戯れ言たれる侏儒
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ARBとACE阻害薬

戯れ言たれる侏儒 / 2008.01.31 00:10 / 推薦数 : 0

ARBとACE阻害薬の効果を約1万6,000例で検討
〔米メリーランド州ロックビル〕米連邦保健福祉省(HHS)の下部組織,米医療研究・品質管理局(AHRQ)の報告によると,一般的なクラスの降圧薬であるACE阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は高血圧管理に同等の有効性を持つ。
この報告は,AHRQの助成によりAHRQのデューク大学エビデンスに基づく実践センター(ノースカロライナ州ダーラム)が既報の61臨床試験の成績を解析した結論である。
また,無害の持続性空咳はARBよりもACE阻害薬でやや多いことも明らかになった。
詳細はデューク大学のDavid Matchar教授らがAnnals of Internal Medicine(2008; オンライン版)に発表した。

長期の便益と害に関する相違は不明
報告では,長期の便益と害に関するACE阻害薬とARBの相違, なかでも心筋梗塞・脳卒中・死亡リスク減少に関する両薬の相違については,さらなる検討が必要であるとしている。
 
AHRQのCarolyn M. Clancy所長は「非常に多くの米国人が高血圧に罹患しており,われわれは患者に降圧薬が持つ便益と害に関して最新の情報を提供する必要がある。
今回の報告は,ACE阻害薬とARBに関する現在の科学的なエビデンスをまとめたもので,今後必要な研究課題の設定に役立つだろう」と述べている。
 
高血圧(140/90mmHg以上)は症状がないのが典型的で,このため“サイレントキラー”と呼ばれており,原因は不明であることが多い。
 
米国では成人人口の約3分の 1 に当たる6,500万人が高血圧とされる。
高血圧を放置すると破滅的な臓器障害を引き起こす。
心臓は肥大して心不全を来し,大動脈や脳内動脈,下肢動脈,腹部大動脈には動脈瘤が形成される。
腎臓の血管を狭細化して腎不全を引き起こす。
眼の血管に高血圧性網膜症を引き起こし,失明に至ることもある。
また全身の動脈硬化が早まり,心筋梗塞や脳卒中につながる可能性もある。
 
ACE阻害薬とARBは,ともにレニン・アンジオテンシン系を標的とする降圧薬。
今回の解析には利尿薬やβ遮断薬など他の降圧薬は含まれていない。

合併症を有するケースでの相違も不明
ACE阻害薬とARBには同等の降圧効果があるとする結論は,合計症例数1万6,597例,追跡期間12週間~5年間の61臨床試験の結果に基づいている。
日常臨床に関する試験で空咳を訴えた患者はACE阻害薬群の約1.7%,ARB群の約0.6%であった。
ACE阻害薬群はARB群よりも試験脱落率がやや高かった。

61臨床試験のなかで死亡または脳卒中症例は結論が出せるほど十分な数ではなかったため,長期の便益と害に関して両薬の相違は明らかでなく,さらなる研究が必要である。

血清脂質への影響,糖尿病の進行の管理または遅延化,腎疾患の抑制,心機能への影響に関して,両薬の間に一貫した明らかな相違は見られなかった。

糖尿病,うっ血性心不全,慢性腎疾患,脂質/コレステロール代謝異常などの疾患を併せ持つ高血圧患者に対する両薬の利点と問題点を比較するには,さらなる検討が必要である。
今後の研究では高齢患者や民族・人種的にマイノリティーの患者をより多く含めるべきと思われる。

今回の報告『Comparative Effectiveness of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors(ACEIs)and Angio-tensin II Receptor Antagonists(ARBs)for Treating Essential Hypertension(本態性高血圧治療におけるACE阻害薬とARBの有効性の比較)』はAHRQの医療効果検討プログラムの最新の解析結果である。
プログラムは重要疾患の治療法を比較検討し,その結果を公表するという政府が継続して行っている取り組みである。
患者,医師,看護師などが最も有効な治療薬を選択するうえで参考になる。
 
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4104182&year=2008
Medical Tribune 2008.1.24
版権 メディカル・トリビューン社

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