戯れ言たれる侏儒
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< エゼチミブの臨床的有用性 その1(1/2... | メイン | 循環器領域でのピオグリタゾン その1(1... >

昨日の続きです。

Discussion
わが国におけるエゼチミブの臨床的位置付けを考える
コレステロール吸収の亢進は脳・心血管イベントの発症と関連

木下 
コレステロール吸収に関する最近の知見と,コレステロール吸収阻害の意義についてお話しいただきました。
報告によると,わが国でも血清コレステロール値は1970年代から年々上昇していることがうかがえますね。

吉田 
食生活の欧米化や運動不足などが大きく影響しているものと思われます。
しかし,1990年以降はほぼ横ばいに推移していますが,その背景には健康管理に関するさまざまな情報発信,啓発活動の蓄積や脂質低下治療薬の発展があると思います。

木下 
脂質異常症の場合,薬物療法を開始する前に食事療法から実施されると思いますが,手応えはいかがでしょうか。

鈴木 
なかなか難しいですね。
患者さんに血清脂質値が高いことを告げると,「脂質類の摂取量は少ないと思う」と回答される方が大半です。
それが本当だとしたら,そうした患者さんではコレステロール吸収が亢進していることになりますね。

森 
血清コレステロール値が高いと脳・心血管イベントの発症リスクが増大することは明らかですから,管理を徹底する必要があります。
しかし,食事療法による管理を継続的に十分に行うことは難しいですね。

鈴木 
古い報告ですが,小腸の部分切除によるコレステロール吸収の抑制で脳・心血管イベントが35%低下する報告もあり,吸収抑制によるイベント抑制効果が期待されます。

森 
コレステロール吸収に関して,食事由来の劣化変性した酸化コレステロールは動脈硬化惹起性が高いので,エゼチミブによるこの酸化コレステロール吸収の抑制がなんらかのイベント抑制に関与している可能性はあります。

コレステロール吸収亢進例はエゼチミブのよい適応
木下 
先生方は既に臨床でエゼチミブを使用されていますね。

寺内 
はい。例えば糖尿病や肥満,高血圧,脂肪肝を合併した高コレステロール血症患者で,生活習慣の改善によってもLDL-C値の低下が不十分であった症例にエゼチミブを単独投与したところ,LDL-C値は1ヵ月目から確実に低下しました*。
また,虚血性心疾患を合併した症例で,スタチンを使用していてもLDL-C値が200mg/dLをなかなか切れなかった方にエゼチミブを併用しました。
その結果,LDL-C値は125mg/dLに低下し,管理目標値への達成まであと少しというところまで改善しています。

木下 
エゼチミブはLDL-C値を低下させるだけでなく,TG値も低下させますから,こうした肥満例では,肝臓への脂肪の蓄積にも影響を及ぼす可能性がありますね*。

森 
私の経験では,糖尿病の有無にかかわらず,エゼチミブの単独投与によりLDL-C値は約20%低下しましたが,非糖尿病例に比べて糖尿病例で有効性が得られやすいという印象があります*。

鈴木 
私の経験でも,糖尿病合併例ではエゼチミブの単独投与によって,LDL-C値は約30%低下しています*。

木下 
糖尿病患者では小腸刷子縁のNPC1L1発現が亢進しており,コレステロール吸収が亢進していると考えられますから,糖尿病を合併した高コレステロール血症患者は特にエゼチミブのLDL-C低下効果が期待できます*。

寺内 
そうですね。わが国での糖尿病患者に対するエビデンスが少ないので,今後,さらにエビデンスを蓄積していくべきと思います。

木下 
今後,エゼチミブをどのような位置付けで使用されますか。

吉田 
エゼチミブは単独でLDL-C値を約20%低下させ,TGやHDL-Cにも好影響を及ぼしますから,メタボリックシンドロームを合併した高コレステロール血症患者にも有用だと考えています。
また,ハイリスク患者ではエゼチミブとスタチンを併用することで,脂質管理は容易になりますので,積極的に使用したいと思っています。

鈴木 
糖尿病や肥満を合併した患者など,明らかにコレステロール吸収が亢進していると考えられる場合には,エゼチミブを単独で使用していきたいと思います*。

森 
エゼチミブは肝臓の薬物代謝酵素による代謝を受けず,その大半が糞便中に排泄されることや,潜在的な腎機能障害を有する高齢者にも使用が可能である点で,臨床的メリットは大きいと思います。

木下 
わが国におけるエゼチミブの臨床的有用性について議論してきました。

糖尿病合併の患者さんにおいては、空腹時血糖の上昇が報告されており、慎重投与になっています。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41170541&year=2008

出典 Medical Tribune 2008.4.24
版権 メディカル・トリビューン誌

<コメント1>
ENHANCE試験の結果を知ってからこの記事を読むと、単独やスタチンとの併用による臨床的アウトカムの欠如に思い至ります。
コレステロールを下げればMACEが減らせるという呪縛に捉われているような気がします。
スタチンには多面性作用(最近ではARBについてもいわれていますが)が期待できます。
今のところエゼチミブにはそれはないようです(私の不勉強なら申し訳ありません)。
ENHANCE試験の結果もそのあたりが関係しているかも知れません。
ただし、この試験にはコレステロールとの因果関係がより強いと思われる冠動脈を対象とせずに頚動脈で検討しています。
またIMT測定という、「ノミのき○た○八つ裂き」レベルの測定です。

エゼチミブについては今後IVUSによる検討も行われるものと思われます。
それまでは最終的評価は「お預け」になるものと予想されます。
私個人としては梗塞再発予防の際に、抗血小板剤は別としてスタチン以外に併用剤としてエゼチミブを選択するかEPAを選択するかという戸惑いがあります。
CCBの位置付けも気になるところです。
コメントをお待ちしています。

 

Drugs Affecting Lipid Metabolism 2007 WILL Medical Congress Report
http://www.will-medical.com/dalm2007/index.html
スタチン+エゼチミブ併用は体内動態に影響しない
スタチンの登場により脂質低下治療は飛躍的な進歩を遂げた。
しかし一方で, LDLコレステロール低下が十分でない患者は多く取り残されている。
このため,スタチンへの他剤併用の必要が生ずるが,その際薬物相互作用に留意が求められ,以前よりいわれているチトクロームP450(CYP)を介した相互作用だけでなく,排泄に用いられる輸送体への影響,またグルクロン酸抱合に与える影響をも考慮すべきである。
 
エゼチミブはCYPによる代謝を必要とせず,グルクロン酸抱合を経て排泄される。
スタチンにエゼチミブを併用しても体内動態は日内変動を含め,影響しないことが確認されており,現時点でエゼチミブは併用薬として非常に有用な薬剤であると考えられる。
 
一方,フィブラート製剤はスタチンとの併用による副作用の問題があり,実際ゲムフィブロジルによるスタチンの血中濃度の変動が認められている。
その中で,フェノフィブラートがシンバスタチンの体内動態に影響を与えないことがわかっており,現在,2型糖尿病に対するシンバスタチン+フェノフィブラート併用による心血管イベント抑制作用をシンバスタチン単独と比較するACCORD試験が進行中で,2010年には結果が報告される予定である。またエゼチミブ,ナイアシンもそれぞれスタチンと併用時の臨床的有用性を検討する臨床試験が行われており,「脂質低下併用療法のエビデンスの蓄積にともない,選択肢は増えていくだろう」とCorsini氏は結んだ。

エゼチミブは90%近い患者で効果あり
■中等~低リスク例ではエゼチミブによる単剤治療の可能性も
Hoag氏らは2005年9月から2007年4月の間に自施設にてエゼチミブが投与された142例において,服薬前後の血清脂質の変化を調べた。
服薬前値として,処方開始後に最初に行った血清脂質検査値が用いられ,平均服薬期間は28日間(14~185日間)であった。
 
結果,LDLコレステロール(LDL-C)は158.7mg/dLから118.0mg/dLへ有意(p<0.001)に低下したが,LDL-C低下効果に男女差はなかった。
 
次にLDL-C変化率により「0%未満」を「無効」,「0~5%未満」を「反応無し」,「5~20%未満」を「やや有効」,「20~40%未満」を「有効」,「40%以上」を「著効」に分け判定したところ、それぞれ「5.1%」,「7.3%」,「24.6%」,「47.8%」,「15.2%」であり,87.6%がやや有効以上の効果であった。
 
「患者によりエゼチミブへの反応性が異なる以上,早期に薬剤反応性をチェックし,高リスク患者ではスタチン併用の必要性,中等度~低リスク患者ではエゼチミブ単剤治療の可能性も検討できる。また高用量スタチンによる筋障害が懸念される場合,低用量スタチンとエゼチミブの併用は好ましい選択肢だろう」とHoag氏らはまとめた。

エゼチミブとスタチンの併用投与で酸化ストレスが減少
■酸化ストレスおよび酸化LDLはエゼチミブとスタチンの併用投与で有意に低下
対象は40~60歳の高コレステロール血症患者20例。直近3カ月間に脂質低下薬を服用していないことが導入条件であったためLDLコレステロール(LDL-C)平均値は231.4mg/dLという高値であったが,トリグリセリド(TG)は146.0mg/dLと正常範囲内であった。
 
これら20例にシンバスタチン20mg/日とエゼチミブ10mg/日を3カ月併用投与した。
試験期間中,脂質低下薬以外の薬剤および食事療法は変更しなかった。
薬剤投与前後で血清脂質ならびに酸化ストレスのマーカーとして赤血球中のSOD(superoxide dismutase)活性,血清MDA(malondialdehyde)活性,酸化LDLとこれに対する抗体を測定した。
その結果,LDL-Cは115.7mg/dLへ低下し(p<0.001),TGも137.2mg/dLに低下した。
またアポ蛋白Bの濃度も136mg/dLから125mg/dLへ有意に低下した。
HDLコレステロールは56.9mg/dLから63.1mg/dLへ有意に増加していた(いずれもp<0.05)。
 
また,酸化LDL,酸化LDL抗体(Igox LDL)ともそれぞれ42.0%,43.6%有意に減少し,また血中MDA濃度も42.6%,SOD活性は15.1%,いずれも有意に低下し酸化ストレスが著明に抑制された(いずれもp<0.001)。
 
Steinerova氏は「エゼチミブとスタチンの併用投与は脂質代謝の改善だけでなく,LDL-Cの酸化変性の抑制の観点からも有用であると考えられる」と結論した。

スタチンへのエゼチミブの追加投与によりLDLの酸化が抑制
■LDLの酸化がスタチン単独期に比べエゼチミブの追加投与で34%有意に低下
対象患者はシンバスタチンの固定用量による治療で米国脂質管理ガイドラインNCEP ATPIIIのLDLコレステロール(LDL-C)目標値に達していなかった22例。
平均年齢は59歳で,7例に冠動脈疾患,3例に脳血管障害が認められた。
 
これら22例にシンバスタチン20mg/日による治療を6週間継続後,エゼチミブ10mg/日を追加し,さらに6週間治療を行った。
その結果,シンバスタチン単独投与期に131mg/dLであったLDL-C値はエゼチミブの追加投与により101mg/dLへ有意に低下した。
またトリグリセリドも同様に191mg/dLから182mg/dLへ有意に低下した(いずれもp<0.05)。
 
さらに注目されるのは,代表的な酸化LDLの指標であるLDLに含まれるMDA(Malonedialdehyde)の換算量(酸化されたLDLを還元するために必要なMDAの量)がシンバスタチン単独投与期に比べエゼチミブ追加投与期では34%も有意(p<0.05)に低下した点である。
エゼチミブによる抗酸化作用の増強を示唆するデータであるが,事実,LDL酸化のLag timeもシンバスタチン単独投与期の55.9分から82.7分へと著明に延長していた(p<0.05)。
 
「スタチン服用患者にエゼチミブを追加すると,抗酸化作用が増強される」とHussein氏は結論した。
 
 

<コメント2>
外はいいお天気です。
GWとはいえ月初め故自宅にこもってレセプト点検中です。
例年のことといえ開業医のGWはこんなものです。
さて点検中に請求点数を拾ってみました。

ゼチーア(10)1錠 24点

クレストール2.5 1錠 8点
ソルミラン顆粒状カプセル600mg3包 27点
(エパデールの後発品)

ゼチーアの点数が異様に高いのに気づきます。
クレストールの3倍の薬価です。
効果は3分の1に思われるのですが。

他に
「井蛙内科/開業医診療録」 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)                 があります。

 

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