戯れ言たれる侏儒
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心不全患者の入院件数を大幅に減少
〔ベルリン〕慢性心不全が進行した患者では,薬剤療法下でも繰り返し心機能の悪化が見られ,入院を余儀なくされることが多い。
こうした患者の外来治療を監視・適正化することが可能なカプセル型の新しい測定システムが,アーヘンとデュースブルクの研究グループにより開発された。今回のプロジェクトのリーダーであるアーヘン工科大学(アーヘン)応用医療技術科のThomas Schmitz-Rode教授は「新しい心臓カプセルは心ポンプ機能が低下すると速やかに警告を発するため,大幅な入院件数の減少とコスト削減につながる」と期待を寄せている。

小さなカプセルが大きな働き
Schmitz-Rode教授は「今後,予定されている開発が順調に成果をおさめれば,約 2 年後には進行した心不全患者に対する外来での持続的監視が可能となり,患者は自宅で自立した生活を送ることができるようになる」と説明した。

同カプセルの使用に際しては,まず,外来でカテーテルを用いて肺動脈分岐部に直径数ミリ程度の心臓カプセルを埋め込む。カプセルのセンサーにより測定された血圧と体温のデータは,マイクロトランスポンダーとマイクロアンテナを介して外部の読み取り装置に送信される。
その際,読み取り器からカプセルに対して無線でエネルギーが送られる仕組みとなっており,カプセルへのバッテリーの搭載が不要なことからカプセルの小型化が可能となった。
 
主治医は遠隔測定されたこれらのデータに基づき,コンピュータを用いて左室ポンプ機能を判定,早期に悪化を把握して治療法を選択することができる。
従来,これらのデータを得るには集中治療室での特殊なカテーテル検査が必要であったが,この新システムを用いれば,心循環機能の持続的監視が在宅で可能となり,検査のための来院は不要となる。
 

同カプセルの開発により,患者の生活条件が大きく改善される。
慢性心不全患者は,体力低下,呼吸困難,肺浮腫や下肢浮腫などに悩まされる。
初期にこれらの症状が現れるのは身体的負荷時に限られるが,病期が進行してしまうと,わずかな負荷(階段を昇るなど)や安静時にも現れるようになる。
疾患経過に伴い,例えば感染症などがきっかけとなって,繰り返し代償不全(心衰弱)に陥るようになり,入院治療を余儀なくされるのが一般的である。
しかし,この早期警告システムにより,家庭医は利尿薬の用量を増量するなどして,迫りつつある代償不全を回避することで,患者は入院の必要がなくなる。

アーヘン医療技術者センター(AKM,アーヘン)のChristoph Monfeld博士は「ドイツにおける心不全患者数は約180万人と内科疾患のなかでも多く,年間20?30万人のペースで増加している。
直接的・間接的に心不全に費やされるコストは医療費全体の約 3 %と推定されているが,心臓カプセルにより医療費は著しく削減されるだろう」と期待を寄せている。

心機能の低下を警告する心臓カプセル
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4108061&year=2008

 Medical Tribune 2008.2.21
版権 メディカル・トリビューン社

<コメント>
肺動脈に心臓カプセルという異物が挿入されるわけですから、当然肺梗塞の原因になりうると考えられます。
血栓が付着しなくても大なり小なりウエッジする可能性があるわけです。
要するに安全なデバイスか検証する必要があります。
われわれは今やBNPやNT-proBNPという心不全のサロゲートマーカーを既に手に入れています。
治療に直結するICD(植込み型除細動器)とは当然意味合いが異なります。
したがって、どれだけこのカプセルが臨床面で普及するかどうかは疑問です。

 

木下孝則 油絵4号「バラ」 
http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s89934044?u=;ginza_kaigakan
 

<番外編>
胸痛の原因鑑別に新検査法
心筋梗塞の予防につながる
〔英リーズ〕リーズ大学臨床心臓病学のAlistair Hall教授らは,従来のトロポニン検査と比べて画期的に進歩した心臓損傷検査法を開発,これによって心筋梗塞を発症するリスクの高い患者の診断が容易になると American Journal of Cardiology(2007; 50: 2061-2067)に発表した。

脂肪酸結合蛋白質を検出
この検査法により,必要がないのに入院する患者が減少し,医療従事者は治療を最も必要とする患者に集中できるようになる。

Hall教授は「救急病棟では胸痛症状を示す患者を常に診察している。
最もリスクの高い患者群は診断が容易で,直ちに入院させている。
心筋梗塞を発症するリスクがない患者も,診断が容易である。
逆に診断に困難を伴うのはその中間の患者である。
通常,これらの患者は原因が解明されるまで24時間入院させる」と説明している。

最も一般的に利用されている診断ツールはトロポニン検査で,心臓損傷を検出,評価し,他の原因による胸痛との鑑別に用いられる。
原理的には,患者の血中にトロポニン蛋白質が存在すれば,心臓に問題があることを示している。
しかし,トロポニン検査は偽陰性と偽陽性のいずれの結果も出るため,必要がないのに入院する患者もいれば,誤って退院させられる患者もいるとしている。

英国心臓財団の助成により今回開発された新しい検査法では,心筋虚血に伴う心臓損傷後に血液中に放出される心臓由来脂肪酸結合蛋白質(H-FABP)を検出する。
同教授は「このH-FABP検査は,従来の方法に比べて大幅に進歩しており,心臓細胞死を検出する現在の検査よりも,より軽度かつ早期の段階で心臓損傷を検出することが可能と思われる」と述べている。

今回の研究の結果,最も救命治療を必要とする心筋梗塞患者の治療がより効率的になることが示された。

搬送中でも検査が可能
また,この検査により,数週間または数か月以内に発症する心筋梗塞の徴候となる胸痛が見られる患者も同定可能になる。
Hall教授は,これらの問題が事前に判明していれば,これまでより 3 か月間先行して予防ができるとしている。

今回の研究は,限られた資源の有効利用という点から厳しい決断を迫られている英国の国民保険制度下で行われた。この血液検査は,10ポンド(約2,250円)ほどの費用で救急隊員でも患者を病院へ搬送中に施行できる。
これによって,入院の必要のない人を早期に帰宅させることが可能となる。
同教授は「今回の研究結果は,患者と医療従事者に真の便益をもたらすものだと非常に期待している」と述べている。

英国心臓財団の医療部長で同大学のPeter Weissberg教授は「現在,胸痛患者の心臓損傷を調べるには心電図(ECG)や血液検査などに依拠している。
今回の血液検査法により,心臓損傷を早期の段階でより正確に診断することが可能になると見られる。
今後の研究によって,現在の検査法に対するこの検査法の優位性が確認されれば,さらなる問題を予防するため診断法を改善し,集中的な検査と治療を必要とする患者を同定できるであろう」と述べている。
Medical Tribune 2008.2.21
版権 メディカル・トリビューン社

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