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ACC/AHA 線溶療法の重要性も明記
STEMIのガイドラインを改訂
〔米テキサス州ダラス〕米国心臓病学会(ACC)と米国心臓協会(AHA)は,心筋梗塞のさまざまな側面に関する臨床試験のデータが発表されているのを受けて,ST上昇型心筋梗塞(STEMI)の管理に関する共同ガイドラインを一部改訂した。
改訂内容は,Circulation(2007; オンライン版)とJournal of the American College of Cardiology(2007; オンライン版)に発表された。
入院前の心電図の利用を推奨
米国では,毎年ほぼ50万人が完全な動脈閉塞により引き起こされるSTEMIを発症している。
STEMIは最も重度の心筋梗塞とみなされているが,直ちに診断できれば心臓損傷を減らすための治療は可能である。
ガイドライン執筆グループの責任者でBrigham and Women's病院冠疾患集中治療室(CCU)部長でもあるハーバード大学(ともにボストン)内科のElliott Antman教授は「STEMIの初回治療としては,従来通り心臓への血流をできる限り早く戻すことを推奨している。
治療体系を改善して再灌流までの時間を早めれば,患者のアウトカムが改善できることがデータにより示されている。
STEMI治療体系を改善するうえで十分に利用されていないものの,有効な戦略として,救急医療組織(EMS)により生命維持を進展させる入院前の12誘導心電図プログラムの利用を拡大することが挙げられる。
これにより早期診断が可能となり,適切な治療戦略を開始できる」と述べた。
今回の推奨は,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を重視しているものの,線溶療法の重要性をあいまいにすべきではないという点も明記している。
血管形成術としても知られるPCIは,冠動脈の梗塞領域に小さなワイヤを挿入し,バルーンを膨らませて動脈を再開通して心臓への血流を回復させる手技で,しばしばステントを挿入して動脈を広げる支えとする。
一次PCIは90分以内に開始
PCI施行可能な病院に搬送されたSTEMI患者には,医療システムの目標として最初の医学的接触から90分以内に一次PCIを施行すべきである。
PCIが施行できない病院に運ばれた場合でも,患者を90分以内に転送して治療を行えるのであれば,その目標は達成できる。
しかし,PCIセンターへの90分以内の転送とPCI治療が不可能であれば,医療システムの目標として禁忌でない限り病院に到着後30分以内に線溶療法を開始すべきである。
また,今回の改訂ではSTEMI患者のうち,早期の経静脈的β遮断薬療法の候補とならない患者の条件として,次の4点を明記している。
(1)心不全の徴候
(2)低心拍出量状態を示すエビデンス
(3)心原性ショックリスクの増大
(4)β遮断に対する他の相対的禁忌(2~3度の心ブロック,活動性喘息,反応性気道疾患など)。
これらの条件が当てはまるSTEMI患者には,β遮断薬を静脈投与してはならないとしている。
線溶療法直後のPCIは有害
今回の改訂には,最初に線溶療法を受けた患者をPCIの施行が可能な施設に移送した際の処置に関しても,新たな情報が提示されている。
それはfacilitated PCIとrescue PCIである。
facilitated PCIとは,血管閉塞を減らすため投薬直後に予定通りPCIを行う治療法である。
rescue PCIとは,線溶療法後も血流が心臓に戻らなかった際に緊急に行うPCIのことである。
今回の改訂によると,facilitated PCIの潜在的な利点としては,
(1)血流の早期再開
(2)心筋損傷の軽減
(3)患者の安定性の改善
(4)手技の成功率の上昇?がある。
潜在的なリスクとしては,特に高齢者で出血性合併症の増加が見られる。
しかし,有用とされているfacilitated PCIに対する臨床試験の結果,梗塞サイズの縮小,またはアウトカムの改善という点で便益は見られなかった。
そのため,改訂では十分量の線溶療法を行った直後にPCIを施行するのは,有害な可能性があると明記している。
しかし,
(1)患者が高リスク
(2)PCIが90分以内に施行できない
(3)出血リスクが低い
というすべての要因がそろっていれば,血流を再開させるため,十分量の線溶療法以外の療法としてfacilitated PCIを行うことは考えられる。
Rescue PCIは,線溶療法を受けた患者のうち,
(1)血管再生の候補として適する75歳未満の患者で心原性ショックがある
(2)重度のうっ血性心不全または肺水腫
(3)血流力学上危険な心室性不整脈
の要因のうち,いずれかがある患者に推奨される。
このガイドラインには,抗凝固薬に関する新たな推奨も含まれている。
血栓溶解薬により再灌流を行った患者は48時間以上,可能なら初回入院期間中は最長8日間まで抗凝固薬投与を受けるべきである。
今回の改訂によると,STEMI患者には線溶療法による再灌流を受けたか否かにかかわらず,アスピリンにクロピドグレルを追加し,14日間以上継続すべきである。
COX-2阻害薬は治療中は禁忌
改訂による変更で最も顕著な推奨は,シクロオキシゲナーゼ(COX)-2阻害薬とアスピリンを除いた非ステロイド抗炎症薬(NSAID)をルーチンに使用している患者が心筋梗塞の治療を受けている場合は,その間,服用を中止しなければならないという点である。NSAIDは疼痛,発熱,炎症を改善する抗炎症薬で,COX-2阻害薬は炎症や疼痛を引き起こすCOX-2酵素を直接標的とするNSAIDの1種である。
COX-2阻害薬と他のNSAIDに関する見解の改訂に加えて,経静脈的β遮断薬療法などの他の薬剤療法のさらに詳細な説明と改訂,STEMI患者に適応されるべき新たな薬剤療法の推奨が発表された。
NSAIDを,心疾患患者または心疾患危険因子のある患者に投与すると,有害事象リスクが増加する可能性が示唆されている。
そのため,AHAは2007年 2 月に鎮痛薬の処方を変更するようにアドバイスしており,COX-2阻害薬とNSAIDは第一選択療法でなく,最終的な療法として用いるよう推奨している。
今回の改訂では,STEMI患者の急性期ではNSAIDとCOX-2阻害薬を投与しないよう推奨している。
最初の治療以降では,退院時の疼痛管理に続いて5 段階過程による適切な鎮痛薬の選択を行い,必要な治療を厳密に見直すことを推奨している。
すべての症例に対し,可能な限り短期間にできる限り少ない有効量を投与すべきで,COX-2選択的NSAIDは最終手段としてのみ考慮すべきであるとしている。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4104181&year=2008
Medical Tribune 2008.1.24
版権 メディカル・トリビュンーン社

小絲源太郎 「ばら」 SM
http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c156033972
UA/NSTEMIのガイドライン
http://blog.m3.com/reed/20070903
NSTEMI、STEMIという分け方
http://blog.m3.com/reed/20070904
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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