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昨日に続き、2007年9月11日の第55回日本心臓病学会学術集会ファイアーサイドシンポジウム(東京ベイホテル東急)
「冠動脈プラークを斬る 診る・識る・治す」
の記事で勉強しました。
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プラークの退縮と安定化を目指した薬剤介入
順大 循環器内科 代田浩之教授
プラーク評価をサロゲートエンドポイントとした介入試験が示すプラーク退縮とLDL-C値の相関
プラークの量的、質的評価はしばしば脂質介入試験のサロゲートエンドポイントとして使われてきた。
定量的冠動脈造影法によるBrownらのFATS(1990年)を皮切りに、数多くの試験がプラークの変化を評価項目として施行され、その結果は1994年の4Sに始まる真のエンドポイント試験の理論的根拠となった。
特に血管内超音波(IVUS)において自動プルバックによるプラークの体積計算法が開発されると、IVUSによるプラーク評価をサロゲートエンドポイントとする介入試験が盛んに行われるようになり、その中には、NissenによるREVERSAL(2004年)、ASTEROID(2006年)といった、インパクトの強い一連の試験も含まれていた。
REVERSALでは、ストロングスタチンを投与することでLDL-Cが80mg/dL未満まで達した群で、プラーク容積の進展阻止が認められている。
また、LDL-Cの低下とプラーク容積の変化は正の相関を示すことも証明されている。
さらに、CRP値の変化とプラーク容積の変化も相関を示すことが認められ、ストロングスタチンによる介入が、LDL-C低下だけでなく抗炎症作用を介してプラークの安定化に関与していることが示唆された。
また、国内でストロングスタチンの介入によるプラーク退縮が
初めて認められた試験としては、我々が行ったESTABLISHがある。
これは急性冠症候群(ACS)患者を対象にした試験で、ストロングスタチンの投与でLDL-Cは41.7%の低下、プラーク容積は13.1%の退縮が観察された。
そして、さらなる解析の結果、LDL-Cを70mg/dL未満、もしくは50%低下させることでプラーク進展阻止が可能であることが示された。
2006年に結果が出たASTEROIDでも、プラーク退縮が報告されている。
これはストロングスタチンによる非常に強力なコレステロール低下療法で、LDL-Cを62mg/dL未満にすることで 0.6%のプラーク退縮を認めたというものである。
一方、IVUSで観察されたプラークの進展阻止および退縮の臨床的意義としては、Boseらが少数例の検討ではあるが、プラークの進展が少ないか退縮している症例では心血管イベントがほとんど起きないことを報告している。
一方、PROVE-ITなどの大規模試験は積極的LDL-C低下療法の意義を真のエンドポイントで示した。
このように、積極的LDL-C低下とプラークの進展阻止・退縮の相関が証明され、さらにはイベント発症抑制という臨床的意義も蓄積されるようになってきたことを受けて、脂質介入の治療指針にも変化が現れている。
NCEP(米国コレステロール教育プログラム)のガイドライン
Adult Treatment Panel第3版では、これまでハイリスク群のLDL-Cの目標値を100mg/dLとしていたところに、「optional goalに70mg/dL未満」という記載が加えられている。
IVUSによるプラーク評価:新たなる方向性
近年のIVUS技術の進歩はプラークの質的評価も可能にしている。
すでに報告されている試験としては、プラークの輝度を指標にした2001年のGAIN、国内からは小宮山らのIB-IVUSによるカラーコードマップを用いたCPLASS、川崎らの3D-IB-IVUSを使ったプラーク評価のデータなどが発表されており、こうした質的変化は今後の介入試験の重要なサロゲートマーカーになると考えられる。
スタチン以外の介入試験にも、プラークの変化はサロゲートマーカーとして使われている。
たとえば、HDL-C上昇を目的としたCETP阻害薬の介入試験やリコンビナントApoA-1を使ったERASEは、いずれの結果もネガティブではあったが、サロゲートエンドポイントを用いた試験ならではの迅速な結果を得ることができた。
これら新薬の検討結果は芳しくなかったものの、HDL-Cの意義は大きく、我々もLDL-Cに対するHDL-C比が大きいほどプラーク退縮効果が大きいことを以前報告している。
また、NissenらもLDL-Cの低下とHDL-C上昇を達成した群で退縮がみられることを示しており(図1)、HDL‐Cがプラークの進展・退縮に重要な因子であることは間違いないと思われる。

ピタバスタチンは優れたLDL-C低下作用に加え、HDL-Cに対する効果も報告されており、その意味でも、プラーク容積の変化をエンドポイントとしたJAPAN‐ACSの結果が待たれる(図2)。
出典 メディカル・ビューポイント 2008.1.10
版権 医事出版社
JAPAN-ACS
http://www.japan-acs.or.jp/
JAPAN-ACS ピタバスタチンおよびアトルバスタチンの急性冠症候群患者に対するプラーク退縮効果に関する多施設共同臨床試験
http://www.jhf.or.jp/josei/studies/number/162.html
(先日、上記スタチンに関係するMRが訪問しました。結果はもう出ているようですが今年3月の日循総会まで発表はお預けとのことでした。)
<参考>
surrogate
【名】代わりのもの、代理、代理人
サロゲート・マザー Surrogate Mother(1996)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD28074/
代理母のことをSurrogate Motherというようです。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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