戯れ言たれる侏儒
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ENHANCE 試験の発表以来何かと話題のエゼチミブ(商品名:ゼチーア)で勉強しました。


エゼチミブ(商品名:ゼチーア)
http://blog.m3.com/reed/20070927/1
 

エゼチミブの臨床的有用性を考える
http://blog.m3.com/reed/20080116/1
 

ENHANCE試験
http://blog.m3.com/reed/20080418/ENHANCE
 

ENHANCE試験をめぐる論争 その1(1/2)
http://blog.m3.com/reed/20080428/1
 

ENHANCE 試験をめぐる論争 その2(2/2)
(リンクがうまくできませんでした。すいません。)


わが国におけるコレステロール吸収阻害の臨床的意義
コレステロールトランスポーター阻害剤エゼチミブの臨床的有用性
高コレステロール血症の治療において基本である食事療法を継続することは容易ではなく,さらに薬物療法によってもガイドラインが推奨するLDLコレステロール(LDL-C)の管理目標値への到達率は満足できるレベルとは言い難い。
こうした状況のもと,わが国においても小腸コレステロールトランスポーター阻害剤エゼチミブが臨床導入された。
今回の座談会では,循環器や内分泌・代謝領域における第一線でご活躍の先生方にお集まりいただき,エゼチミブの登場によってわが国の高コレステロール血症の治療はどのように変わるのか,その臨床的位置付けについて討論いただいた。

帝京大学医学部内科学教授
木下 誠 氏(司会) 

横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学教授
寺内 康夫 氏 

東京都老人医療センター内分泌科
森 聖二郎 氏 

東京慈恵会医科大学臨床検査医学准教授 附属柏病院中央検査部診療部長
吉田 博 氏 

新潟県済生会新潟第二病院代謝内分泌内科
鈴木 克典 氏 

Presentation
エゼチミブによるコレステロール吸収制御の重要性
寺内 康夫 氏 横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学教授
コレステロール吸収の亢進は脳・心血管イベント発症のリスク
生活習慣の欧米化により,わが国においてもコレステロール摂取量が増大し,それに伴い血清コレステロール値も増加傾向にある。
いまや,日本人の血清コレステロール値は米国人とほぼ同レベルに達したと考えられる。
本邦における動脈硬化性疾患予防ガイドラインでは,患者の保有する冠動脈疾患のリスクに応じた血清LDLコレステロール(LDL-C)の管理目標値を設定しており,低リスク例ではまず食事・運動療法をはじめとした生活習慣の改善による脂質管理を行うよう推奨している。
しかしインターネットを用いた食事療法に関する意識調査では,食事療法への取り組みを,患者は高く自己評価しているのに対して,医療従事者では不十分と捉えているなど,双方で認識に相違のあることが明らかとなった。
また,食事療法を継続することは,患者にとって容易なことではないとの結果も得られた。
さらに,薬物療法の実態を調査したJ-LAPの成績から,ハイリスク患者ほどガイドラインが推奨するLDL-C管理目標値への到達率は低いことが明らかとされ,さらなる積極的な介入が必要と考えられる。
 
血中のコレステロール量は肝臓での合成と小腸からの吸収のバランスによって成り立っている。
コレステロール吸収に関しては,冠動脈疾患の既往例,肥満者で亢進していること,糖尿病患者では小腸のコレステロールトランスポーターであるNPC1L1蛋白(Niemann-Pick C1 Like-1)や,コレステロールとトリグリセライド(TG)を会合させリポ蛋白の合成に関与するMTP(Microsomal Triglyceride Transfer Protein)の発現が亢進していることなどが報告されている。
さらに,コレステロール吸収の亢進と冠動脈イベントの発症との関連性を調査した疫学研究が報告されている。
例えば,大規模臨床試験Scandinavian Simvastatin Survival Study(4S)のサブ解析では,コレステロール吸収が亢進している群において,合成抑制による冠動脈イベント抑制効果が減弱すること,冠動脈疾患を有する患者を対象としたDEBATE(Drugs and Evidence-Based Medicine in the Elderly)試験では,LDL-C値が同等であってもコレステロール吸収が高い群では脳・心血管イベントの発症リスクが高いことが報告されている(図1)。


これらのことから,脳・心血管イベントの抑制を目指したLDL-C低下療法には,コレステロール吸収の抑制が重要と考えられる。

高コレステロール血症治療の選択肢を広げるエゼチミブ
新しく開発された小腸コレステロールトランスポーター阻害剤エゼチミブは,小腸の刷子縁に発現するNPC1L1に作用してコレステロール吸収を選択的に阻害する。
わが国における臨床試験成績では,1日1回10mgの単独投与によってLDL-C値は約18%低下し,TGやHDLコレステロール(HDL-C)に対しても好影響を及ぼすことが確認された。  
最近では,エゼチミブは動脈硬化との関連性が高いSmall, dense LDLを低下させ,特にTG値の高い患者ではその低下効果が著しいことが報告された図2)。
                                                     

 

さらに,ニュージーランド白ウサギに対して,ピュアなコレステロールのみを投与した場合と,加熱処理して5%のみ酸化コレステロールを含むコレステロールを投与した場合,同じ濃度のコレステロールであっても,加熱処理をした酸化コレステロールを取った場合には,動脈硬化面積が約2倍になると報告されている。
エゼチミブは食物の調理や保存によって劣化変性した酸化コレステロールの吸収をも阻害することが報告されており,体内のコレステロール代謝において質的に好影響を及ぼし動脈硬化の進展を抑制する可能性が示唆されている。
エゼチミブはスタチンとの併用時には強力なLDL-C低下効果を発揮する。                                                海外で行われた大規模臨床試験EASE(Ezetimibe Add-on to Statin for Effectiveness)では,スタチンにエゼチミブを併用することによってLDL-C値はさらに約25%低下し,その効果はスタチンの種類や用量の違いにかかわらず一貫して認められている図3)。

また,TGやレムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C),炎症マーカーである高感度CRPなどが相加的に低下することも報告されている。
 
このようにエゼチミブは,さまざまな病態の高コレステロール血症の薬物治療において単独投与,スタチンとの併用など,治療の選択肢を広げる有用な薬剤であると考えられる。

 

わが国におけるコレステロール吸収阻害の臨床的意義
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41170541&year=2008

出典 Medical Tribune 2008.4.24
版権 メディカル・トリビューン誌

 

<番外編>Ca拮抗薬、BNP
BNP(brain natriuretic peptide,脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心室で合成分泌され、心不全の重症化(左室拡張末期圧上昇、拡張末期溶積増大、左室駆出率低下、左室肥大など)とともに、合成と血中への放出が亢進する。
 
Ca拮抗薬投与中に下肢浮腫をしばしば経験するが、ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬(ニフェジピン、アムロジピンなど)で高頻度に認められる末梢浮腫は細動脈が拡張するのに、細静脈の拡張が伴わず、これにより毛細血管圧が上昇することにより生じた浮腫である。
つまり全身的な水分貯留を伴わず、心不全による浮腫とは異なる機序であり、一般的にBNP値は変動しない。
 
一方、非ジヒドロピリジン系、拮抗薬であるベラパミル、ジルチアゼムは陰性変力作用を有するため、下肢浮腫が出現した場合には心不全の増悪を念頭に置くべきであり、BNP値は一般に高値を示す。
また、インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾンの場合にも、浮
腫とともにBNPが上昇するような場合には心不全の出現に注意す
べきである。
   
日本医科大学千葉北総病院内科・循環器センター
福島正人・清野精彦 先生A

出典 日本医事新報 No.4383 2008.4.26p86
版権 日本医事新報社


NT-proBNPについて(2007.9.6)
http://blog.m3.com/reed/20070906/NT-proBNP
というタイトルでの当ブログで以下のようなコメントをいただきました。

以前BNPの臨床研究に携わった事がある者です。
「今のところ、BNPがNT-proBNPに優る点がイメージできません。」とのことですが、私は逆にNT-proBNPがBNPに勝るところが見つかりにくいと感じています。

というのは、NT-proBNPは100%腎臓で代謝されるため、あまりにも腎機能の影響を軽度の腎機能低下の時から受けてしまうので心臓の検査としては特異性が低くて使えないという印象があります。その点、BNPは受容体による代謝メカニズムがあるので腎機能にはあまり依存しません。

また、両者の相関を見ると、本来は合うはずなのにNT-proBNPの方がはるかに高い値をとってしまうことが多く、しかも患者によって両者の関係がかなり異なることが分かりました。すなわち、相関係数が悪かったのです。そして、その理由が腎機能だけでは説明がつきませんでした。

検査結果が早くわかることは大切なメリットですが、検査として臓器特異性がかなり劣るものはちょっと使い辛いし、患者の誤診につながるものと心配しています。
written by kazu / 2008.03.12 22:50

昨年、このブログを書いた時点では私自身ちょうどBNPからNT-proBNPに切り替えた時でした。
その後、データが集積して来るとNT-proBNPがとんでもなく高い患者さんもいて、NYHA分類との相関も怪しいのではないかという印象をもつようになりました。
3月に kazu 氏にコメントをいただき納得出来た次第です。
現在はBNPに戻して検査を行っています。
(恥を忍んで告白しますが、ワーファリンのコントロールの指標として、ごく最近までTTを用いていていました。1年前よりやっとINRに切り替えました。未だに慣れないせいもありますが何だかピンときません。)

 

 

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