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誘発冠攣縮発生頻度が増加傾向に
各種危険因子から,わが国の動脈硬化の進展傾向を検討した報告はさまざまあるが, 済生会西条病院(愛媛県)循環器科の末田章三部長(同院副院長)らは,冠攣縮誘発負荷試験の結果を後ろ向きに検討。
アセチルコリン(ACh)冠攣縮陽性頻度は過去17年間で増加傾向にあることを第21回日本冠疾患学会で明らかにした。
動脈硬化危険因子の増加が関与
冠攣縮性狭心症の診断では,AChおよびエルゴノビン(ER)を用いた冠攣縮誘発負荷試験が実施されている。
これまで末田部長は,同負荷試験でのACh負荷試験例の増加傾向に注目していたことから,同院および同県内の喜多医師会病院,鷹ノ子病院で,1991~2007年の過去17年間に同部長が実施した2,079例(ACh負荷1,192例,ER負荷887例)の負荷試験における誘発冠攣縮陽性頻度を後ろ向きに解析。
誘発冠攣縮陽性の定義は,血管造影上,少なくとも90%以上の一過性冠動脈異常収縮とした。
その結果,ACh冠攣縮陽性例は過去17年間で増加傾向にあり,1,192例中513例(43.0%)に認められた。
ER冠攣縮陽性例については,大きな変動はなく887例中281例(31.7%)に認められた。
そこで,増加の背景因子を検討するため,1991~2000年に同負荷試験を実施した症例を前期,2001~07年に実施した症例を後期に分けて,虚血性心疾患(IHD)の割合を比較検討した。
その結果,前期と後期で有意差はなく,IHDによる誘発性冠攣縮増加への関与は認められなかった。
その他の危険因子については,喫煙は65%前後で変化がなかったが,高血圧,脂質異常症,糖尿病が占める割合は後期で有意に増加傾向にあった。
ACh負荷試験を受けた者の平均総コレステロール値は前期184.5mg/dLから後期196.5mg/dLへ,平均血糖値は101.2mg/dLから117.4mg/dLに有意に上昇していた。
狭心症,心筋肥大症,心筋梗塞など各種心疾患におけるACh冠攣縮陽性頻度は,後期例で増加していた。
また,IHD,非IHDともにACh冠攣縮陽性頻度は増加傾向であった。
ER冠攣縮陽性頻度については,一定の結果が得られなかったものの,全体として前期より後期に誘発冠攣縮陽性頻度は高くなっていた(図)。

同部長は,わが国の誘発性冠攣縮陽性頻度は増加傾向にあり,この背景には動脈硬化危険因子の増加が影響していると考えられると指摘。
「全体として冠動脈硬化が進行していることに留意すべきではないか」と述べた。
Medical Tribune2008.2.24
版権 メディカル・トリビュン社
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4108331&year=2008

ピカソ「Girl In Colorful Dress」
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h55148866
<参考>
冠攣縮(冠スパスム)
http://blog.m3.com/reed/20071002/1
心筋梗塞患者の慢性管理
http://blog.m3.com/reed/20070911/1
日本人には冠スパスムの多いことが知られており、心筋梗塞亜急性期におけるアセチルコリン誘発試験では、実に47%でスパスムが誘発されたという報告もある。
スパスムは想像以上に強力であり、スパスムによるステント変形も報告されている。
冠動脈攣縮性狭心症
http://www.iryokagaku.co.jp/frame/03-honwosagasu/shuyoumokuji-860033035/860033035-138.pdf
(文中のエルゴノミンはエルゴノビン.ERGONOVINEの間違い)
冠攣縮性狭心症治療において日本が抱えている問題
http://www.lifescience.jp/ebm/taidan/0505/3.htm
冠攣縮性狭心症診療で施設間格差が明らかに
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jcs2007/200703/502719.html
冠動脈攣縮誘発負荷試験の実施症例数別にみた場合、試験実施例がないとする施設が24%あったほか、10例未満の施設が30%、10例以上50例未満の施設が33%などと、施設による取り組みにばらつきがあった。
また、観血的冠攣縮誘発負荷試験に用いる薬剤では、アセチルコリンが64%で主流だったものの、エルゴノビン冠動脈内投与が28%、エルゴノビン経静脈投与が2%などだった。
このほか、アセチルコリン負荷試験での冠攣縮陽性基準にもばらつきがあり、99%以上とする施設が25%、90%以上が25%、75%以上が12%などと差があった。アセチルコリンの投与量や冠注時間などでも施設によって格差が認められた。エルゴノビン負荷試験でも同様だった。
冠攣縮誘発負荷試験の実施条件、冠攣縮性狭心症の治療方針の面でも、施設によって考え方が違うことも明らかになった。
一方で、調査に応じた病院の大多数は、冠動脈攣縮について建設的な考えを持ち、さらに74%もの病院が冠動脈攣縮に関するガイドラインの必要性を感じていることも分かった。
<コメント>
ACh冠攣縮とER冠攣縮の頻度および増加の有無のdiscrepancyに関する考案はどうだったのでしょうか。
この紹介からは知ることができなかったのは少し残念です。
それにしても誘発陽性率がこれだけ多いのには少し驚きました。
狭心症をみる場合不安定プラークの方に気持ちがいってしまう昨今です。
カルシウム拮抗剤の重要性を再認識した次第です。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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