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昨日の続きです。先生方のお手元にはすでに届いているとは思いますが、まずは日循総会のプログラムからBrugada先生の抄録の紹介です。

Brugada症候群の心電図診断 その2(2/3)
徳島大学名誉教授 森 博愛先生
3. Brugada型心電図波形の経時変動
本症候群の心電図の特徴の一つは、その波形が経時的に変動する例が多いことである。
図4に59歳、男性で1カ月半の間に記録した5枚の胸部誘導心電図を示す。

V4誘導では心室群の波形変動はあまりみられないが、V1、V2の心室群波形は短期間に著しく変動している。
すなわち、8月30日~9月17日のV2波形はsaddle-back型であるが、9月27日には典型的なcoved 型のST上昇を示し、またその2週後には再びsaddle-back 型に変化している。
9月27日の心電図では、V3はsaddle-back型を示し、同一人の同一時点の記録でも、誘導部位により異なった波形を示している。
4. Brugada型心電図波形の診断基準
本症候群の中には、典型的な心電図所見を示し、遺伝傾向が濃厚で突然死する例から、非典型的な心電図所見を示すのみで遺伝傾向や失神の病歴がまったくない例まであり、幅広いスペクトラムを持つ。
そのため、本症候群ないしBrugada型心電図の診断に関し著しい混乱が認められる。
この問題を改善するために、欧州心臓病学会不整脈分子機
序研究グループは欧州心臓病学会の要請を受けてBrugada型心電図の診断基準を作成した(コンセンサス・リポート、2002)。
この報告書では、Brugada 型心電図を図5・表1に示すように3型(Type Ⅰ~Ⅲ)に分けている。


この提案は世界的に広く受け入れられており、Brugada自身もこの基準に準拠して症例を分類した研究を発表しているし、わが国の最近の研究もほとんどがこの基準を採用してい
る。
5. 本症候群における高位右側胸部誘導心電図記録の意義
本症候群と診断するためにはsaddle-back 型心電図を認めるのみでは不十分で、coved 型の心電図を認めることが必要である。
通常のようにV1、V2の電極を第4肋間において記録した胸部誘導心電図がsaddle-back 型のST上昇を示す場合、1~2肋間上方で右側胸部誘導心電図(V1'~V3'、V1"~V3")をとると、典型的なcoved 型波形が記録される場合が少なくない。
図6Aは通常部位で記録したV1、V2誘導がsaddle-back型ST上昇を示す例において、1肋間上(第3肋間)で記録したV1、V2対応誘導(V1'、V2')では著明なのST上昇を伴う典型的なcoved 型心電図を記録できた例の心電図である。

したがって、通常の心電図がsaddle-back 型ないし非典型的な所見を示す例では、必ず全例で高位右側胸部誘導心電図を記録する必要がある。
出典 日本医事新報 No.4223 2005.4.21
版権 日本医事新報社
<番外編>
最近、当院へ来院された男性(62歳)の心電図です。
自覚症状は何もありません。
もちろん失神発作の既往もありません。
心電図をみたときドキッとしました。
normal variantでしょうか、早期再分極パターンでしょうか、
それとも・・・・。


medicina 42.6 2005.6P1048-1051に「ST上昇は心筋梗塞とは限らないという」浅井精一先生(聖隷三方原病院)の論文があります。
その中で「健常人でみられるST上昇」が述べられています。
以下引用
ST上昇の正常パターンには、以下の3つがある。
(1)男性パターン:胸部誘導でのみみられ、V2で顕著な1~3mmの上に凹型のST上昇。若年男性の約90%にみられ、年齢とともに頻度は減少する。
(2)早期再分極パターン:V4で顕著な1~4mmの上に凹型のST上昇。T波の増高を伴う。肢誘導でみられる場合は、Ⅱ誘導でST上昇は顕著。aVRで鏡像としてのST低下がみられる。
(3)その他のパターン:V3-5で顕著な上に凹型のST上昇、T波の陰性化を伴う。QT短縮、QRS波の増高を認める。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き) があります。
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