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重症心不全のICU管理について勉強しました。 勤務医の間には興味のあることでも、開業医した途端に日常診療に関係がなくなる疾患があります。 今日のテーマはまさしく開業医にとっては彼岸の出来事といえます。 私も開業当初(随分昔のことです)、救急薬品としてイノバンを購入(ドブトレックスも?)したのですが一度も使わないまま期限が切れて廃棄した苦い経験があります。 結構高薬価だったように記憶しています。 急性心不全の治療薬を救急薬品として常備する必要はなさそうですが、アナフィラキシーショックなどに備えて一般救急薬品の常備は開業医にも必要です。 必要にならないほうがいいのですが、一度も使用しないまま期限切れで廃棄するのもつらいものです。 話が脱線してしまいました。
第35回日本集中治療医学会学術集会
重症急性心不全のICU管理
薬物治療の最新動向報告される 新たなマーカーも紹介
第35回日本集中治療医学会学術集会(会長=今井孝祐・東京医科歯科大大学院救命救急医学講座教授)が2月14~16日の日程で、「エビデンスを創る集中治療」をメーンテーマに東京都内で開かれた。
14日のシンポジウム「重症急性心不全のICU(集中治療室)管理」では、腎臓に負担をかけない治療を行う必要性が強調され、腎障害の程度が分かる新たなマーカーに関する研究成果が報告された。
そのほか、臨床現場で血管拡張薬や強心薬が選択される理由を、より詳細に分析すべきという提案もなされた。
日本医科大付属病院・佐藤氏 急性期の腎保護の重要性示す
「薬物療法:利尿薬・血管拡張薬」として報告した日本医科大付属病院集中治療室の佐藤直樹氏は、慢性心不全の治療については臨床現場に、腎臓を保護する必要があるとの判断が定着した半面、「急性心不全では、どこまで腎保護をすればよいか十分な検討が行われていない」と問題提起した。
急性期治療のポイントとしては酸素化の重要性を強調。
救急搬送されてきた患者は酸素マスクをしているものの、十分な酸素量が確保されているとは限らないという日本循環器学会のデータを紹介し、「酸素化をしっかりしたうえで、治療を始めることが腎保護には重要となる」と述べた。
薬物治療をめぐっては利尿薬と血管拡張薬のどちらをメーンで使うのかという論点を提示した。
佐藤氏は、同院で行った後ろ向きのデータから、「患者のバックグラウンドは差がないにもかかわらず、利尿薬を多く使うとクレアチニンが上昇する傾向がある。安易に使うことは避けた方が良い」との見方を提示。
一方で、血管拡張薬だけでは、「満足な利尿が得られるのは半数程度」とし、利尿薬と血管拡張薬を適切に組み合わせることが必要とした。
具体的には、フロセミド(利尿薬)とカルぺリチド(血管拡張薬)を例示した。
また、佐藤氏は、治療が腎臓に与える影響を測定するマーカーとしてL-FABP(肝型脂肪酸結合蛋白)が着目されていると報告した。
L-FABPは、近位尿細管で作られ、虚血や低酸素状態になると尿中に排泄される特徴があるという。
佐藤氏は、「尿中のL-FABPを測定することで尿細管の障害をある程度評価できる」とし、カルペリチド治療群(n=8)と硝酸薬で治療した群(n=8)を比較したデータを説明した。
評価項目は尿中のL-FABP値で、ICU入室時、4、8、12時間後、1日、3日後に測定した。
それによるとカルペリチド群では4時間後の時点でL-FABP値が下がり、佐藤氏は、「時間単位で、ある程度腎保護に役立つことを示すデータ」との見方を示した。
さらに、佐藤氏は、個々の患者のL-FABPをリアルタイムで把握できるようになれば「急性心不全の治療における腎保護は大きな転機を迎える」と見通した。
国立循環器病センター・横山氏 血管作動薬の日米比較
一方、「急性心不全の集中治療管理における血管作動薬の日米比較」と題して発表した国立循環器病センター心臓血管内科の横山広行氏は、急性心不全の治療で用いられる血管拡張薬や強心薬の使用について、「今後は急性心不全全体ではなく、疾患ごとに何を使うべきか検討しなければならないのではないか」との考えを表明。
多施設登録調査研究を実施し、病因、心機能、血行動態などの観点から血管拡張薬や強心薬が選択されている理由を分析すべきとの考えを示した。
横山氏は、米国ではドブタミン、塩酸ドパミン、その他の強心薬を使用する割合が9%程度と低い一方で、欧州の29.8%と日本(国立循環器病センター)の20.3%は似通った傾向を示していると説明した。

米国で強心薬が使われなくなった背景としては、06年に血管拡張薬(硝酸薬、nesiritide)の方が、強心薬(ドブタミン、milrinone)よりも院内死亡率が有意に低かったとする臨床試験データが報告されたことを挙げた。
さらに横山氏は、欧州の診療ガイドラインは、疾患ごとに使用する医薬品を明示している点に言及し、欧州と同様、日本で強心薬の使用頻度が高い要因を、疾患ごとに分析する必要性を指摘した。
出典 Japan Medicine 2008.2.29
版権 (株)じほう
<参考サイト>
血管拡張薬はどこまで有効か
--より効果的な薬剤選択のために
http://www.lifescience.jp/ebm/PDEIII/sinzoubyo/sin51_1/3.htm
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
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