戯れ言たれる侏儒
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 日本人の狭心症 その1(1/2) | メイン | JAPAN-ACS >

昨日の続きです。

特別企画
第55回日本心臓病学会学術集会ランチョンセミナー
日本人の狭心症/診断・治療の最前線
座長:奥村 謙 氏 (弘前大学医学部 循環器・呼吸器・腎臓内科 教授)

講演2
狭心症患者の冠動脈内皮機能に対するCa拮抗薬の作用とそのメカニズム―ニフェジピンを中心として
(名古屋市立大学大学院医学研究科 心臓・腎高血圧内科学 准教授) 土肥 靖明 氏

動脈硬化は酸化ストレスにより惹起される血管の炎症
動脈硬化を治療するためにはそのメカニズムを理解し,アプローチすることが重要である。
近年の血管生物学の進歩により,動脈硬化は「酸化ストレスにより惹起される血管の炎症反応」であり,その初期の過程で血管内皮機能障害が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
そこで本日は動脈硬化進展過程における,Ca拮抗薬ニフェジピンの血管に対する直接的な作用とそのメカニズムを中心に解説したい。

まず高血圧,糖尿病,高脂血症,喫煙等の危険因子により,動脈硬化の最初のステップである「血管内皮機能の障害」が起こる。
内皮機能の障害により,強力な抗動脈硬化作用をもつ一酸化窒素(NO)が減少するとともに,単球の内皮細胞への接着ならびに内皮下への侵入が起こる。
内皮細胞下へ侵入した単球はマクロファージに分化し,自ら酸化LDLを取り込んで泡沫細胞に変化する。               
さらに,ICAM-1,VCAM-1,MCP-1などの炎症性因子
やサイトカインを放出して,血管壁を慢性炎症へと導くことで,動脈硬化が進行しプラークが形成される。
この過程において最も重要な役割を果たすのが「酸化ストレス」である。
そのため現在では,動脈硬化は酸化ストレスによって引き起こされる血管の炎症とも捉えられるようになったのである。

ニフェジピンは内皮機能を改善することで動脈硬化の進展を抑制する
これまでの検討から,ニフェジピンは強力な降圧作用とは別に,多面的な作用も有することが報告されている。
その1つが血管内皮機能の改善作用である。             
通常,血管内皮機能はアセチルコリン(ACh)刺激による内皮依存性の弛緩反応で評価することができる。           
正常な血管であれば,ACh刺激により血管内皮細胞由来のNOが遊離され,弛緩反応が起こる。
しかし,高血圧や糖尿病などにより内皮が障害を受けると,この弛緩反応が減弱する。
ニフェジピンはこの減弱した弛緩反応を,正常者と同程度まで回復させることが確認されている。
このニフェジピンによる内皮機能改善作用は,NO合成阻害薬(L-NAME)の存在下やビタミンCの存在下で消失することから,ニフェジピンによる「NOの不活性化抑制」を介していると考えられる。
つまり,ニフェジピンは強力な抗酸化作用をもち,「酸化ストレスの抑制」により内皮機能を改善すると考えられる。
実際,ニフェジピン投与により高血圧患者の酸化ストレスマーカーが減少することが確認されている。
さらに北風らの報告によると,ニフェジピンはNO自体を増加させる作用も有する。
このようなニフェジピンの血管に対する作用を大規模かつ長期に,また形態的な観点からも確認したのが,ヨーロッパで行われたENCOREⅡ試験である。
冠動脈疾患患者におけるAChによる内皮依存性の血管弛緩反応が,長時間作用型ニフェジピン製剤の投与により有意に改善し(p<0.0001),さらにIVUSで確認したプラークサイズも,ニフェジピンにより進展抑制傾向が認められた。
このようなニフェジピンの冠血管に対する直接的な作用が,ACTION試験で認められた狭心症患者のインターベンション施行や狭心症の悪化の抑制に寄与したものと考える。

ニフェジピンCR錠は炎症の抑制を介して血管内皮機能を改善
冠攣縮が多いとされる日本人を対象とした臨床研究では,さらに興味深い知見が得られている。
JMIC-B試験のサイドアーム試験では,長時間作用型ニフェジピン製剤がACE阻害薬に比し,動脈硬化の進展を有意に抑制したのである。
本試験では,長時間作用型ニフェジピン製剤とACE阻害薬の冠動脈内径に及ぼす影響を,定量的冠動脈造影(QCA)で検討しており,ACE阻害薬群では病変部位の最小血管内径(MLD)が縮小したが,ニフェジピン群では有意に拡大し,ニフェジピンにより動脈硬化の進展が抑制された(図3)。

このような既存の冠動脈の病変部位に対するニフェジピンの進展抑制の機序の1つに,われわれはニフェジピンによる直接的な炎症抑制が関与していることを確認している。
PCIを施行した安定労作性狭心症17例を長時間作用型ニフェジピン製剤(ニフェジピンCR)群8例,プラセボ群9例に無作為に割り付け,4カ月間追跡したところ,ニフェジピンCR群で,冠循環中の炎症マーカーC反応性蛋白(CRP)濃度が投与前に比べ有意に低下した(図4右)。
またこれに伴い,血管内皮依存性の弛緩反応もニフェジピンCR群で有意な改善が認められた(図4左)。

ニフェジピンによる炎症抑制のメカニズムに抗酸化作用が関与
このニフェジピンによる炎症抑制の機序にも,ニフェジピンの「抗酸化作用」が関与しているとわれわれは考えている。
なぜなら,ニフェジピンは活性酸素産生に関与するNAD(P)Hオキシダーゼ活性を抑制し,TNF-αなどのサイトカインの受容体発現を抑制することが明らかになっているためである。
さらに,ニフェジピンはTNF-αなどにより増加する転写因子NF-κB活性も抑制することが報告されている。
興味深いのは,この作用はニフェジピンにのみに認められ,他のCa拮抗薬では認められないことである。
これは,ニフェジピンが他のCa拮抗薬では酸化抑制が認められないような低濃度で,α-トコフェロールと同等の酸化抑制を示すという報告とも一致する(図5)。

以上のようにニフェジピンは,降圧作用とは別に,抗酸化作用・抗炎症作用を有しており,動脈硬化に対しても好ましい影響が期待される。
わが国で多いインターベンション後の冠攣縮なども考慮すると,高血圧・狭心症治療のみならず,日本人の循環器疾患治療において,長時間作用型ニフェジピン製剤による恩恵は大きいと考える。

http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M41120281&year=2008
Medical Tribune 2008.3.20
版権 メディカル・トリビューン社

ヒロ・ヤマガタ 「日本のエッセンス夏の富士」
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p106606796

他に
「井蛙内科/開業医診療録」 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)                                         があります。

 

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/reed/20080329/1/trackback

コメント

コメントはまだありません。

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。