| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 | 31 |
< 循環器領域でのピオグリタゾン その2(2... | メイン | エプレレノンのターゲット患者 その2(2... >
鳴り物入りで発売されたセララ。
今回のタイトルのようにまさしく新しいボトルに古いワインです。
耳タコのような気もしますが新知見もあるかと思います。
ちょっと勉強してみました。
特別企画
座談会
Old Wine in New Bottles
―アルドステロンブロックの臨床的意義とそのターゲット患者像に迫る―
2007年,新規降圧薬エプレレノン(セララR)が発売された。エプレレノンは選択的アルドステロンブロッカー(SAB)であり,高血圧治療のみならず心・腎といった臓器保護にもその有用性が期待される。
今回は内分泌・心臓・腎臓を専門とするアルドステロン研究の第一人者にご参集いただき,座談会を開催。エプレレノンの降圧効果,心・血管・腎への影響の観点からお話を伺った後,エプレレノンに適した高血圧患者像,処方の留意点などについてディスカッションをしていただいた。
司会
伊藤 裕 氏 慶應義塾大学腎臓内分泌代謝内科教授
出席者(発言順)
吉村 道博 氏 東京慈恵会医科大学循環器内科主任教授
佐藤 敦久 氏 国際医療福祉大学三田病院内科教授
エプレレノンは低レニン性の高血圧でも優れた降圧を示す
伊藤
アルドステロンの作用機序が明らかになるに従って,アルドステロンブロックが衆目を集めています。
まず,内分泌専門の私から高血圧治療におけるエプレレノンの意義をお伝えしようと思います。
私は高血圧治療において内分泌的なアプローチが重要だと考えて,臨床でもレニン,アルドステロン,心房性・脳性ナトリウム利尿ペプチド(ANP・BNP)を測定して病態を判断しています。
高レニン―低ANPは血管収縮因子が影響している高血圧,逆に低レニン―高ANPでは原発性アルドステロン症(PA)合併など用量依存型の高血圧です。
最近では,PAや治療抵抗性高血圧(RH)が注目を浴びています。
日本内分泌学会はアルドステロン―レニン比(ARR)とアルドステロン値を指標としてPAの実態を把握しようとしています。
また,ARRやアルドステロンが高値でPA,特発性アルドステロン症(IHA)に該当しない群を「アルドステロン関連高血圧(AAH)」と呼称するグループもあります。
AAHはIHAと同様に治療抵抗性であるとされています。
Sarutaらの報告によると,SABであるエプレレノンは本態性高血圧症例に対して用量依存性に血圧を下げます(図 1)。
また,同薬はレニン活性に関係なく降圧効果を示すと報告されています。
これは,高レニンではアルドステロン亢進,低レニンでは体液貯留型のためアルドステロンの作用が強まることと,脳,心臓,血管など組織でのアルドステロン作用の増強が原因と考えられます。
そこでわれわれはプロレニン,プロレニン受容体に注目した検討をしています。
プロレニンは通常,プロセグメントの切断によりレニン活性を獲得するのですが,プロレニン受容体に結合するだけでもシグナルが伝達されます。
そこで,Ichiharaらはプロセグメントのデコイを阻害薬として,プロレニン受容体の役割を糖尿病性腎症(低レニン)のラットで検討したところ,デコイ投与で腎障害が抑制されました。
つまり,低レニンでもプロレニン受容体への結合を介してレニン―アンジオテンシン系(RAS)とRASとは独立したチロシンリン酸化経路の2経路が活性化され,糖尿病性腎症が悪化することを示唆しました(図 2)。

さらに,Kaneshiroらはヒト(プロ)レニン受容体トランスジェニックラットにおいて,プロレニン受容体が活性化されている状況下でRASとは独立した系の作用を見たところ,血中アルドステロンが有意に上昇していました。
つまり,プロレニン受容体が活性化するとRASを介さない形でアルドステロンが亢進する可能性を示唆しました。
したがって,高血圧患者さん,特にRHやPA,AAHの症例でアルドステロンを直接ブロックする意義は大きいと思います。
エプレレノンの心肥大への影響
伊藤
では次に,心血管の観点から,吉村先生にご説明いただきます。
吉村
食塩摂取量が少ない方ほど血圧が低いのはよく知られていますが,わが国の食塩摂取量は生命維持に最低限必要な量をおよそ8gほどオーバーしていると思います。
また,RALES(Randomized Aldactone Evaluation Study)試験,EPHESUS(Eplerenone Post-AMI Heart Failure Efficacy and Survival Study)試験によってアルドステロンブロックが生命予後を改善することが示されましたが,その機序は未だ不明です。
しかし,私は食塩との関係が深いと考えています。
心不全の病態生理から考えると,レニン―アンジオテンシン―アルドステロン系の亢進,交感神経の亢進,食塩の過剰摂取はきわめて重要な因子です。
また,ANPやBNPは食塩を媒体としてアルドステロンと拮抗する関係にあり,この関係は心不全の機序で重要な要素だと私は考えています。
動物実験により,アルドステロンは副腎と微量ながら組織からも産生されることが示されています。
組織のアルドステロンが臓器障害にどれだけ影響するかは,今後の検討課題ですが,私はヒトの高血圧心,心不全心でもアルドステロンが心臓から発現することを報告しました。
心臓からのアルドステロンはBNPより早い時期に発現しているのではないかと考えています。
全身の細胞に対するアルドステロンの作用については不明な点が多いのですが,少なくとも私たちの実験系からは,ごく早期には細胞保護作用があるのではないかと思います。
例えば,細胞が高浸透圧にさらされたときなど,アルドステロンは一瞬ではありますが細胞脱水を防ぐ作用があると考えています。
この作用は,ナトリウムイオンを細胞内に入れることにより浸透圧を整え,水を細胞内に入れることで起きる現象です。
しかし,この一見よさそうな作用は,すぐに細胞内のカルシウムイオン濃度の上昇を引き起こし,細胞肥大に進行します。
エプレレノンは,in vitroのデータで後者の細胞肥大を抑制します。
機序としてアルドステロンの過剰なgenomic effectを抑制するためだと考えています。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41180401&year=2008
出典 Medical Tribune 2008.5.1
版権 メディカル・トリビューン社
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
コメント
コメントはまだありません。コメントを書く