戯れ言たれる侏儒
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PERISCOPE試験

戯れ言たれる侏儒 / 2008.04.06 00:30 / 推薦数 : 2

いよいよピオグリタゾンの2型糖尿病患者さんを対象としたPERISCOPE試験の結果が2008.3.31のACCで発表されました。 

日本国内では衛星ライブ中継がT薬品主催で全国各地で行われました。私も招待を受けましたが忙しい時期なので欠席しました。

以下はその結果です。

ちょっと勉強してみました。

PERISCOPE試験の結果について
アクトスが2型糖尿病患者における冠動脈血管内プラークの進展を抑制

米国時間3月31日、シカゴで開催されている第57回米国心臓病学会 (ACC: American College of Cardiology Annual Scientific Session 2008) において、アクトス(一般名:塩酸ピオグリタゾン)の2型糖尿病患者さんを対象としたPERISCOPE[※]試験の結果が報告され、アクトスが冠動脈プラーク体積を減少し、冠動脈の動脈硬化進展を抑制するデータが発表されました。

[※]Pioglitazone Effect on Regression of Intravascular Sonographic Coronary Obstruction Prospective Evaluation

<PERISCOPE試験の概要>
PERISCOPE試験は、糖尿病治療薬として、初めて冠動脈における動脈硬化の進展抑制効果を血管内超音波法(IVUS: intravascular ultrasound)により評価した試験です。
543名の2型糖尿病患者さんを対象に、米国、カナダ、ラテンアメリカにおける97施設で実施された、無作為二重盲検比較試験(アクトス群とスルフォニル尿素剤(SU剤)であるグリメピリド群の比較)です。
IVUSによって測定された冠動脈内に蓄積されたプラークは冠動脈硬化の指標となりますが、PERISCOPE試験では、このIVUSによる冠動脈血管内プラーク体積の変化率を主要評価項目としています。

<解析結果>
1)主要評価項目
冠動脈プラークの変化率(%)は、グリメピリド群では増加しましたが、アクトス群では減少し、アクトスはグリメピリドと比較して有意に動脈硬化の進展抑制効果を有することが認められました。
2)安全性
・心血管イベントの発現頻度は、アクトス群5例(1.9%)、グリメピリド群6例(2.2%)となっており、両群間に有意差は認められませんでした。
・CHF(うっ血性心不全)による入院の発現数はアクトス群、グリメピリド群において有意差は認められませんでした。
・グリメピリド群では低血糖と狭心症がより頻度が高く、アクトス群では浮腫、骨折の頻度が高くみられました。
2型糖尿病患者さんでは、アテローム動脈硬化の進展が認められ、心血管病や死亡の主な原因となっています。
アテローム動脈硬化の進展抑制と、体積減少が心筋梗塞の再発率を低下させるという報告があります。

今回の試験結果では、CHICAGO試験と同様に、アクトスの動脈硬化進展抑制効果が認められました。
また、PRO active試験および過去10年にわたる、16,000名以上の患者さんを対象とした短期および長期の前向き試験や観察研究と同様に、心筋梗塞、脳卒中や心血管死のリスクを増加させないという知見が得られました。

武田薬品の100%子会社である武田グローバル研究開発センター株式会社社長のDavid P. Reckerは「PERISCOPE試験により、アクトスの心血管に対する新たなデータが得られたことを嬉しく思います。2型糖尿病患者さんの動脈硬化進展を抑制することで心血管リスクを減少させるという、従来の試験結果と共通の結果が得られました」と述べています。

<CHICAGO試験の概要>
CHICAGO試験(Carotid intima-media tHICkness in Atherosclerosis using pioGlitazOne)は、462名の2型糖尿病患者を対象としたシカゴ地区の多施設における無作為二重盲検試験(アクトス群とスルフォニル尿素剤(SU剤)であるグリメピリド群の比較)で、投与期間は18ヶ月です。頚動脈内膜中膜の肥厚(CIMT)を主要評価項目とし、比較検討しています。
CIMTは動脈硬化の指標とされており、CHICAGO試験においても今回のPERISCOPE試験と同様に動脈硬化の進展を抑制する結果が得られています。

<PROactive試験の概要>
PROactive試験(PROspective PioglitAzone Clinical Trial In MacroVascular Events)は、無作為割付け、二重盲検、プラセボ対照大規模臨床試験であり、心血管疾患の既往のある5,238名の2型糖尿病患者を対象として、糖尿病および循環器疾患の標準治療にアクトスを最大45㎎まで追加投与することによる大血管障害に対する進展予防効果を、次の2つの項目で評価しました。
・主要評価項目
無作為割り付け後、大血管障害の発症、介入治療の実施、あるいは全死亡(全ての原因による死亡)など7つのイベントのうち、いずれかが最初に起きるまでの期間
・最重要副次評価項目
無作為割り付け後、心筋梗塞、脳卒中の発症、あるいは全死亡のうち、いずれかが最初に起きるまでの期間

主要評価項目では、プラセボと比較して統計学的に有意差は認められませんでしたが、最重要副次評価項目では、アクトス群では心筋梗塞、脳卒中の発症、全死亡を有意に減少させました。

PERISCOPE試験の結果について
http://www.takeda.co.jp/press/article_26553.html

<参考サイト>
Pioglitazone Effect on Regression of Intravascular Sonographic Coronary Obstruction Prospective Evaluation (PERISCOPE)
http://www.clinicaltrial.gov/ct2/show/NCT00225277?spons=

Systematic Review: Comparative Effectiveness and Safety of Oral Medications for Type 2 Diabetes Mellitus
http://www.annals.org/cgi/content/abstract/147/6/386?ijkey=6144ceeaad900843e2daff46aa4fc91a8fff14c4&keytype2=tf_ipsecsha

Comparison of Pioglitazone vs Glimepiride on Progression of Coronary Atherosclerosis in Patients With Type 2 Diabetes
http://jama.ama-
assn.org/cgi/content/abstract/299.13.1561v1?etoc

 

<コメント>
SU剤の有害性を見てるに過ぎないとううがった見方もできるのだが・・・
アクトス群とグリメピリド群間で、心血管イベントの発現頻度に有意差は認められなかったことは問題です。相手がSU剤であるのにもかかわらず・・・といった印象です。
David P. Recker氏の「2型糖尿病患者さんの動脈硬化進展を抑制することで心血管リスクを減少させる」というコメントは、心血管「イベント」(MACE)ではなく「リスク」を減少させるということであり、ある意味巧妙です。
CHF(うっ血性心不全)による入院の発現数もアクトス群、グリメピリド群において有意差は認められなかったのも寂しい結果といえます。
より長期の観察が必要ということでしょうか。

 

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