンフレットが置いてありました。
これを来週からの患者教育に利用しようとまずは満足。
実は最近、説得力のあるきれいなパンフをラミネートにして説明に使ったり、スキャナーにかけてパワーポイントをりようして診察机のマックで患者説明に使っています。
さて内容としては
「DES時代になってもDM患者の予後は実は不良である。
したがってインターベンション後も内科的治療は積極的に継続する必要がある」
「標的血管がある程度インターベンションで解決されても非標的器官が糖尿病患者では解決されない」
「世界中で10秒に1人が糖尿病で死亡している」(門脇)
「糖尿病患者では男性で9.6年、女性で13年寿命が短い」(門脇)
「IGTの段階でCVD死のリスクは高まっている」(門脇)
「SU剤を中心とした糖尿病コントロールでは大血管障害の抑制は不十分」(門脇)
「SU剤は食後高血糖の管理には無効」(門脇)
などでした。
「小倉記念病院での待期的PCI連続256例での検討。
DM既往歴あり41%、DM既往歴なし59%。
このDM既往歴なし59%を入院中に精査した結果、DM19%,IGT47%,正常34%と、実に66%が何らかの耐糖能異常を示していた」(横井)
「糖尿病患者は非DMに比べてプラーク体積が大きい」
(横井)
PERISCOPE 関連(横井)
「骨折、体重増加、浮腫ピオグリタゾン群で多かった」
「低血糖、狭心症はグリメピリド群で多かった」
「高血圧、喫煙はグリメピリド群で多かった。」
(座長、演者のお名前、所属は昨日紹介させていただきました)
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