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第18回日本心血管画像動態学会(会長=三重大学病院画像診断科・武田寛教授)の合同シンポジウム「心血管画像診断法の予後評 価における役割」(座長=三重大学病院画像診断科・佐久間肇・准教授,東京医科大学第二内科・山科章主任教授)
心エコーによる左室径・容量,EF,E/E'
心不全・心筋梗塞の重要な予後指標
川崎医科大学循環器内科の渡邉望氏らは,これまでに発表された国内外の諸データに基づき,心エコー図検査の心不全および心筋梗塞の予後評価における有用性についてレビューし,左室径・容量,左室駆出率(LVEF),左室流入血流速度(E)と僧帽弁輪速度(E')の比(E/E')などは重要な予後評価指標であることを再確認した。
収縮能だけでなく拡張障害を重視
渡邉氏は現在,心エコーでルーチンに行われている検査で得られる左室径 ・容量,左室収縮能,左室拡張能などの指標を用いた予後評価を国内外のエビデンスから検討した。
まず左室の大きさと収縮能については,左室収縮末期径または末期容量が予後に大きくかかわることがわかっており,LVEFまたは左室収縮末期容量が大きいほど予後が悪く,LVEFが同程度の場合は左室容量が大きい群で予後が悪かった。
次に,同氏は弁置換術の術前検査での心エコー図の役割として,大動脈弁置換術前の左室収縮末期径,LVEFが術後生存率と相関することや,僧帽弁逆流(MR)でも術前のLVEF60%以下または左室収縮末期径45mm以上では,心不全発症率が急激に高くなるとのデータを紹介した。
また,現在は従来の収縮能以外に拡張能の重要性が注目されている。
左室拡張能指標としてE波形とE'波形(組織ドプラ法)があるが,E波形では,左室への急速流入血を示すE波および左房収縮を示すA波の形とE波の減速時間(DCT)を評価する。正常例のE波はA波よりも高く, DCTは150msec以上だが,軽度拡張障害ではA波がE波よりも高いabnormal relaxation patternを,高度拡張障害では急峻なE波と小さなA波,DCTが短縮するrestrictive patternを示す(図)。

同氏によると,治療によりrestrictive patternからabnormal relaxation patternに変わる症例に比べ,治療してもrestrictive patternのままである症例は非常に予後が悪いという。
また,abnormal relaxation patternからrestrictive patternになる過程で正常型に近いpseudo-normal patternを示すことがあるが,その判定にはE/E'が有用で,実際にE/E'値と生存率の強い相関が認められているという。
以上の結果から,同氏は「左室 径・容量,EF,E/E'などは重要な予後評価指標である」と述べた。
心エコーによる左室径・容量,EF,E/E'
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41160421&year=2008
出典 Medical Tribune 2008.4.17
版権 メディカル・トリビューン社

芝田米三 油彩3号 静物 画廊
http://page15.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t71896431
<参考サイト>
左室拡張障害を評価する検査
http://medt00lz.s59.xrea.com/kakuchou/node9.html
拡張障害が進行すると、左房の収縮波形であるA波は増高し、一方でE波は減高する。
同時にE波のdeceleration time は延長し、通常240msec以上になる。
こうした症状は高齢者によく見られ、拡張障害型心不全の危険因子となる。
心不全の症状が明らかとなり、左室拡張末期圧が左房圧を超え始めるようになると、この2つの波の高さは逆転し、E波が再びA波より高くなるようになる。
このとき、肺動脈血流も、主に心室の拡張期に流れるようになり、S波が減高し、D波の増高が生じるようになる。
心不全の病態の理解
http://www.lifescience.jp/ebm/cardiologyfrontier/no4/theme1.html
■心不全症例はいずれも拡張機能障害を伴う。すなわち左室駆出率(LVEF)が低い症例でも,心不全症状を伴う収縮不全症例では必ず拡張機能障害が加わっている 。
■拡張不全は拡張機能異常による心不全であると定義されてきた感があるが,拡張能は細胞レベルからポンプレベル,生体レベルまで非常に複雑な機構をもつため,それをひとつの指標で表すことには無理がある。また拡張不全では高血圧を合併していること,動脈硬化が高度であることが多い。拡張不全を心臓の異常としてのみとらえるのではなく,心臓と動脈系のミスマッチとしてとらえることも重要である。
拡張能の基礎的知識
http://square.umin.ac.jp/kennsa/echocardiography/text/19990109sumi/diastolefunction.html
心エコー 正常値
http://medt00lz.s59.xrea.com/echo/node2.html#SECTION00200200000000000000
左室内伝播速度が60cm/sec以下のときには左室拡張能低下
左室流入圧波形の E波のDcTが255msec以上のときは拡張能低下
心機能指標の標準的計測法とその解説
http://www.jsum.or.jp/committee/diagnostic/pdf/JVM00002.PDF
左室流入血流速度波形
left ventricular inflow velocity pattern,
僧帽弁血流速度波形
transmitral flow velocity pattern (TMF)
拡張期に左房から僧帽弁を通過して左室に流入する血流の速度波形は, 左室充満状態を反映するので, 左室拡張
機能の評価に有用である.
パルスドプラ法により計測する.
心尖部左室長軸像, あるいは四腔像で, サンプルボリュームを僧帽弁先端部に置き, 左室流入血流と超音波ビームが平行になるように設定して計測する.
拡張機能正常例では, 左室急速流入血流速度early diastolic filling velocity (E 波) は, 心房収縮期流入血流速度atrial filling velocity(A 波) より大きい. 左室拡張能が低下し, 左室弛緩が遅延すると, 左室の等容弛緩時間isovolumic relaxation time(IRT) が延長し, E 波が低下し, E 波の減速時間deceleration time (DT) が延長する.
この状態は代償性のA 波の増高を伴うため, E A は1.0 以下になる. これは弛緩異常abnormal relaxation を示す.
TMF は左房・左室圧較差に規定されているため, 左心不全の進行により左房圧が上昇すると, IRT は短縮し, E 波は増高し, DT は短縮する.
E A は1.0 以上になり, 一見正常パターンになる.
この状態を偽正常化pseudo-normalization という.
重症心不全, 拘束型拡張障害を呈する疾患では, E A が2 以上に増加し, IRT は60 msec 以下, DT が150 msec 以下に短縮する.
ドプラ心エコー法による心不全患者の左室拡張機能の評価
http://www.ex.biwa.ne.jp/~k-s-ucg/dai1bu.htm
Left Ventricular Diastolic Function
http://www.echocardiology.org/diastolicfunction.htm
CLINICAL ASSESSMENT OF LEFT VENTRICULAR DIASTOLIC FUNCTION
http://heart.bmj.com/cgi/content/extract/89/2/231
Diagnosis and Management of Diastolic Dysfunction and Heart Failure
http://www.aafp.org/afp/20060301/841.html
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) があります。
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