戯れ言たれる侏儒
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< エプレレノンのターゲット患者 その2(2... | メイン | 心脳蘇生 >

性差医療が今話題になっています。
世の中、男性と女性から成り立っているわけですが、そのことを当たり前として私達は受け入れて日々の生活を送っています。
しかし人間を男性と女性に分類することが出来る、ということが何だか不思議です。
循環器の領域でも性差を考えての診療が必要になっています。
きょうは長文になってしまいますが、そんな話題で勉強しました。 

ジャンセン リトグラフ「椅子に座る女性」
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p113269154?u=;ginza_kaigakan

女性ではアスピリンが効きにくい
有効性は男性の 4 分の 1
〔米ミシガン州アナーバー〕 ミシガン大学(UM,アナーバー)薬学部のMichael Dorsch講師らは,冠動脈疾患(CAD)女性に対するアスピリンの有効性は,同じ病歴を有する男性の 4 分の 1 にすぎないことがわかったとAnnals of Pharmacotherapy(2007; 41: 737-741)に発表した。

性が抵抗性の予測因子
筆頭研究者のDorsch講師は「過去の研究から,男性と比べて女性に対するアスピリン療法の有効性が低いことは実証されていたが,どの程度低いのか,また患者のアウトカムに影響を及ぼすか否かは不明であった」と述べている。
 

今回の研究では,定期的な診察のために心臓病専門医を受診した患者100例がランダムに選択された。全例にCADの既往歴があったが,心筋梗塞の既往歴は半数だけであった。
 

研究チームはVerify Now Aspirin Assayと呼ばれる機器を使用して,血栓を誘発する化学物質に患者の血液サンプルを曝露した後,血小板反応性のパーセンテージを測定した。

同検査には光学センサーを使用し,血液サンプルにおいて凝集している血小板の割合(%)を測定する。

血小板凝集阻害が40%未満の場合は,アスピリン抵抗性があると判断された。
 

同講師は「当初は,心筋梗塞既往歴のある患者は既往歴がないCAD患者よりもアスピリン抵抗性が高い傾向があるか否かを解明したいと考えていた」と説明している。

しかし,「アスピリン抵抗性の予測因子は病歴ではなく性であるという意外な結果が得られた」とし,「女性に観察された大きな差に驚かされた。

今回の知見から,女性を対象とした研究を重ねる必要性がさらに支持された」と述べている。
 

なお,同講師はミシガン大学保健システム(アナーバー)にも所属しており,ノースカロライナ大学(UNC,ノースカロライナ州チャペルヒル)の研修医のときに今回の研究を開始した。
 

アスピリンは血栓形成を阻害する作用があるため,心疾患管理の基礎薬となっている。

アスピリン投与により,非致死性の心筋梗塞または脳卒中リスクが約23%減少する可能性がある。

心疾患を管理する目的で,2,000万人の患者が低用 (81?325mg/日)のアスピリンを服用していると推定されている。このような有効性にもかかわらず,一部の患者にはアスピリンがあまり有効ではないことを示すエビデンスが存在しているが,その理由はわかっていない。
 

同講師は「ほとんどの医師は患者のアスピリン抵抗性を測定せずにアスピリンを処方している。その結果,有効性が低い患者にもアスピリンが有効に作用していると誤って判断してしまう可能性があるため,このエビデンスは軽視できない」と指摘している。

 

性差の機序は不明
Dorsch講師は「アスピリン抵抗性を示す患者には投与 を増加すればよいとするエビデンスは不十分である。ただし,医師のアドバイスに従いアスピリンを服用している患者は,今回の知見のみに基づいて服用を中止すべきではない」と警告している。
 

今回の研究は,アスピリン治療において男性が女性と比べてどの程度有効であるかを数化しただけでなく,症状の安定したCADの男女を対象としてアスピリン抵抗性を測定した初めての研究である。

過去の複数の研究は,心筋梗塞既往歴のある患者のみを対象としてアスピリン療法の影響を調べていた。

アスピリンは血中の血小板の働きを阻害する作用を持つ。

血小板が凝集しにくくなるため,心筋梗塞または脳卒中を引き起こす血栓の形成が遅延される。

女性のみを対象とした研究で確認必要
Dorsch講師は「この作用は女性にも起きるが,男性ほど多くの女性には観察されず,有効性も男性より低い」と指摘。「このような男女差の背景にある機序は不明であるが,女性の身体には活性化された血小板の割合が多いので,血小板の凝集が阻害される確率が低くなるのではないか」と推測している。
 

研究チームは,将来的には女性のみを対象としてアスピリン療法のアウトカムを調べ,今回の知見と異なる結果が得られるかどうかを解明したいと考えている。

同療法に関するこれまでの試験の大部分は男性を対象としているため,女性の反応についてはあまり知られていない。

同講師は「心疾患は米国女性の死因の第 1 となっている。今後の研究は,心疾患女性にアスピリン抵抗性が増大する原因とアウトカムに対する影響の解明を主眼とすべきだ」と指摘している。
今回の研究は,米国立衛生研究所(NIH)の助成を受けた。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4028641&year=2007

出典 Medical Tribune 2007.7.5

版権 メディカル・トリビューン社

アスピリン療法 血小板反応は女性で減少
〔ニューヨーク〕 ジョンズホプキンス大学(メリーランド州ボルティモア)のDiane M. Becker教授らによる新たな研究で,アスピリン療法後,血小板反応は女性では男性と同等またはより大きく減少することが判明した。詳細はJAMA(2006; 295: 1420-1427)に発表された。

概して高めの血小板反応性
Becker教授らは「女性は男性に比べてやや高めの血小板反応を維持したが,大部分の女性が,アスピリンの心臓保護機序と考えられている直接的シクロオキシゲナーゼ(COX)-1経路における凝集の完全な抑制を達成した」と述べている。
最近のデータで,女性は低用量アスピリン療法から男性ほど心臓保護効果を得ていない可能性が示唆されたため,同教授らは571例の男性と711例の女性に,アスピリン81mg/日を14日間投与する臨床検査を行った。

被験者自身は早発性の冠動脈性心疾患に罹患していなかったが,その家族歴があった。
 

12種の血小板作動薬のうち10種で,被験女性の血小板は治療前に有意に反応性が高かったことが判明した。

しかし,アスピリン治療後,アラキドン酸(直接的COX-1経路)に対する凝集比率は男性より女性で多く減少した(P<0.001)。

さらに,男女とも残余血小板反応のほぼ完全な抑制が見られた。
 

COX-1間接的経路では,女性は 9 回の測定のうち 8 回で男性と同等以上の血小板阻害が見られたが,アスピリン治療後ではわずかに高い血小板反応を維持した。
 

女性で血小板反応が維持されたことに関連して,同教授らは「女性は男性に比べて,血液全体と血小板が豊富な血漿の双方において,複数の作動薬に対し一貫して反応性の高い血小板を有することが判明した。以前の研究が示すように,女性における血小板活性亢進は治療前に存在し,アスピリン治療後も,特にCOX-1に間接的に従属する凝集測定で概して継続した」と述べている。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M3929382&year=2006

 

心血管疾患   女性の臨床評価に見直し必要
性差を念頭に診断的検査の選択を
〔ニューヨーク〕 メイヨー医科大学(ミネソタ州ロチェスター)内科のAmir Lerman博士と米国立心肺血液研究所(NHLBI)のGeorge Sopko博士らによる「女性の虚血症候群に関する評価(WISE)」の知見から,心血管疾患(CVD)が疑われる女性の臨床評価を見直す必要性が示された。

詳細はJournal of the American College of Cardiology(JACC,2006; 47 Suppl 1: S59-S62)に発表された。

虚血は微小血管に限局
Lerman博士らは「性差に焦点を当てた質問票が,診断の補助となることがある。
ヘモグロビン(Hb)値の低下に注目すると,有害なアウトカムリスクが上昇する場合がある。メタボリックシンドロームは,主要な危険因子とみなすべきである」と述べている。
さらに「
今回の研究データにより,女性の虚血は冠動脈微小血管に限局して発生するという仮説がさらに裏づけられた。したがって,閉塞性の冠動脈疾患(CAD)のない女性が胸痛を訴える場合,冠動脈微小血管機能障害または内皮機能障害の診断を検討すべきである。従来の検査で診断が得られない場合,このような診断的検査の追加が役立つ可能性がある」と付け加えている。
 

フロリダ大学(フロリダ州ゲインズビル)心血管学のCarl J. Pepine博士は「男性と比べて女性では,非内皮依存性の微小血管機能障害が特に虚血性心疾患(IHD)の初期に好発する」とJACC(2006; 47 Suppl 1: S1-S3)で説明している。
 

女性ではコレステロールがプラークを形成し,それが成長して広範な閉塞を起こす可能性は低く,むしろプラークが動脈壁全体に均等に広がる可能性が高い。

これらの女性に診断的冠動脈造影を行うと「異常なし」と診断される可能性があり,これにより,これらの女性は重大なCVDリスクが低いと誤って解釈される恐れがある。
 

しかし,実際には冠微小血管症候群と呼ばれる病態の女性では,プラークは心臓のきわめて細い動脈に蓄積する。

この蓄積によりこれらの血管が狭窄し,心臓への酸素流量が減少して疼痛が発生する。

まずHb値低下への治療を
Lerman博士とSopko博士は「WISE研究では,心臓病学の実践に関連して心筋虚血疑いと評価された女性の約50%では閉塞性CADが認められず,将来的な心有害事象と持続的症状に関しては,これらの女性の予後は中等度であるという重要な所見が得られた。
医師はもはや女性における非閉塞性の冠動脈造影図を軽視したり,トロポニン陽性や負荷試験による血流評価における異常などの明白な虚血のエビデンスを偽陽性とみなすことのないようにすべきである」と述べている。
WISE研究の所見は,JACCの増刊号全体で発表されている。
 

両博士は「さらにWISE研究では,冠動脈に閉塞が生じていない女性を対象とした大規模コホートで,微小血管の虚血がその徴候と症状を伴うことが多いことが立証された。この血管機能の異常は内皮機能の異常に併発することが多いので,これらの女性に対しては内皮機能の改善,アテローム動脈硬化の改善,既知の危険因子の軽減のため,積極的な治療を行う必要がある」と指摘。

治療としてスタチン抗高脂血症薬,ACE阻害薬,アスピリンなどの投与を挙げている。

また,両博士は「IHDが見られる女性に対しては,現行の治療を始める前にHb値の低下に対する治療を開始するほうが賢明かもしれない」と述べる一方,WISE研究の結論のいくつかは,前向きランダム化試験により確認する必要があるとしている。

WISE研究の他の知見によると,負荷試験前に心疾患の症状が認められる女性の機能評価ツールとして有用性が立証されているデューク活動尺度(DASI)を用いると,女性に対する試験法を決定するうえで役立つという。

具体的には,運動負荷試験に適格である女性,運動よりも薬剤静注による負荷試験が適している女性の決定に役立つ。

閉経前の高血圧はリスクが高い
シダース・サイナイ医療センター(ロサンゼルス)心臓病学のLeslee J. Shaw博士らは「心筋虚血が疑われる女性においてDASIで評価される機能低下は,非定型的な運動試験の結果と相関し,有害な予後に関連する。運動試験前のDASI評価により有症状女性のリスク階層化が可能で,薬剤負荷画像と目標を定めたリスク管理により利益が得られるリスクの高い機能低下患者の同定が向上する可能性がある」と JACC(2006; 47 Suppl 1: S36-S43)で述べている。

一方,WISE研究の別の知見によると,DASIのスコアが低い女性では冠動脈血流速度も低い。この組み合わせにより,動脈閉塞のない女性心疾患患者で見られるアウトカム不良の説明が可能である(Handberg E, et al. JACC 2006; 47 Suppl 1: S44-S49)。

WISE研究のさらに別の知見によると,閉経前に高血圧,特に収縮期血圧が高い女性ではリスクは高いとみなすべきで,これらの女性は高リスク患者として治療すべきである(Gierach GL, et al. JACC 2006; 47 Suppl 1: S50-S58)。

WISE研究は前向きコホート試験で,登録した女性936例に対して 4 施設で診断的冠動脈造影を実施した。

さらに,標準的検査とともに新規検査を実施した。

1 年間のパイロット段階では女性256例を登録し,3 年間の同試験では女性680例を追加登録した。

エストロゲン血症の影響大きい
Shaw博士らは「WISE研究の実施が部分的であったのは,心血管分野の治療は近年進歩してきているものの,致死率については男性における劇的な低下に比べ,女性では顕著な低下が認められなかったためである」と JACC(2006; 47 Suppl 1: S4-S20)で説明している。

また,Pepine博士は「疾患に関連する特定の病態が女性特有であることは明白で,一例として妊娠に関する高血圧性障害,妊娠性糖尿病,周産期の切開,多嚢胞性卵巣症候群などが挙げられる」とJACC(2006; 47 Suppl 1: S30-S35)で述べている。

他の一般的な病態は女性のほうが頻度が高く,例えば片頭痛,冠動脈攣縮,ループス,脈管炎,レイノー現象などがある。

さらに,多くの国では男性に比べて女性のほうが高血圧,糖尿病,肥満,無活動と他の病態の頻度が高く,女性でより群発する傾向がある。
 

同博士は他の重要な点として,女性の冠動脈は比較的細く,また先に言及したが,びまん性アテローム動脈硬化を来しやすいことを指摘している。

女性の大動脈は線維症,リモデリングなどの過程を経て硬直化する傾向が強い。

また,前述したように,男性と比べて女性の微小血管では機能障害が発生しやすく,血管拡張神経反応の低下を示すことが多いと考えられている。

Shaw博士らは「新たなデータから,女性特有のリスクプロフィールが示唆された。

一例が低代謝状態の長期化による有害作用に関連した低エストロゲン血症で,同作用は非閉塞性CADにおいてさまざまな症状や虚血をもたらす可能性のある炎症環境や血管変化,または代謝変化の進行に影響を及ぼす」と述べている。

心エコーとSPECTが有用
Shaw博士らは,さらに「閉塞性CADのない女性の割合が増加している点については,胸痛と機能低下がむしろエネルギー基質の心筋と末梢のグルコース(嫌気性)代謝への利用を促進する代謝のシフトに関連している可能性がある。

したがって,狭心症に対する従来の負荷試験では,重大な冠動脈狭窄のない女性コホートでは閉塞性CADを効率的に検出できないことが多い」と指摘している。
また,診断における画像の利用に関しては,「閉塞性CADを診断する目的で実施した負荷心エコーやSPECT画像などの心画像検査における成果の低さは,これらの検査法をリスク評価目的で用いることで顕在化せずに推移してきた。

現在,女性の大規模コホートにより,負荷心エコーとSPECT画像は,胸痛のある女性の短期予後(すなわち 2 ~5 年のイベントフリー生存率)を高い精度で評価するという十分な根拠が得られた」と述べている。

同博士らは,無症候性心筋虚血スクリーニングにおける同疾患の指標の位置付けについて,具体的に論じている。この指標には,足関節血圧と上腕部血圧比(ABPI),上腕動脈反応性,頸動脈内膜中膜複合体厚,網膜写真とCT冠動脈カルシウムなどがある。

性差に関する知見が相次ぐ
WISE研究の知見と他の研究の知見を合わせると,さまざまな研究において冠動脈バイパス術と経皮的冠動脈インターベンションのアウトカムに常に性差が認められてきた理由が明らかとなってくる。

ボストン大学医療センター(ボストン)心臓病学のAlice K. Jacobs博士は,アテローム動脈硬化の代替マーカー,女性における新たな危険因子,左室機能の性特異的な指標と女性IHD患者で好発する障害と有害な心血管アウトカムとの関係に関する最新の知見を JACC(2006; 47 Suppl 1: S63-S65)で論じている。

さらに,エモリー大学(ジョージア州アトランタ)のArched A. Quyyumi博士は,血管壁,アテローム動脈硬化性プラークの沈着,病態生理学と新たな心血管画像法における性差に関し,新たな根拠をJACC(2006; 47 Suppl 1: S66-S71)で論じている。

一方,WISE研究における重要な新規データや新たな知見は公表されていないが,Pepine博士は「IHDは初期の症状や機序に対する理解が不十分であるため,早期同定が困難な重大疾患であり続けている」と述べている。

さらに,IHDを末期まで進行させないためには,IHDリスクがある女性の自覚向上と男性の場合とは異なる手法を選択することが重要と強調している。

IHDが末期に至るころには,冠動脈構造における著しい病態生理学的変化により,突然死,心筋梗塞,うっ血性心不全,または血管再建の必要性が生じる可能性がある。 
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M3929391&year=2006
出典 Medical Tribune 2007.7.12
版権 メディカル・トリビューン誌

 

 

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