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きょうは血管内超音波(intravascular ultrasound; IVUS)エラストグラフィ法について勉強しました。
tissue characterization(組織性状鑑別)を行うIVUSの一種で一長一短があるようです。
国立循環器病センター心臓血管内科 吉牟田剛
金沢大学大学院医学系研究科 循環器内科 山岸正和
不安定プラークの破綻は、プラーク自体の組織性状に加えて、それに加わる力学的なストレスが関与していると考えられている(文献1)。
不安定プラークにかかるストレスは、脂質コアのある部位やマクロファージなどの炎症性細胞浸潤が多い部位により大きく加わると報告されており、その部位で破綻が起こりやすいと推測されている(文献2)
血管内超音波(intravascular ultrasound; IVUS)エラストグラフィ法は、物質に力を加えることでその物質に歪み(ストレイン)が生じるというヤングのモデル方式を利用した方法で、IVUSに取り込まれたRF(radiofrequency)信号が組織の圧縮度で異なることに着目し、これを冠動脈プラーク内の組織性状鑑別に応用している。
実際の冠動脈プラーク内のストレインの評価は、拍動による血圧変化によってプラーク内組織が変形する割合であるストレイン分布を求め、相対的な弾性(硬さ)を色で表示することによって可視化し、画像化して行う。
ストレイン値が大きい部位は組織の変形が大きい(軟らかい)部位であり、一方でストレイン値が小さい部位は組織の
変形が小さい(硬い)部位を示すと考えられる。
不安定プラークは薄い線維性被膜と脂質コアを持ち、脂質コアの部位はほかの組織と比して軟らかいため、組織内でのストレイン値が大きくなると予想される。
Schaarらはex vivoでの検討でIVUSエラストグラフイ法を用いたプラークの組織同定を行っているが、ストレイン値の大きい部位では線維性被膜が薄く、脂質が豊富で、炎症性の細胞浸潤が多いという特徴があると報告しており(文献3)、
本怯を用いて不安定プラークを診断しうる可能性を示唆している。
以下に実際の症例を提示する。
IVUSエラストグラフィ法で構築した画像は、ストレイン値が大きい部位を暖色系の色(赤色)、小さい部位を寒色系の色(青色)で表示している。
図1は不安定狭心症の患者のIVU画像で、2~3時方向に低エコー輝度領域を含む偏心性の肥厚したプラークを有する症例である。
Bのエラストグラフィ画像では、低エコー輝度領域が赤く可動
性の大きい部位として表示されており、脂質コアを含んだプラークであることが示唆される。
不安定狭心症や急性心筋梗塞などの急性冠症候群ではこのような画像が多く見受けられる。
図2は安定狭心症の患者のIVUS画像で、高エコー輝度領域を含む偏心性のプラークを有する症例である。
Bのエラストグラフィ画像では、11群と1~2時方向の高エコ-輝度の部位が青色で表示され、硬い組織すなわち石灰化病変と考えられる。

一方、11~1時方向が緑色から黄色で表示されており、やや軟らかい組織と考えられるが、全体的には色彩が均一であることから線維性病変を多く含んでいると考えられる。
プラーク自体はやや硬めの安定プラークであることが示唆される。
このように、IVUSエラストグラフイ法を用いることによって、冠動脈プラーク内の軟らかい部位や硬い部位といった異なる組織性状を画像化しうる可能性がある。
ただし、現在のところ、本法はエラストグラフィ画像内での
相対的な歪み値を表したものであり、プラークの組織性情を直接的に表したものではない。
今後の課題として、不安定プラ-クの性状診断を可能とするような定量化に向けた、また画像を実時間で実施可能にするためのシステムの改良が必要である。
出典 Medical View Point 2008.20.10
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