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< IVUSエラストグラフィ法 | メイン | 肥満高血圧とARB その2(2/2) >
最近になって肥満者の病態形成にRA系が深く関与していることがわかって来ました。
きょうは肥満高血圧患者に対するARB処方の意義について勉強しました。
なぜ肥満を伴う高血圧症患者さんの治療にARBが選択されるのか?
光山勝慶先生(司会) 熊大
小室一成先生 千葉大
松原弘明先生 京府医大
心血管系イベント発現に対する肥満の関与
光山
肥満は、高血圧、糖尿病、慢性腎臓病などの発症と密接に関連すると同時に、BMIが高くなるほど脳・心血管系イベントによる死亡率、さらに全死亡率が高くなることが知られています(図1)。

そこで、まず、肥満が心血管系イベントの発現にどのように関与しているかうかがいましょう。
小室
正常な脂肪組織からは、さまざまなアディポサイトカインが産生・分泌され、糖・脂質代謝、動脈壁の恒常性維持に重要な役割を果たしています。
一方、肥満者にみられる肥大化した脂肪細胞は、RA系を活性化させるアンジオテンシノーゲンや、交感神経系を活性化させるレプチン、血栓形成を亢進させるPAI-1などの産生・分泌を亢進し、逆に抗動脈硬化作用を有するアディポネクチンの産生を抑制するなど動脈壁の恒常性に対する、アディポサイトカイン産生のアンバランス状態を形成します(図2)。

さらに、本来は肥満でなくても、RA系や交感神経系が活性化されている場合では、インスリン抵抗性が惹起され肥満となるケースも多いのです。
つまり、肥満そのものが、動脈硬化を容易に形成するなど、心血管系イベントの発現因子になると同時に、肥満になる方はRA系や交感神経系が活性化しているために心血管系イベントを発現しやすい状態になっているということです。
光山
最近、肥満の方は、動脈硬化の原点とも言うべく、炎症や酸化ストレスが亢進している状態であることがわかってきましたね。
松原
肥大化した脂肪細胞に多数のマクロファージの浸潤が認められることからも、肥満者では炎症が亢進した状態であることがわかります。
また、脂肪細胞から分泌されるTNF-αやPAI-1などの炎症性サイトカインは、いずれも血管内皮細胞を傷害します。
特にTNF-αはインスリン抵抗性のkey factorであり、しかも心血管系で酸化ストレスを亢進させるので、動脈硬化巣の形成を促進します。
小室
実際、肥満者はCRPが高値を示す例が多いので、おそらくIL-6のような炎症性サイトカインが大量に放出されてCRP値が高くなっている可能性があります。
BMIが高いほどカンデサルタンの有効性が高い理由
光山
なるほど、肥満者は脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインのアンバランス状態により酸化ストレスや炎症反応が亢進している。
また、RA系や交感神経系も活性化している。
だから脳・心血管系イベントが発現しやすい状態にあるということですね。
それでは、例えばARBでRA系を抑制するとイベントの発現は抑制されるのでしょうか?
小室
繰り返しになりますが、肥満者では、肥大化した脂肪細胞からアンジオテンシノーゲンなどが異常に放出されます。
それにより活性化された、血管・心臓・脳・腎臓などの局所RA系をARBが抑制しているのです。
同時にARBは、肥満の病態そのものを改善して、間接的に心血管系イベントを抑制することも期待できます。
想像の域を出ませんが、CASE-Jの結果は、カンデサルタンが脂肪細胞に直接作用して、肥大化した脂肪細胞を小型化したことにより得られた可能性も考えられます(図3)。

さらに、CASE-Jでは、カンデサルタンが肥満者の糖尿病の新規発症をほぼ半減させています。
このことは、カンデサルタンがインスリン感受性を改善することを意味しており、それが、イベントの抑制につながると期待されます。
平均観察期間3.2年という短期間であったにも関わらず、CASE-Jでカンデサルタンが肥満者のイベント抑制を認めたのは、脂肪細胞に存在するRA系や血管・心臓など局所
RA系の活性化を抑制したことによると考えています。
Nikkei Medical 2007.10
版権 日経BP社
<コメント>
図1の日本人の肥満度別の全死亡率は男女ともにBMI22前後になっています。
1991年の少し古いデータではありますが、きれいなデータでびっくりします。
最近のデータでnadirがもう少し高いところ(BMI)にあるのを、外国のデータですが見ました。
体重と全死因死亡率
http://wellfrog.exblog.jp/8233407
やや過体重(25~30)のほうが好結果 全死因死亡率の有意な低下に関連

田崎広助「富士」リトグラフ
http://page18.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w21589577
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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