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Medical Tribune でアスピリンについて勉強しました。
アスピリンレジスタンスについては以前とりあげました。
アスピリンレジスタンス その1(1/2)
http://blog.m3.com/reed/20071117/1
アスピリンレジスタンス その2(2/2)
http://blog.m3.com/reed/20071118/_2_2
また抗血小板薬についてもとりあげたことがあります。
抗血小板薬の選択肢 その1
ttp://blog.m3.com/reed/20071215/_1_3_
抗血小板薬の選択肢 その2
http://blog.m3.com/reed/20071216/_2_2_3_
抗血小板薬の選択肢 その3
http://blog.m3.com/reed/20071217/1
昨年11月には、抗血小板剤のプラビックス錠が条件付きで循環器領域で効能追加となり、現在では長期投薬も可能になっています。
http://www.atherothrombosis.jp/plavix/notification/pdf/others_071206.pdf
そしてDES後にはアスピリンと併用されています。
この抗血小板同士の併用については、どれだけのエビデンスがあるのか不勉強な私にはよくわかりません。
<参考>
1)薬価 バイアスピリン錠100mg 6.4円
プラビックス錠75mg 289.6円
(バイアスピリンは安すぎて後発品と同薬価です)
2)プラビックスの効能追加
経皮的冠動脈形成術(PCI)が適用される急性冠
症候群(不安定狭心 症、 非ST上昇心筋梗塞)
…… 厳密には待機的インターベンションには適
応がないことになります。
後藤 信哉 氏(司会) 東海大学内科学系 教授
Carlo Patrono 氏 イタリア・カトリック大学薬理学 教授
大森 司 氏 自治医科大学分子病態治療研究センター分子病態研究部 講師
抗血小板薬アスピリンの脳・心血管イベント抑制効果はエビデンスが確立し,世界的コンセンサスが得られている。
一方,近年「アスピリンレジスタンス(抵抗性)」という言葉が
流布している状況が見られる。
服薬コンプライアンスなどさまざまな要因があるにもかかわらず,アスピリン服用患者への効果が不十分と見るや「アスピリンレジスタンス」と判断し,処方を見直す臨床家も少なくない。
専門家の間では「アスピリンレジスタンス」という言葉の独り歩きを危ぶむ声が聞かれる。
そもそもアスピリンレジスタンスの概念があいまいで,現時点で確立された評価法はなく,臨床的意義も定かでないからである。
アスピリンの効果の適正評価が最重要と訴える内外の専門家3氏を招き,議論を通じてアスピリンレジスタンスの真相に迫っていただいた。
治療の失敗だけでアスピリンレジスタンスとは言えない
後藤
まず薬理学者としてアスピリンレジスタンスをめぐる問題を長年研究されているPatrono先生に,その臨床的意義に迫るのに必要な視点を示していただきたいと思います。
Patrono
「レジスタンス」という言葉は,もともと抗菌療法の領域で使われてきました。
抗菌薬への曝露によって一部の微生物に遺伝子的変化が生じ,当該薬が効かなくなる現象です。
レジスタンスの有無は,抗菌薬の感受性検査で容易に確認できます。
レジスタンスが示された場合,他の抗菌薬に変更できます。
ところがアスピリンレジスタンスに関しては,こうしたことは何も明らかになっていません。
アスピリンを投与したにもかかわらず血管イベントが発生しただけでは,アスピリンレジスタンスとは言えません。
これはむしろ「治療の失敗」と言うべきでしょう。
高血圧症や脂質異常症の治療薬と同様,アスピリンはすべてのイベントを抑えるわけではないのです。
アテローム性血栓症は多様なリスク因子によって発症するのであり,アスピリンはその一因である血小板活性化をおもに抑制します。
アスピリンレジスタンスは,しばしば in vitroでの血小板凝集能検査によって判定されています。
しかしながら血小板凝集能は,心理ストレスや年齢,性,人種,食事,ヘマトクリットレベルなどの影響を受けて日々変動します。
したがって,このあいまいな現象に基づいての臨床的診断は適切とは言えません。
米国胸部疾患学会(ACCP)や欧州心臓学会(ESC),国際血栓止血学会(ISTH)は,血小板凝集能検査の実施やその結果に基づく治療変更に反対する勧告を発表しています。
アスピリンの抗血小板作用はトロンボキサン(TX)A2生合成量に直接反映されるため,その安定代謝物であるTXB2 の血清濃度の測定がコンプライアンス不良や血小板シクロオキシゲナーゼ(COX)-1阻害の評価に役立つと,私は考えています。
アスピリン投与で十分な抗血小板効果が得られない理由の1つとして,一部の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)との薬力学的相互作用が指摘されています。
その臨床的な重要性はまだわかっていませんが,FDA(米食品医薬品局)はアスピリン服用患者に対し,この相互作用を回避するよう注意喚起することを求めています。
また,炎症反応や血小板産生ターンオーバーの亢進が関与する可能性も指摘されています。
「レジスタンス」ではなく「個人差」として理解すべき
後藤
定義も評価法も明確でなく,アスピリンレジスタンスの実態は捉えがたい。
それだけに,臨床家の大衆としての関心が高まるばかりです。私自身,最近「アスピリンレジスタンス」をテーマに講演すると,非常に多くの質問を受けます。
Patrono
私は,一種の「流行」と見ています。世界的に標準薬として汎用され,期待されている薬剤をめぐる目新しいトピックですから,学術誌でも取り上げられやすくなっているのが実情です。
後藤
Patrono先生自身は,アスピリンレジスタンスという現象を科学的にどう定義されますか。
Patrono
まず「レジスタンス」という言葉は使いたくない。
抗菌薬のレジスタンスとはまったく意味が異なり,誤解や混乱を招きかねないからです。
私は,アスピリンあるいは他の抗血小板薬に対する反応の「個人差(interindividual variability)」として理解すべきと考えます。
そうすれば,その個人差の決定要因を探る研究も本格化するのではないでしょうか。
後藤
大森先生は,アスピリンレジスタンスを「アスピリンによる血小板上のCOX-1活性阻害に対するレジスタンス」と定義して研究されていますね。
大森
われわれは,アスピリン内服患者50例において,多血小板血漿のコラーゲン惹起による血小板凝集が抑制され,そのTXB2濃度は非内服例に比べて有意に低いことを見出しました。
このTXB2濃度は血小板由来のCOX活性を純粋に反映すると考えられますので,アスピリンを内服しても血小板COXが阻害されない患者の頻度は,実際にはきわめて低いと推察しました。
Patrono
血小板COXの阻害が唯一,アスピリンの抗血小板作用の機序だとすれば,大森先生が着目されている血小板のTX産生を測定すべきでしょう。その検査結果は,コンプライアンスの確認にも活用できます。
後藤
アスピリンレジスタンスを評価する際,コンプライアンス不良の問題は非常に重要ですね。例えばアスピリン服用患者が消化管合併症を来した場合,その投与を中止することがあります。
Patrono
患者が自己判断で勝手に服薬をやめてしまった結果,心血管イベントが再発することもあります。臨床家は,血小板凝集能検査を行う前に日ごろからコンプライアンスの重要性を患者に説明すべきです。
(続)
Medical Tribune 2008.1.24
版権 メディカルトリビューン社
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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