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勤務医時代には心肺蘇生(CPR)を結構行ったつもりでいます。
しかし、開業してからは一度心肺蘇生を行ったことがありません。
ひょっとしたら今後一度も行う機会がないかもしれません。
しかし医療機関内ではなくとも、一般市民としてのバイスタンダーとしてそういった機会に遭遇する可能性はあります。
ちょっとシンパイです。
医師として恥ずかしくない最新知識だけはバージョンアップしておきたいと思っています。
恥をかきたくありませんから。
さて最近は心脳蘇生(MICR;Minimally Interrupted Cardiac Resuscitation)という概念があるようです。
循環器専門の諸先生方には釈迦に説法ですが、自分自身の勉強としてとりあげてみました。
心肺蘇生よりも心脳蘇生を
救命救急に新しい概念
〔ニューヨーク〕 アリゾナ大学(アリゾナ州ツーソン)心臓病学のGordon A. Ewy博士は,伝統的な心肺蘇生(CPR)ではなく心脳蘇生(CCR)という新たな概念をクリーブランド・クリニック財団(オハイオ州クリーブランド)が主催したHeart-Brainサミットで提唱した。
毎分100回の胸部圧迫を
Ewy博士は「適切な除細動は心停止後 4 分以内に行われた場合のみ有用であるが,院外では不可能な場合が多い。
時間が経過すれば,除細動ではなく胸を圧迫して冠動脈の血流を確保することが最も重要になってくる」と主張。
「胸を圧迫することにより心筋に血流が生じ,心室細動(VF)の振幅が改善することから考えて,その後の除細動ショックに対して心臓が適切に反応するようにエネルギー蓄積の補充を助けていることには疑いの余地がない。
現場にいる人は,救急車が到着するまで,1 分間に100回のペースで休まずに胸を圧迫すべきである」と述べた。
さらに,同博士は「胸を圧迫するたびに,胸腔が完全に戻るようにするのが重要である。
もし,救急隊員や法務官がいれば,除細動器を使う前に200回の圧迫を行うべきである。
1 回ショックを与えたら,連続的な胸の圧迫を再開することが重要だ」と付け加えている。
今回の新しいCCR法の結果は,古いCPRガイドラインに従った伝統的な方法よりも良好であった。
院外で心停止を起こした患者を神経学的に正常な状態で救命することに関しては,CCRの施行により劇的な改善が認められた。
同博士は「さらによい別の方法が確認されるまでは,ショック療法が可能な心拍が残っているすべての院外心停止に対してCCRを推奨する。
適量の血流を得るには胸の圧迫が80回以上必要であることを示す研究もあり,呼吸を助けるために胸の圧迫を中断するのは実際には悪い結果をもたらす」と述べている。http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M3929052&year=2006
出典 Medical Trubune 2006.7.20
版権 メディカル・トリビューン社
<参考サイト・ブログ>
■救急蘇生2題
http://blog.m3.com/reed/20080125/1
■バイスタンダーCPRによる胸部圧迫
http://blog.m3.com/reed/20080306/_CPR_
■「簡単・抜群 胸骨圧迫だけの心肺蘇生法」(市民のためのAED救命講習会)
http://www.sakakibara-hp.com/AED/AED_index.htm
●胸骨圧迫だけの心肺蘇生法の方が優れていた!(1)
2007年3月,日本からの重要な報告がLancet 誌に掲載されました。
口対口人工呼吸法の有無で比較した、初めての大規模研究です。
日本大学の長尾 建先生たち(SOS-KANTO)が関東地方の院外心停止4068 症例を分析。
なんと胸骨圧迫のみを行った方が,脳障害のない救命率が高かった。
Lancet. 2007 Mar 17;369(9565):920-6
●消える人工呼吸?(2)
http://ops.umin.ac.jp/ops/jijou/070501kokyuu.html
●心停止後15分までは、人工呼吸なくてよい(3)
病院外心停止に関する,大阪ウツタイン・プロジェクトの論文が、最有力雑誌Circulationに掲載されることになりました。
心原性心停止25000件を検討した,世界で例を見ない大規模な報告です。
心停止後15分までは、胸骨圧迫だけと,人工呼吸を併用した心肺蘇生では,生存率に差がありませんでした。
「効果が同じなら、短時間で習得可能な圧迫だけの蘇生法講習が、優れている」
というわけです。
2010年のガイドライン改訂には、日本からの大規模なデータ(関東と大阪)が初めて採用されそうです。
■心脳蘇生で院外心停止者の生存退院率が有意に向上
ガイドラインに沿った2次救命処置の3倍に
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/200804/505960.html
心マッサージ(胸骨圧迫)の中断を最小にする心脳蘇生(MICR)の有効性を示すデータが蓄積されつつある。
今回、2000年のAHAガイドラインに沿った2次救命処置とMICRを比較した結果、院外心停止者にMICRを適用すると生存退院率が3倍になることが示された。
米国Mayo ClinicのBentley J. Bobrow氏らの報告で、詳細はJAMA誌2008年3月12日号に掲載された。
米国Arizona大学が2003年に開発した心脳蘇生(MICR;Minimally Interrupted Cardiac Resuscitation)は、中断なしに胸骨圧迫を200回継続(1分間に100回の速度)、次にAEDによる心拍解析、必要なら1回のショックを施し、その後、波形の再解析を待たずに200回の胸骨圧迫、続いて波形解析、必要ならショック、を繰り返す方法。
このサイクルの早い段階でエピネフリン1mgを静注し、気管内挿管は行わない、
またはできるだけ遅く(3サイクルの胸部圧迫と心拍解析の後)行うことになっている。早期の、または過剰な陽圧換気は極力避けるよう求める方法だ。
著者らはまず、アリゾナ州の2都市で、消防局の救急医療スタッフにMICR訓練が行われる前後の院外心停止者のアウトカムを比較する前向き研究を実施した。
次に、2都市の2消防署を含むアリゾナ州内62の消防署の管轄地域で、実際にプロトコルに遵守したMICRが適用された院外心停止者と、標準的な2次救命処置を受けた患者を比較した。
プロトコル遵守は、1)AED前の200回の胸骨圧迫、2)ショック後の200回の胸骨圧迫、3)これを3回繰り返すまで気管内挿管を行わない、4)最初の、または2回目のサイクルで、エピネフリンを投与―のすべてを行うとした。
■突然死から救う、心肺ではなく心脳蘇生法で生存率が3倍に
http://www.rda.co.jp/topics/topics2161.html
■心マのみCPR再考
http://ops.umin.ac.jp/ops/jijou/060606sinmanomi.html
■日本版救急蘇生ガイドライン策定小委員会
http://www.qqzaidan.jp/qqsosei/index.htm
■日本版救急蘇生ガイドライン
http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/180815/180815_s2a.pdf
■心肺蘇生「国際ガイドライン2005(AHA)」速報!
http://homepage2.nifty.com/treknz/guideline2005.html
060706日本版救急蘇生ガイドライン
http://ops.umin.ac.jp/ops/jijou/060706nihonnbann.html
(これらのガイドラインでは人工呼吸が採用されています)
■米国心臓協会・学術集会2007
2007年11月4日~7日 Orlando U.S.A.
AHAの心肺蘇生新ガイドラインは浸透しつつあり
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/aha2007/200711/504651.html
(この発表でも2005年秋に発表された「心マ30回ごとに人工呼吸2回、心マ最優先」が採用されています)
<自遊時間>
心肺蘇生CPRに対して心脳蘇生をCCRというのかどうかは知りません。
私達の世代はCCRという言葉で別のことを連想してしまいます。
Creedence Clearwater Revival - Have you ever seen the rain?
http://jp.youtube.com/watch?v=TS9_ipu9GKw
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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