| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 | 31 |
< コレステロール吸収阻害の臨床的意義 | メイン | 不安定プラークと テロメラーゼ活性 >
昨日の
「コレステロール吸収阻害の臨床的意義」
http://blog.m3.com/reed/20080115
の続きでエゼチミブをめぐる座談会で勉強しました。

元二科会会員/福田輝 山の町(イタリア) F6号
http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s78788767?u=;garouooo
糖尿病患者におけるコレステロール管理の重要性
室原
討論を始めるに当たり、まず平光先生から糖尿病患者におけるコレステロール管理の重要性についてお話しいただきます。
平光 日本人は欧米人に比べて心筋梗塞の発症リスクは低いとされてきましたが、わが国の久山町研究でも、脳梗塞を合わせた脳・心血管イベント全体で評価すると、そのリスクは欧米人と同等であることが明らかにされいます。
また、日本の疫学調査JDCS(Japan Diabetes Complication Study)においても、糖尿病患者の心イベント発生率は脳イベント発生率とほぼ同等であることから、日本人の糖尿病患者ではコレステロール管理に十分に留意する必要があると考えられます。
室原
糖尿病患者では、心イベントと脳イベントの発症率が同程度というデータには驚きました。
その理由の一部がコレステロール吸収の亢進にあるのであれば、糖尿病患者におけるコレステロール吸収阻害は非常に重要になりますね。
平光
その通りです。
MEGA Studyなどわが国における臨床試験で日本人においてもコレステロール低下療法の有用性は証明されましたが、糖尿病,患者では特に厳格なコレステロール管理が必要だと考えられます。
杉山
高コレステロール血症を合併した糖尿病患者では、血糖とLDL-C値の両者を管理することは容易ではありませんが、薬物治療でLDL-C値が管理できるのであれば積極的に介入すべきだと思います。
しかし実際には多くの医師は薬剤による副作用を懸念して、積極的な介入を躊躇しているのではないでしょうか。
吉田
循環器領域でも糖尿病患者は最もリスクの高い患者集団として認識されています。
杉山
糖尿病患者ではコレステロール吸収が亢進しているということですが、人種差はあるのでしょうか。
吉田
日本人の食習慣は歴史的に低コレステロール食であったことから、少ないコレステロールを効率的に吸収する機構が腸管でできあがっていた可能性があります。
それが食習慣の欧米化に伴う血清コレステロール値の上昇を加速させているのかもしれません。
平光 ハワイの日系移民は食習慣の欧米化によって、脳・心血管イベントの発症リスクが上昇しましたから、日本人が食習慣の影響を受けやすいのは確かでしょう。
杉山
日本人の血清コレステロール値は食事の影響を受けやすいのだとしたら、小腸からのコレステロール吸収を阻害するエゼチミブは、日本人の高コレステロール血症患者にとって理にかなった治療薬と考えることができますね。
平光
将来的には、血清コレステロール値だけでなく、コレステロ-ル吸収・合成の指標を測定して、吸収を阻害したほうが良いのか、合成を阻害したほうが良いのかを判定した上で治療薬を選択するテーラーメイドな治療が望まれます。
コレステロール管理の重要性を認知させるための啓発活動が必要
杉山
冠動脈疾患患者ではLDL-Cの厳格な管理が必要ですが、実際にはガイドラインの管理目標値への到達率は低いことが報告されています。
平光
わが国の実地臨床における脂質異常症治療の現状を調査したJ-LAPでは、脳・心血管イベントのハイリスク群ほど管理目標値への到達率は低いことが明らかになりました。
到達率を改善するためには治療法を工夫することも重要ですが、医師自身がどこまで下げるべきかを再認識する意識改革が必要です。
それによって患者に対する説明方法や説得度が異なってくると思います。
室原
J-LAPの結果を見ても、ガイドラインを啓発する必要性を痛感しますね。
杉山
食物中のコレステロール含有量などについて、社会全体で啓発することも重要だと思います。
高血圧が脳卒中の危険因子であることは一般にも広く認知されていますが、高コレステロール血症が心筋梗塞の危険因子であることはまだ十分に知られていません。
コレステロール・心筋梗塞・心臓死という連鎖を十分に啓蒙する必要がありますね。
わが国の臨床において推奨されるエゼチミプの使用方法
室原
エゼチミブの登場により、コレステロール管理における他剤との併用療法という新しいアプローチが可能になると思います。
吉田
糖尿病ではコレステロールだけでなくTGの管理も重要ですが、スタチンとエゼチミブの併用で、LDL-C値とともにTGの管理も可能であれば、なお良いのではないでしょうか。
杉山
食品中にはいわゆる酸化修飾を受けたコレステロールなども含まれていますので、エゼチミブがこれらの吸収も阻害することから、生体内のコレステロールの質が変わってくる可能性も考えられます。
吉田
コレステロールの質的な改善が期待できるのであれば、低リスクの患者への単独療法も推奨できますね。
杉山
特にプライマリケアにおいては、エゼチミブは薬物療法の第一選択薬としても非常に有用だと思います。
吉田
高血圧の薬物療法では、合併症や血圧値に応じて、作用機序の異なる降圧薬を併用するのが一般的になっています。
エゼチミブの登場によって高コレステロール血症の薬物療法においても、いくつかの選択が可能となり治療のパラダイムシフトが起こり薬物治療の新時代が来ると思われます
室原
エゼチミブは低リスクからハイリスクの患者まで、脳・心血管イベントのリスクにかかわらず幅広く使用できる薬剤です。
単独あるいはスタチンと併用することで、高コレステロール血症の治療の選択肢を広げることができる薬剤として,臨床での積極的な使用が期待されます。
Medical Tribune 2008.1.3
版権 メディカル トリビューン社
J-DCS
http://www.jhf.or.jp/mediaWS/5th/index3.htm
<日本でも糖尿病患者の冠動脈疾患発症率は脳卒中を上回る>
JDCSでみると、糖尿病患者における冠動脈疾患と脳卒中の発症率は、非糖尿病患者に比べて、およそ4~5倍高いことがわかっている。さらに、脳卒中が多いという日本人の一般的傾向とは違い、糖尿病患者においては、冠動脈疾患が脳卒中を上回るという欧米型の傾向が強まっている。
<コメント>かなり勉強になる内容でした。
J-LAP
http://www.lipid.ne.jp/lipidnet/rinsyo/j-lap/j-lap-top.html
エゼチミブ(ゼチーア)
http://blog.m3.com/reed/20070927/1
新薬ゼチーア登場
http://wellfrog.exblog.jp/6630816/
井蛙診療録/日曜版 2007.8.5
http://wellfrog.exblog.jp/6638604/
他に 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/ があります。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
コメント
コメントはまだありません。コメントを書く