戯れ言たれる侏儒
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Doctors Blog

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過去数十年間にわたる研究者らの努力で、総コレステロール値の低下という目標はほぼ成功している。
米防疫センター(CDC)によると、2005~06年の調査で米国成人の平均コレステロール値は、過去50年間で初めて  200mg/dLを下回った(JAMA2008;299:509~510)。
最大の要因は、高コレステロール血症に対するスタチン療法で、結果的に動脈疾患が約30%減ったという。
しかしながら現在、最大の課題となっている
善玉(高比重リポ蛋白:HDL)コレステロールを増やし、しかも忍容性が良好で安全性の高い薬剤開発は、実現していない。
 
薬剤の副作用が課題
「HDLコレステロール値と心血管リスクに負の関連が存在するのは、疑いの余地がない」とCleveland Clinic財団心血管医学部門長のSteven E. Nissen は言う。
例えば、運動や減量、禁煙などの生活習慣を見直すことで、HDL コレステロール値はわずかながら改善する。
また、ニコチン酸(ナイアシンまたはビタミンB3)とフィブラート系薬剤などHDLコレステロール上昇作用のある薬剤も知られている。
ただし、これらの薬剤は副作用などの改善が必要だ。
ナイアシンはとりわけHDL-コレステロール値の上昇効果が高い薬剤だが、顔面潮紅(有害作用)のために第1選択薬にならない、とWashington大学循環器学教授のB. Greg Brown は指摘する.
「ナイアシンを処方された患者の約20~30%は顔面潮紅のため服用をやめてしまう」とBrownは言う。
「顔面潮紅を訴える患者のケアに時間をとられたくないと、最初から処方しない医師もいる」。
ビタミン剤の処方にさえ消極的な医師を考慮し、現在進行中の臨床試験では、徐放型ナイアシン製剤(顔面潮紅のリスクが低い)とスタチンの併用療法が評価されている。

スタチンとの配合剤
SEACOAST試験(Safety and Efficacy of a Combination of  Extended-Release Niacin and Simvastatin in Patients With Dyslpidemia)は、HDLコレステロール値以外の数値が高い患者600人以上を対象にした24週にわたる無作為化、二重盲検試験だ。
使用された薬剤(Simcor) は、シンバスタチンと徐放型ナイアシン(Niaspan)を一定の用量で配合した試験薬だ。
試験でSimcorを投与された患者群はシンバスタチン単独投与群に比べ、より大きなHDLコレステロール値の改善効果が得られた; HDLコレステロール値の上昇率はシンバスタチン単独投与群が7%だったのに対し、徐放型ナイアシン/シンバスタチンの1,000mg/20mg配合剤群はさらに18%、2,000mg/20mg配合剤群はさらに25%もアップした。
「単に総コレステロール値を下げるだけでは十分とは言えない。この配合剤はそれらの患者に対する新たな治療選択肢として有用だと考える」とSEACOAST試験責任者でMethodist DeBakey心疾患センター・心血管疾患予防センター所長のChristie M・Ballantyneは述べる。

現在、ナイアシン・スタチン併用療法の大規模臨床試験が3件実施中で、その結果が明らかになる数年後には治療戦略が変わる可能性もある。

Brownが行っているAIM HIGH試験(Niacin Plus Statin to Prevent Vascular Events trial)では、既存の血管疾患およびアテローム性脂質代謝異常を有する患者6,600人を無作為にシンバスタチン単独投与群もしくは徐放型ナイアシン・シンバスタチン配合剤投与群に割り付け、中央値で4年間追跡する計画だ。
併用療法で、最初の主要心血管イベント発生が遅れるかどうかが評価される。

もう1つは、英国、中国、スカンジナビア諸国で実施されているHPS2-THRIVE試験(Treatment of HDL to Reduce the incidence of Vascular Events study)だ。
顔面潮紅の症状発現を抑制する新薬(MK‐0524A、Merck社)とナイアシンの件用療法が、心血管リスクを下げるかどうかを検証する。
対象患者として、すでに先行治療により低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が十分改善している約20,000人が登録される。

3つめの試験は、ACCORD試験(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes trial)の1群に実施されるサブスタディーだ。
AOCORD試験に参加している2型糖尿病患者10,251人の一部を追跡する。
血糖コントロールが良好な患者で、フィプラート系とスタチン系の薬剤を併用して、HDLコレステロール値を上昇させ、トリグリセリドとLDLコレステロールを低下させた時、LDLコレステロールだけを低下させるスタチン単独療法との比較で、心血管イベント発生率が低下するかどうかを検証する。

MMJ 2008 vol.4 No.3
版権 毎日新聞社

 

<関連サイト>

Abbott's Investigational SIMCORR Offers Comparable LDL Lowering to Simvastatin and Significantly Raises HDL and Lowers Triglycerides in Phase III Study
http://www.abbott.com/global/url/pressRelease/en_US/60.5:5/Press_Release_0540.htm
In fact, a recent post-hoc analysis of 9,770 patients from the Treating to New Targets study, published in the New England Journal of Medicine, concluded HDL levels were predictive of major cardiovascular events in patients treated with statins, and also observed in patients with LDL levels below the National Cholesterol Education Program's most aggressive target of 70 mg/dL.

 

SIMCOR Additional Efficacy
http://www.simcortablets.com/for-healthcare-providers.aspx


MK0524A Phase IIb Study
http://clinicaltrials.gov/ct2/show?intr=%22Nicotinic+Acids%22&rank=20

 

New Combination Drug Improves Multiple Cholesterol Disorders in Single Pill
http://fathappens.com/news/view_ndb1c8eefd4c5a67836b3fae3587b3092/
http://www.docguide.com/news/content.nsf/news/852571020057CCF68525738A007535A8#

 

AIM-HIGH
http://www.aimhigh-heart.com/overview.shtml

 

STUDY COMPARES NIACIN PLUS STATIN VS. STATIN ALONE TO DELAY HEART DISEASE
http://www.umm.edu/news/releases/niacin_statin.htm

 

Niacin/Simvastatin Combination More Effective Than High-Dose Simvastatin
http://www.medscape.com/viewarticle/556549_4


<コメント>
ACCORD試験はフィブラート系とスタチン系の薬剤の併用ということですが国内では併用は出来ません。
諸外国では併用しているのでしょうか。
また驚いたことに米国では成人の平均コレステロール値が200mg/dlを下回ったということです。
もっともスタチンの効果も大きいようですが、翻って日本の成人の平均コレステロール値はどのくらいなんでしょうか。
コレステロールに頓着しないメタボ狂騒劇の間に冠動脈疾患が増えなければよいのですが。
諸外国とは健康指導の方向性が違うようです。

 

他に
「井蛙内科/開業医診療録」 
http://wellfrog.exblog.jp/ 
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。

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