| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
| 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
| 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
| 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
きょうは目先を変えて「血管石灰化」をとりあげてみました。
昨年の暮れにある循環器の講演会で東大の先生が、ついでにという形で、「今こんなこともやってます。 結構ホットな研究です。」てなことをおっしゃっていました。
その時は何故今ホットなのかがよく分かりませんでした。
個人的なことで恐縮ですが、心筋梗塞後心室瘤壁に著明な石灰化が見られ地方会で発表したことがありました。
その石灰化のメカニズムと今回の話は関係ないのかも知れませんが。
血管石灰化の分子機構とその制御
東大・加齢医学 大内尉義先生
「人は血管とともに老いる」
これはウィリアム・オスラーの有名な言葉です。
血管の老化とともに人間は老化します。
血管の加齢変化には「石灰化コラーゲン沈着」「エラスチン脱落および変性」があり、すべてが動脈硬化につながります。高齢者は、石灰化による血管の伸展性低下、大動脈のふいご機能低下から収縮期高血圧になります。
胸部大動脈の石灰化が強いと心血管イベントの発症率が上昇します。
血管の石灰化は心血管イベントのセンサーだといえます。
1984年に藤田拓男先生は紀伊半島の山間部と臨海地区で住民の骨量と大動脈石灰化を比較する研究を行いました。山間部の住民は全年齢層で男女とも骨量が低く、大動脈石灰化の頻度が高く、特に女性でそうした傾向が顕著だと報告しました。
2004年にSchulzは、大動脈石灰化の増加と骨密度(BMD)の減少の相関を示しました。
閉経後の女性は、骨量が少ないほど生存率が低く、心血管死が増加するという報告や、全身と腰椎のBMDともに大動脈石灰化がある患者では生存率が低いとの報告もあります。
心血管系の軟部組織の石灰化は骨量の低下と密接に関連します。
このため加齢に伴いカルシウムが骨から軟部組織に分布を変えるという「カルシウム移動説」が唱えられるようになりました。
血管石灰化の病態解明
血管石灰化の機序に関心が持たれなかったのは、血管石灰化が動脈硬化の終末像として「受動的」に形成されることも理由の1つでしょう。
しかし、循環器疾患や骨代謝を考えるうえで軟部組織の石灰化は重要です。
最近、血管壁細胞がさまざまな因子によって石灰化促進方向へ作動し、石灰化部位に骨代謝基質タンパクや骨代謝調節因子が存在することが明らかになり、石灰化は単なるカルシウム沈着ではなく骨組織の骨化と極めて類似の機構による病態だと考えられています。
私たちは培養血管平滑筋細胞をリンで刺激するモデルを使い、in Vitroで分子機序を解明する研究を行いました。
血清リン濃度に応じて心疾患、冠動脈疾患死などが起こり、カルシウム沈着はリンの用量や時間に依存して亢進します。大動脈の平滑筋細胞を未分化血管平滑筋細胞のマーカーのSMembと分化のマーカーのCaldesmonでみると、リン刺激でSMembが増加してCaldesmonが減少し、平滑筋細胞が分化から未分化の状態に移行することがわかります。
血管平滑筋細胞の石灰化について私たちは次の2点について検討しました。
1点はsodium dependent phosphate cotransporter(NPC)です。
NPCはリン濃度依存的に活性化しますが、特異的な阻害物質phosphonoformic acid (PFA)の投与により阻害されす。
PFAはカルシウム沈着を用量依存的に抑制します。
もう1点は、アポトーシス抗体と血管石灰化との関係です。
リン濃度依存的または時間依存的に血管平滑筋細胞のアポトーシスが増加しました。
経路の詳細は今後調査が必要なものの、アポトーシスの直接的な実行部隊caspaseのうち、リンの添加でcaspase3が活性化されますが、ZVADの添加により石灰化は抑制されます。
Growth arrest-specific genes6(Gas6)はビタミンK依存性のGla-containing proteinで、Axlと結合し、Pl3KがAkt系を活性化して、Anti-apototic signalとして働きます。
リン濃度を上げるとGas6は時間依存性に活性を抑制します。
その条件でrecombinantのGas6(mGas6)を加えると、リンにより亢進したアポトーシスはrhGas6で抑制され石灰化も同時に抑制されます。
リンで活性化したcaspase3はGas6により再度非活'性化しました。
スタチンとビスホスホネート
血管石灰化を制御しうる薬剤として、スタチンとビスホスホネートについて説明します。
2002年の「Lancet」にスタチンが大動脈弁のカルシウ
ム沈着を低下させ石灰化の進行を抑制したと報告されましたが、これはレトロスペクティブな試験であり、さらなる議論が必要です。
スタチン系の薬剤ではatrovastatin、fluvastatin、pravastatinが用量依存的に石灰化を抑制することがわかりました。
血管石灰化の2つの経路に関して、NPCの活性はスタチンの影響を受けず、リンで冗進したアポトーシスと石灰化は、スタチン用量依存的に抑制されました。
スタチンは主にGas6-Axlのsurvival pathwayのリンの作用を阻害することにより血管石灰化を抑制します。
ビスホスホネートのEHDR 、pamidronate、risedronate、alendronateはいずれも用量依存的に血管の石灰化を抑制します。
特にrisedronateが有効でした。
ビスホスホネートはいずれの経路にも作用し石灰化を抑制します。
adenineで'慢性腎不全を発生させたラットでは大動脈中膜の石灰化も発生します。
pravastatinで血管壁のカルシウム沈着が抑制されました。
この作用機序は現在検討中ですが、アポトーシスの所見は明確です。
加齢と血管石灰化は骨粗鬆症と密接に関連します。
リン刺激は血管平滑筋の石灰化を惹起し、NPC活性およびGas6/Axl系の抑制によるアポトーシスが関与しています。
NPC、Gas6/Axl系は心血管系の石灰化を抑制する分子標的と言えます。
私たちが検討したところでがスタチン、ビスホスホネート 男性・女性ホルモン、ARBは、リン刺激による石灰化を低下させました。
血管石灰化の発症機序の研究から石灰化を制御するための分子標的が明らかになり、血管をいつまでも若くしなやかに保つことができると考えます。
骨粗鬆症化と血管石灰化には密接な関連があり、骨粗鬆症の予防、治療が血管の老化の防止にもつながると考えられます。
(東京で11月に開催された第9回日本骨粗髭症学会
骨ドック・健診分科会より)
MMJ January 2008 Vol.4 No.1
版権 毎日新聞社
<コメント>
講演会での話のようで、分かりやすい内容かと思いましたが、正直難しくてよく理解できませんでした。
中島千波 シルク『小石川後楽園の枝垂桜』
http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v40932885
企業提供・血管石灰化とその制御
第25回 日本骨代謝学会学術集会 ランチョンセミナー
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/hotnews/co/200709/504076.html
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/data/ds-pharma/bis070830.pdf
血管石灰化は糖尿病や慢性腎不全の症例において、虚血性心疾患や脳血管障害などを誘発する因子として注目され、発症機序の解明や治療法の開発に期待が寄せられている。
岡田氏は、骨粗鬆症治療薬として広く使用されている第一世代ビスフォスフォネートであるエチドロネート(EHDP)の異所性石灰化に対する効果に着目し、血管平滑筋細胞の石灰化誘導の機序と、それに対するEHDPの抑制効果を検討した。その結果、血管石灰化に最終糖化反応生成物(AGE)が関与し、用量依存性に石灰化を起こすことを明らかにした。また、大動脈に石灰化を認め、骨量の減少を伴う慢性期血液透析患者を対象にした検討では、EHDP非投与群では経時的に腹部大動脈の石灰化面積が増加したのに対して、EHDP投与群では石灰化面積の増加が有意に抑制された。
稲葉氏は、血管石灰化は従来考えられてきた「細胞が壊死した状態でカルシウムが沈着するという受動的な過程」ではなく、「骨が形成される能動的な過程」とし、健常状態では抑制されていた血管平滑筋細胞の形質転換が、高リン血症では骨芽細胞様の石灰化過程をとることを示した。さらに、大動脈のアテローム硬化型の石灰化は、非糖尿病、糖尿病の患者の双方において全死亡率、心血管死亡率の有意な独立した危険因子であり、この血管石灰化の制御は透析患者のQOLの向上と死亡率の低下に有用であると述べた。
循環器疾患の予後を左右する血管石灰化の薬物治療に向けて
http://www1.cjr.hirosaki-u.ac.jp/seeds/18/p6.pdf
血管の石灰化に及ぼす血圧の影響
http://f52.aaa.livedoor.jp/~ymiwa/clinical%20research.htm
血管の石灰化というのは、動脈硬化のなれの果てと考えられていましたが、最近では血管局所で炎症が起こっている証拠と考えられるようになってきました。実際に、大動脈や冠動脈に石灰化を認める例では心血管合併症の発症頻度が高いという結果が追跡調査によって報告されています。我々は、大動脈の石灰化を腹部 CT画像にて評価をし、長期間にわたり追跡した結果、血圧のなかでも特に脈圧の高いひとが、石灰化が進みやすいということを明らかにしました。
血管の石灰化に関する研究
http://www2.kpu-m.ac.jp/~med2/group/cardio/kenkyu-02.html
血管の石灰化はしばしば遭遇する病態である上に心血管病の重大な危険因子であるにも関わらず、有効な予防および治療法は未だに開発されていません。その大きな理由のひとつは血管の石灰化は長年、血中の余剰なカルシウムやリンが単純に沈着することにより形成されると考えられてきたことです。しかし、最近になって石灰化をおこした血管局所において今まで骨に特異的と考えられていた因子が数多く発現していることが分かってきました。これは血管局所において骨の石灰化と同じような機序により積極的な石灰沈着が引き起こされていることを示唆しています。実際に、石灰化抑制因子であり血管平滑筋細胞にもたくさん発現しているMGPという遺伝子を破壊したマウスでは血中のカルシウムやリンの濃度は正常であるにも関わらず生後4週程で著しい血管の石灰化が認められ、生後8-10週までに血管の破裂により死亡することが最近報告されました。私達は血管の石灰化の分子機構をより詳細に解明し、その治療・予防法を開発することを目的とした研究をおこなっています。現在までに冠動脈プラークなどに見られる血管内膜の石灰化の形成に血管中膜から遊走した脱分化血管平滑筋細胞が重要な働きをしていることや老化により血管平滑筋細胞の形質転換が誘導され、老化に伴う血管石灰化に大きく影響することなどを明らかにしてきました。現在は、より詳しい血管石灰化の解析にために血管石灰化のモデルとなるような遺伝子改変マウスを作成したり、様々な薬の血管石灰化に対する効果を検討したりしています。血管の石灰化が予防および治療可能になる日もそう遠くないかも知れません。
血管の石灰化とカルシウム代謝
https://www.iyaku-j.com/MDJOURNA/clin/doc/2002-08/007tokusyuu1.htm
動脈硬化及び血管石灰化におけるアポ蛋白(a)の役割
http://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/Vol3No2/TJB200402200000810.pdf
<診察椅子>
中年男性のAさんが風邪症状で当院に昨日受診されました。
顔をみると眼瞼黄色腫があります。
しかも両目にです。
本人の風邪の訴えが頭に入りません。
一通り診察を終えてたまらず切り出してみました。
私「健診でコレステロールが高いっていわれたことはありませんか?」
Aさん「コレステロールはいつも正常です。」
私「ダヴィンチの書いたモナリザっていう絵、ご存知ですよね。あの絵の・・・・・」
Aさん「あっと、目のことですね。このことは時々言われるんですが、これはモナリザとは違いますよ。お祭りで使った火縄銃で両目の目頭にやけどしたんです。」
私「・・・・・・・」
しっかり勉強させていただきました。
それにしてもどうしたあんなにうまい具合、にピッタシのところにやけどするんでしょうね。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)