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J Am Coll Cardiol. に掲載された、「不安定狭心症例のプラーク部位の好中球のテロメラーゼ活性」に関する論文で勉強しました。
不安定プラーク由来の好中球ではテロメラーゼ活性が亢進
不安定狭心症例の多形核好中球(PMN:polymorphonuclear neutrophil)は安定狭心症例に比べ、テロメラーゼ活性が上昇していることが初めて明らかになった。
プラーク部位白血球多核好中球のテロメラーゼ活性を測定
本研究の対象は経皮的冠血行再建術(PCI)を施行された狭心症26例(不安定狭心症20例、安定狭心症6例)。カテーテル挿入時に採取した末梢血PMN、ならびにPCI施行時に採取した冠動脈プラーク部位PMNを用い、テロメラーゼ活性を測定した。
おもな結果は以下の通り。
・不安定狭心症例のプラーク部位PMN活性は、安定狭心症例の活性よりも有意に高値となっていた。(122.7 vs 47.7、p=0.001)
・不安定狭心症例では、プラーク部位PMN活性は末梢血PMN活性に比べても有意に高値となっていた。(p=0.004)
・多変量解析の結果、不安定狭心症例におけるプラーク部位PMN活性は、狭心症発作からPMN採取までの時間と有意(p<0.001、R2=0.75)な逆相関を示した。
[監修者のコメント]
本研究では、不安定狭心症において、好中球にテロメア長を規定するテロメラーゼ活性が亢進していることをはじめて明らかにした。 本成績は、このテロメラーゼ活性の亢進が、アポトーシス遅延を引き起こし、全身的な好中球活性化を遅延させ、プラークの不安定化を増強する可能性を示唆している。好中球はプラークの不安定化に関わるといわれており、これまでの報告で不安定狭心症において、全身的な好中球の活性化が生じており、好中球のアポトーシスが遅延していることが報告されていた。
テロメアは真核生物の染色体末端を構成する特殊な構造体で、TTAGGGを基本単位配列とする二本鎖DNAの繰り返し構造を含む。テロメアは、染色体構造の維持や遺伝子組み換えなどに重要な役割を果たしており、DNA繰り返し構造の長さが細胞の老化とともに短くなり、細胞が癌化すると再び長くなり、老化や癌化のメカニズムとも関係する。テロメラーゼ活性が低下すると、テロメア長が短縮され、ある一定以上短くなると、その細胞にアポトーシスが引き起こされる。逆に、テロメラーゼ活性の亢進により、アポトーシスが起こりにくくなる。このテロメラーゼの活性は、ヒトでは生殖系列の細胞や血球系細胞、上皮系幹細胞以外、正常体細胞では活性はほとんど検出されないが、不死化した細胞株あるいは癌細胞でテロメラーゼの活性が増大している頻度が高いことが報告されている。
今後、不安定化プラークの早期安定化を目的とした、テロメラーゼ活性を治療ターゲットとする創薬の開発が期待される。
([監修] 自治医科大学 循環器科 教授 苅尾七臣)
http://www.carenet.com/news/cardiology/newsnow/det.php?nws_c=1931
(ログインが必要です)
荻太郎 銅版画『バレリーナ(休む)』
http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s80364709?u=;artfolio11
文献
High telomerase activity in neutrophils from unstable coronary plaques.
Narducci ML et al.
J Am Coll Cardiol. 2007; 50: 2369-2374.
テロメア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%82%A2
他に 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/ があります。
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