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左主冠動脈疾患で心疾患発症リスクを予測
〔仏ソフィア・アンティポリス〕
リューベック大学(独リューベック)心臓病学のHeribert Schunkert教授らは、 左主冠動脈疾患には家系内で遺伝するものが見られ、同疾患を有する患者の最初は健康な同胞では,左主冠動脈に関連しない心疾患を有する患者の同胞に比べて、なんらかの心疾患を発症する可能性が2.5倍高いと報告。
家族に左主冠動脈疾患を有する患者がいる場合は、より厳格なスクリーニングや予防戦略を立てられる可能性があり、この知見は臨床上重要な意味を持つとEuropian Heart Journal(2007;2432-2437)に発表した。
同教授らは、既に心疾患に罹患している2人以上の同胞のいる家族は、1人が左主冠動脈疾患患者であれば、残りの心疾患患者である同胞が左主冠動脈疾患関連疾患を再発する率は3倍以上であるという知見も得ている。
冠動脈の形態学的解析が役立つ可能性
心筋梗塞(MI)や冠動脈疾患(CAD)が家系で遺伝することは、これまでの研究で既に証明されている。
しかし、形態学的な観点から疾患の特徴の役割を検討したものはほとんどない。
筆頭研究者のSchunkert教授は、CADの根幹にある冠動脈病変のパターンに焦点を当て、特に左主冠動脈疾患に関して、遺伝的影響による表現型変異の49%が遺伝することを報告した。
この遺伝性は、CADまたはMI一般ではさらに高い。
同教授とレーゲンスブルク大学(独レーゲンスブルク)のMarcus Fischer博士は、CADを有する2人以上の同胞がいるCAD患者1,801例の冠動脈造影像を解析した。
そのうちの12%で左主冠動脈疾患(左主冠動脈狭窄が50%以上と定義)が認められた。
この結果は、高リスクCAD家族における家族集積率を反映する、とSchunkert教授は解説する。
これらのデータは、左主冠動脈疾患が家族に集積するだけでなく、冠動脈枝の同部位での疾患が遺伝により惹起されることも示唆している。
他の同胞が左主冠動脈疾患に罹患している場合に同胞が同疾患を有する尤度は3.6であった。
同教授は、冠動脈の形態学に関する知識は疾患の予測に役立つ可能'性があり、心疾患の複雑な病因に関する感受性因子の発見の一助となるであろうと期待している。
左主冠動脈疾患で高い遺伝性
また、Schunkert教授は並行して行った前向き研究において、CAD患者の健康な同胞1,361例を約5年間追跡した。追跡期間中に79例でMIを発症し、心臓外科手術を受けた。
左主冠動脈疾患は、最初は健康であった同胞がその後、心疾患を発症した家族でより発症率が高く(13.9%対6.4%)、その他の心疾患を発症した患者の家族に比べて、左主冠動脈疾患者のいる家族の同胞における心疾患の発症リスクは2.5倍高かった。
同教授によると、これらの同胞における心疾患発症リスクは、左主冠動脈疾患以外のCAD症状に加えて早期のMIを含む心疾患の家族歴が強く陽性である同胞に比べて、有意に高いという。
左主冠動脈疾患の遺伝性の高さは、スクリーニング戦略において臨床的に重要な意味合いを持っている。
過去10年間でCADの死亡率は減少しているにもかかわらず、予期しない心臓死またはMI後の生存に対しては死亡率の減少に見合う変化はあまり見られなかった。
こうしたイベントの多くは突然、院外で起こるという。
心臓突然死の半数以上はイベント発生前は無症候性
臨床的に症候性のCADは明らかにMIリスクを増加させるが、心臓突然死の半数以上はイベント発生前には無症候性であった。
無症候性の患者の心臓突然死は少ないが、ドイツ全体では心血管疾患の負担はかなり大きく、患者個々の生涯リスクも大きい。
徹底的な検査のコストとリスクを正当化できる関連した冠動脈アテローム硬化を検出する見込みがある集団を定義付けることは、心疾患スクリーニングにおける大きな挑戦である。
Schunkert教授は、洗練されたスクリーニングテストには、左主冠動脈内または近位の病変を同定できる非侵襲的な冠動脈造影が含まれる可能性があるとし、「強化したスクリーニングと予防戦略により、左主冠動脈疾患を発症した家族における無症候性の同胞の識別に便益がもたらされるかもしれない。さらなる研究により、左主冠動脈疾患患者の親戚関係にある人々における無症候性患者の発症率の上昇もまた検出可能か否かについての答が得られ、リスクが高い集団における一次予防に活用できるであろう」と述べている。
出典 Merdical Tribune 2008.1.3
版権 (株)メディカル トリビューン社
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<コメント>
文中の左主冠動脈は左主幹部(LMT)のことです。
何となく言葉が馴染めなくて違和感があります。
「左主冠動脈疾患には家系内で遺伝するものが見られ、同疾患を有する患者の最初は健康な同胞では,左主冠動脈に関連しない心疾患を有する患者の同胞に比べて、なんらかの心疾患を発症する可能性が2.5倍高い」
ちょっと意味がつかみづらいづらいのですが、同胞にLMT病変を持つ人がいればCAD発症率が2.5倍高くなるという意味のようです。
冠動脈の分類について ー左冠動脈ー
http://tomochans.exblog.jp/2974153
他に 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/ があります。
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