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昨日の続きです。
オルメサルタンの酸化ストレス抑制に及ぼす影響が脂肪細胞の分泌異常を改善する
堀内
オルメサルタンがアディポサイトカイン分泌異常を改善する機序に関しては,どのようにお考えですか。
船橋
内臓脂肪が蓄積すると,酸化ストレス物質が増加することがわかっています。
例えば酸化ストレス物質である尿中8-epi-PGF2α濃度は,非肥満者でも内臓脂肪量と正相関を示します(図3)。

従来は肥満に伴って高血圧や高血糖を来すと,それによって血中の酸化ストレスが亢進するといわれてきました。
しかしながら,最近の成績をみると,脂肪組織局所に酸化ストレスが増加して,その結果としてアディポサイトカインの分泌異常が起こるのではないかと報告されています。
堀内
そうしますと,ARBは酸化ストレス抑制を介してアディポサイトカインの分泌異常を是正すると考えてもよいのでしょうか。
船橋
はい。
やはり酸化ストレスの抑制も1つの大切なメカニズムかと思います。
脂肪組織における酸化ストレスを検討したところ,
KKAyマウスでは酸化ストレスの指標であるTBARS(過酸化脂質レベル)が有意に増加しましたが,オルメサルタンを投与したところ,C57BL/6Jマウスとほぼ同じレベルまで低下することが示されました(図4)。

また,同様に酸化ストレス産生系であるNADPHオキシダーゼ複合体サブユニットのmRNAの発現量を検討したところ,KKAyマウスではすべてのサブユニットの発現が亢進していましたが,オルメサルタンはそれらをすべて抑制しました。
また,同様に酸化ストレス産生系であるNADPHオキシダーゼ複合体サブユニットのmRNAの発現量を検討したところ,KKAyマウスではすべてのサブユニットの発現が亢進していましたが,オルメサルタンはそれらをすべて抑制しました。
堀内
私たちの検討においても,KKAyマウスにオルメサルタンを投与してOGTTを行ったところ,耐糖能の改善が認められました(図5)。

これはインスリン抵抗性の改善によりもたらされたことが示唆されています。
インスリン抵抗性を伴うメタボリックシンドロームのような病態に対してオルメサルタンを投与することは,降圧や心血管保護にも寄与すると思います。
最後に,メタボリックシンドロームの治療にARBを用いることの意義について,まとめていただければと思います。
船橋
ARBは降圧薬ですので,やはり最も重要な役割は血圧をしっかりと下げることです。
その上で,メタボリックシンドロームについていえば,肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常などを伴う複合的な病態ですので,ARBに期待されるのはそれらの発症や進行を抑制する多面的な作用であり,今回ご紹介したオルメサルタンの成績も,その可能性を示唆するものだと考えています。
対談後記
高血圧治療では24時間にわたり厳格な降圧が求められている。
そのためには,降圧効果とその持続性に優れた薬剤を使用する必要があるが,その条件を満たすことが多くの臨床成績で証明されたオルメサルタンは(図6),ARBを名実ともに高血圧治療における第一選択薬の位置に押し上げたといえよう。
今回ご紹介いただいた船橋先生らのご研究は,近年増加の一途をたどっているメタボリックシンドロームに対してもARBが有用な作用を発揮することを示唆した。
高血圧は単なる血行動態の障害ではなく,肥満と代謝異常もその発症に関与することを考慮すると,メタボリックシンドロームに着目した高血圧治療はますます重要になってくるものと思われる。
今後は,オルメサルタンによるアディポサイトカイン分泌改善が降圧効果にどの程度影響を及ぼすかなど,さらなる知見の集積を期待したい。
(堀内 正嗣)
出典 Medical Tribune 2007.7.12
版権 メディカル・トリビューン社
<コメント>
マウスにもOGT。
<自遊時間>
昨日、「循環器学用語集」が届きました。
第3版とのことです。
結構長い間、日循会員ですが私の記憶間違いでなければ初めて見たような気がします。
今までも届いていたんでしょうか。
さて、内容を少しみてみました。
発音記号が記載されており自分が今までいい加減なアクセントでしゃべっていたことがわかります。
また、今流行の「surrogate endpoint」などの用語もありました。
学会で英語発表や英文での論文投稿される先生方には便利かなと思いました。
もっとも私のような開業医には関係ないといえばそれまでです。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) があります。
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