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昨日の続きです。
一方,腎髄質では傍髄質糸球体の輸出細動脈から分枝した直血管より血流が供給されますが,腎髄質のなかでも腎皮質に隣接する髄質外帯には太いヘンレ係蹄上行部が位置しており,元来,低酸素状態に陥りやすく,腎臓のなかで最も障害を受けやすい部位と言えます。
また,皮質表在糸球体では傍髄質糸球体の輸入細動脈に比べアンジオテンシンII(A II)の作用をより強く受けることから,RA系の亢進による障害を受けやすいことが知られています。
以上から,微量アルブミン尿がCVDの予測因子と考えられるのは,微量アルブミン尿が腎臓に限らずその他の臓器においても,最初に血管障害が現れるであろう"Strain Vessel"の傷害を結果的に反映するためと考えています。
また,腎臓では高血圧とRA系の亢進により障害を受ける主たる部位がそれぞれ異なるということも重要です。
つまり,腎保護のためには厳格な降圧とRA系の抑制の両方が不可欠であると言えます。
オルメサルタンによる抗炎症および抗酸化への関与
筒井
私たちは高血圧患者13例を対象にオルメサルタン20mg/日を開始用量として12週間投与し,冠動脈における内皮依存性の血管拡張反応について検討しました。
PETを使って寒冷昇圧試験前後の心筋血流を測定した結果,オルメサルタンによる血管抵抗の有意な低下が認められました。
また,種々の生化学マーカーについて検討した結果,オルメサルタンは炎症マーカーである血中IL-6を低下させるとともに,抗酸化作用を有するスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を増加させ,SODの増加と冠血管抵抗の減少には有意な相関が認められました(図3)。

以上の結果から,A IIによる活性酸素種の産生が血管内皮機能障害に関与していると見られ,オルメサルタンがこれを改善したと考えられます。
Ruilope
欧州で実施された臨床試験EUTOPIAでも,高血圧患者においてオルメサルタンが種々の炎症マーカーを低下させており(図4),筒井先生の臨床研究の結果とも合致していると思います。

微量アルブミン尿に関する臨床試験ROADMAP―オルメサルタンの優れた降圧効果とRA系抑制作用
伊藤
オルメサルタンは,ARBのなかでもAT1受容体への結合が強く,降圧効果に優れた薬剤です(図5)。

CKDの視点からCVDの抑制を考えた場合,特に適した薬剤と思われますが,いかがでしょうか。
Ruilope
オルメサルタンの効果を検証するために欧州では現在,臨床試験ROADMAPが進行中です。
ROADMAPは,心血管系危険因子を少なくとも1つ以上有する正常アルブミン尿の2型糖尿病患者4,400例を対象にオルメサルタン40mg/日またはプラセボを投与し,微量アルブミン尿の発症,さらに心血管系イベントの発生がどの程度抑制されるか否かについて検討しています。
ACE阻害薬による同様の臨床試験にBENEDICTがありますが,その際は必ずしも十分な降圧は得られませんでした。ROADMAPではオルメサルタンの優れた降圧効果とRA系抑制作用のダブル効果が期待されており,理論的には従来を超える結果が予想されます。
糖尿病患者ではCKDが多いことが知られていますが,それは,腎臓のRA系が亢進していることや高血圧の合併例が多いためで,伊藤先生のご説明とよく合致します。
伊藤
2型糖尿病患者においてARBが微量アルブミン尿から顕性腎症の進展を抑制することはすでに報告されていますが,微量アルブミン尿の発症自体をエンドポイントとするROADMAPは,"Cardio-renal Continuum"の初期の段階で危険因子を抑制した場合の有用性を問うものであり,微量アルブミン尿だけでなく,それに続くほかの標的臓器障害の保護という意味も含んだ非常に重要な試験と考えます。
オルメサルタンについては,このROADMAP以外にも,2型糖尿病患者における顕性腎症の進展抑制への影響を検証するORIENTが日本人を主とするアジア人で現在進行中であり,ともに結果が期待されます。
Medical Tribune 2008.2.21
版権 メディカル・トリビューン社
デュフィー『モーツァルトに捧ぐ』 ジークレー
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他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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