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昨年11月の話題で、今となっては旧聞に属する内容で申し訳ありません。
きょうは服薬状況が悪く薬物治療がうまくいかない高血圧患者にワクチンで降圧療法を行おうというお話です。
高血圧ワクチンCYT006-AngQbに、早朝と昼間の血圧を下げる効果
アンジオテンシンIIを除去する抗体を誘導する高血圧ワクチンCYT006-AngQbに、早朝と昼間の血圧を下げる効果が確認された。
ローザンヌ大医学生物学部(スイス)のJuerg Nussberger氏らが11月6日、米国心臓協会・学術集会の一般口演で報告した。
無作為化臨床第IIa相比較試験の結果、CYT006-AngQbの300μg投与群(21人)で、昼間自由行動下の平均血圧が収縮期血圧で5.6mmHg、拡張期血圧で2.8mmHg、それぞれプラセボ群(24人)より低下していた(p=0.007とp=0.034)。
また、早朝血圧(8時時点)も、収縮期血圧で25mmHg、拡張期血圧で13mmHgと、それぞれプラセボ群より大幅に低下していた(p<0.0001とp=0.0035)。
昼間の血圧降下作用については、6月の欧州高血圧学会で報告済みだが、早朝血圧の降下作用については初めての学会報告となった。
Nussberger氏らは、今回、危険な時間帯といわれる早朝に血圧降下作用が確認されたことを重視、CYT006-AngQbの可能性がさらに高まったとした。
今後、臨床試験を重ね実用化を急ぐことにしている。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/aha2007/200711/504664.html
飲み忘れのない高血圧ワクチンに有望な結果
高血圧の管理が注射1本でできるようになる可能性があるという。
米フロリダ州オーランドで開催された米国心臓協会(AHA)年次集会で、毎日の服薬を不要にする高血圧ワクチンについて、初期研究で有望な結果が得られたことが報告された。
研究を行ったのは、スイス、ヴォーVaud州大学病院教授のJuerg Nussberger博士で、このワクチンを製造するCytos Biotechnology社の関係者でもある。
AHA会長のDaniel Jones博士によると、米国では3人に1人が高血圧であるとされるが、患者のうち血圧を管理できている人は37%にとどまっているという。
問題の一つは、複雑な投薬計画に従うことの難しさにあると思われる。
同集会で報告された別の研究では、高血圧治療を簡素化すると、国のガイドライン通りに投薬するよりも血圧を管理できる患者が多くなることが示された(簡素化群65%、対照群53%)。
CYT006-AngQbと呼ばれるこの新しいワクチンは、血管を収縮させ血圧を上昇させる物質であるアンジオテンシンIIを阻害することにより作用する。アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬およびアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)などの既存の薬剤も同じ物質を標的としている。
今回の試験では、軽症ないし中等症の高血圧患者72人を対象に、試験開始から0、4、12週目にワクチン100μgまたは300μg、プラセボ(偽薬)のいずれかを注射した。被験者は男性65人、女性7人で、平均年齢は51.5歳。ワクチン投与群では、いずれの用量でも最初の注射後に抗アンジオテンシンII抗体の産生がみられ、高用量群では有意に反応が高く、持続期間も長かった。
14週間後、高用量群では収縮期血圧が5.6mmHg、拡張期血圧が2.8mmHg降下した。
さらに、午前5時から午前8時に生じる血圧の急激な上昇が軽減するという予想外の効果も認められ、収縮期血圧が25mmHg、拡張期血圧が13mmHg降下した。
早朝は心臓発作や脳卒中のリスクが最も高い時間帯だという。
また、ACE阻害薬やARBではレニンの大幅な上昇がみられるが、このワクチンによるレニンの増大は少なかった。レニンは炎症を引き起こす酵素で、腎不全の原因にもなると考えられている。
今後さらに試験を重ねる必要があり、特に、必要な場合には血圧を上昇させる身体の「回避機構」が働くかどうかを確かめなくてはならないという。
また、安全で有効なワクチンであっても患者がまず同意せねばならなく、服薬遵守(コンプライアンス)は100%にはならないとJones氏は指摘している。
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=963
飲み忘れのない高血圧ワクチンに有望な結果
http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm?i=20071115hj001hj
Cytos biotechnology
http://www.cytos.com/doc/Cytos_Press_E_080214.pdf

日本画 柳沢正人「奈良の春」F20
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p102456286?u=;ga_vision2004
<コメント>
高血圧の管理で問題になっているのが、服薬不履行による血圧コントロールの不良です。
処方する我々医師側も服薬コンプライアンスをきちんと把握していなのが実情ではないでしょうか。
私自身、患者さんがこの薬は余っているから要らないとか何日分で結構ですといわれても、何らそのことを咎めることなく処方しているのが現状です。
さて今回のワクチンは軽症~中等症の高血圧患者が対象のようです。
以下MMJ2008.2からの一部引用です。
非感染性のウイルス形粒子にアンジオテンシンⅡを化学的に結合させた製剤で、ヒトに接種すると抗体が産生され、アンジオテンシンⅡによる血管収縮作用が減弱すると考えられています。
Nussbergerによると、ワクチンが過剰な血圧低下を起こす可能性は低いという。
その根拠として、12週Hのブースター接種でピークに達した
抗体価がその後短期間で低下した点を挙げる。
また標的分子が小さく表出されるエピトープ数に限界がある
ため、同ワクチンで惹起された抗体が他の蛋白に交差反応する可能性も非常に低い、と彼は補足する。
CYTOO6-AngQbワクチンが承認されると、患者は日常的に降圧薬を服用しなくても済むようになるかもしてないが、ブースターを年に2~3回接種する必要がある、とNussbelgerは予測する。
そのうえで、今後の研究の方向性については、小規模の試
験を経て、抗体産生反応および降圧効果が最大になる用量を決定することになるという。
この報告について、英国のCambridge大学臨床薬理学教授Morris J Brownは「興味を引かれる結果だが、Cytos社から資金提供を受けた試験であり、あくまでも予備的な知見で
ある」とコメントする。
その上で「バイオ医薬品として注目を集めた初期研究の結果であり、特に安全性試験での有効`性の評価は副次的なもの。慎重に判断する必要がある」と付け加える。
なお、Brownは、Protherics社(英国)が進める高血圧症治療ワクチン(PMD3117)の開発に協力している
<コメント>
「同じ穴の狢」といったところです。
高血圧ワクチンだけでなく、禁煙ワクチン、肥満症に対するワクチンなどの開発も現在行われているようです。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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