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ARBとACE阻害薬の効果を約1万6,000例で検討
〔米メリーランド州ロックビル〕米連邦保健福祉省(HHS)の下部組織,米医療研究・品質管理局(AHRQ)の報告によると,一般的なクラスの降圧薬であるACE阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)は高血圧管理に同等の有効性を持つ。
この報告は,AHRQの助成によりAHRQのデューク大学エビデンスに基づく実践センター(ノースカロライナ州ダーラム)が既報の61臨床試験の成績を解析した結論である。
また,無害の持続性空咳はARBよりもACE阻害薬でやや多いことも明らかになった。
詳細はデューク大学のDavid Matchar教授らがAnnals of Internal Medicine(2008; オンライン版)に発表した。
長期の便益と害に関する相違は不明
報告では,長期の便益と害に関するACE阻害薬とARBの相違, なかでも心筋梗塞・脳卒中・死亡リスク減少に関する両薬の相違については,さらなる検討が必要であるとしている。
AHRQのCarolyn M. Clancy所長は「非常に多くの米国人が高血圧に罹患しており,われわれは患者に降圧薬が持つ便益と害に関して最新の情報を提供する必要がある。
今回の報告は,ACE阻害薬とARBに関する現在の科学的なエビデンスをまとめたもので,今後必要な研究課題の設定に役立つだろう」と述べている。
高血圧(140/90mmHg以上)は症状がないのが典型的で,このため“サイレントキラー”と呼ばれており,原因は不明であることが多い。
米国では成人人口の約3分の 1 に当たる6,500万人が高血圧とされる。
高血圧を放置すると破滅的な臓器障害を引き起こす。
心臓は肥大して心不全を来し,大動脈や脳内動脈,下肢動脈,腹部大動脈には動脈瘤が形成される。
腎臓の血管を狭細化して腎不全を引き起こす。
眼の血管に高血圧性網膜症を引き起こし,失明に至ることもある。
また全身の動脈硬化が早まり,心筋梗塞や脳卒中につながる可能性もある。
ACE阻害薬とARBは,ともにレニン・アンジオテンシン系を標的とする降圧薬。
今回の解析には利尿薬やβ遮断薬など他の降圧薬は含まれていない。
合併症を有するケースでの相違も不明
ACE阻害薬とARBには同等の降圧効果があるとする結論は,合計症例数1万6,597例,追跡期間12週間~5年間の61臨床試験の結果に基づいている。
日常臨床に関する試験で空咳を訴えた患者はACE阻害薬群の約1.7%,ARB群の約0.6%であった。
ACE阻害薬群はARB群よりも試験脱落率がやや高かった。
61臨床試験のなかで死亡または脳卒中症例は結論が出せるほど十分な数ではなかったため,長期の便益と害に関して両薬の相違は明らかでなく,さらなる研究が必要である。
血清脂質への影響,糖尿病の進行の管理または遅延化,腎疾患の抑制,心機能への影響に関して,両薬の間に一貫した明らかな相違は見られなかった。
糖尿病,うっ血性心不全,慢性腎疾患,脂質/コレステロール代謝異常などの疾患を併せ持つ高血圧患者に対する両薬の利点と問題点を比較するには,さらなる検討が必要である。
今後の研究では高齢患者や民族・人種的にマイノリティーの患者をより多く含めるべきと思われる。
今回の報告『Comparative Effectiveness of Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors(ACEIs)and Angio-tensin II Receptor Antagonists(ARBs)for Treating Essential Hypertension(本態性高血圧治療におけるACE阻害薬とARBの有効性の比較)』はAHRQの医療効果検討プログラムの最新の解析結果である。
プログラムは重要疾患の治療法を比較検討し,その結果を公表するという政府が継続して行っている取り組みである。
患者,医師,看護師などが最も有効な治療薬を選択するうえで参考になる。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view?perpage=1&order=1&page=0&id=M4104182&year=2008
Medical Tribune 2008.1.24
版権 メディカル・トリビューン社
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きょうは思いっきり趣向を変えて実務的な話をとりあげてみました。
循環器を専攻される先生方がまず必ずといっていいほど遭遇するペースメーカーの話題です。
新着の日本医事新報の「質疑応答 」で勉強しました。
患者死亡時のペースメーカー除去の要否についての質問に対する
川崎市・麻生病院内科部長 中沢 潔先生
の回答です。
心臓ペースメーカーは高温にさらされると破裂するので、患者が死亡した場合には火葬の前に取り出しておくほうがよいが、法的な問題や社会的な問題もある。
ここでは、心臓ペースメーカーを用いている患者の火葬の際の対処について概説する。
(1)心臓ペースメーカーの破裂
火葬の際の問題は心臓ペースメーカーの破裂である。
火葬時の釜の温度は約15~20分で400~600℃になり、内部温度は1400℃に達する。
ほとんどの心臓ペースメーカーはリチウム電池を使用しており、通常は密閉されている。
リチウム電池の融点は179℃、沸点は1317℃であるので、
火葬の際は15~20分で電池が破裂することになる。
また、心臓ペースメーカー本体の融点は1700~1800℃で、内部圧の上昇により破裂する。
つまり、リチウム電池と本体の二段階の破裂が起こるというわけである。
(2)火葬の際の対処方法
対処方法については日本ペーシング学会社会問題小委員会の提言(1988年)(文献1)がある。
摘出することを強制するのは、法的問題(刑法190条)、社会的問題(辺地自宅での対応)があり、「死亡時に必ず取り出すとすることは難しい」との見解である。
対処の方法は以下のごとくである。
①主治医から家族に、火葬の時に心臓ペースメーカーが破裂することを説明する。
②摘出は強制せず、摘出できる場合は摘出する。
③摘出されてない場合は、家族から葬儀係員に心臓ペースメーカーが植え込まれていることを申告し、葬儀係員から葬儀場係員に申告する。
④火葬の時は破裂音が起きるまで(30分以内であるが)、窓の開閉を行わない。
⑤摘出できた場合はペースメーカー本体に穴を空け処理する(これは2001年4月から変更されている:後述)。
この対処方法を徹底するために、医療サイドを通じて家族、葬儀店、火葬場に、厚生省(現・厚生労働省)を通じて、保健所や火葬場、葬儀店に通達された。
(3)心臓ペースメーカーの摘出
本体植え込み部分の皮膚切開により、比較的容易に本体に到達する。
摘出は本体のみである。
接続しているリードは鋏などで簡単に切断できる。
心臓ペースメーカーは、患者が死亡して身体から摘出されても、ペーシングの出力を出しているし、感知その他の機能も
作動している。
しかし、たとえ取り出した心臓ペースメーカー本体に直接触れても、切断したリードの陽極と陰極に触れても問題はない。
(4)摘出したペースメーカーの処理
摘出した心臓ペースメーカー本体の処理については、平成13年に変更された。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)に基づく感染性廃棄物処理マニュアルが定められている。
現在、感染性廃棄物の範囲に含まれると解釈されている。
この法律の一部が改正された平成13年4月1日から、使用済み心臓ペースメーカーは感染の有無にかかわらず、感染性廃棄物の取り扱いの許可を受けた処理業者に委託することが義務づけられている(文献2)。
特別管理産業廃棄物管理票(マニフェスト)の交付などで監視されており、このマニフェストを適正に使用しない場合は委託者、受託者双方ともに処分(50万円以下の罰金)の対象になるとされている。
日本医事新報 2008.1.26
版権 (株)日本医事新報社
文 献
1)心臓ペーシング:社会問題小委員会報告:火葬時のリチ ウム電池ペースメーカーの取り扱いについて、1988
2)ペースメーカー協議会:使用済みペースメーカーの廃棄処 理について、2001
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昨日に続き、2007年9月11日の第55回日本心臓病学会学術集会ファイアーサイドシンポジウム(東京ベイホテル東急)
「冠動脈プラークを斬る 診る・識る・治す」
の記事で勉強しました。
服部保 キャナル風景 油彩15号
http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v41593371
プラークの退縮と安定化を目指した薬剤介入
順大 循環器内科 代田浩之教授
プラーク評価をサロゲートエンドポイントとした介入試験が示すプラーク退縮とLDL-C値の相関
プラークの量的、質的評価はしばしば脂質介入試験のサロゲートエンドポイントとして使われてきた。
定量的冠動脈造影法によるBrownらのFATS(1990年)を皮切りに、数多くの試験がプラークの変化を評価項目として施行され、その結果は1994年の4Sに始まる真のエンドポイント試験の理論的根拠となった。
特に血管内超音波(IVUS)において自動プルバックによるプラークの体積計算法が開発されると、IVUSによるプラーク評価をサロゲートエンドポイントとする介入試験が盛んに行われるようになり、その中には、NissenによるREVERSAL(2004年)、ASTEROID(2006年)といった、インパクトの強い一連の試験も含まれていた。
REVERSALでは、ストロングスタチンを投与することでLDL-Cが80mg/dL未満まで達した群で、プラーク容積の進展阻止が認められている。
また、LDL-Cの低下とプラーク容積の変化は正の相関を示すことも証明されている。
さらに、CRP値の変化とプラーク容積の変化も相関を示すことが認められ、ストロングスタチンによる介入が、LDL-C低下だけでなく抗炎症作用を介してプラークの安定化に関与していることが示唆された。
また、国内でストロングスタチンの介入によるプラーク退縮が
初めて認められた試験としては、我々が行ったESTABLISHがある。
これは急性冠症候群(ACS)患者を対象にした試験で、ストロングスタチンの投与でLDL-Cは41.7%の低下、プラーク容積は13.1%の退縮が観察された。
そして、さらなる解析の結果、LDL-Cを70mg/dL未満、もしくは50%低下させることでプラーク進展阻止が可能であることが示された。
2006年に結果が出たASTEROIDでも、プラーク退縮が報告されている。
これはストロングスタチンによる非常に強力なコレステロール低下療法で、LDL-Cを62mg/dL未満にすることで 0.6%のプラーク退縮を認めたというものである。
一方、IVUSで観察されたプラークの進展阻止および退縮の臨床的意義としては、Boseらが少数例の検討ではあるが、プラークの進展が少ないか退縮している症例では心血管イベントがほとんど起きないことを報告している。
一方、PROVE-ITなどの大規模試験は積極的LDL-C低下療法の意義を真のエンドポイントで示した。
このように、積極的LDL-C低下とプラークの進展阻止・退縮の相関が証明され、さらにはイベント発症抑制という臨床的意義も蓄積されるようになってきたことを受けて、脂質介入の治療指針にも変化が現れている。
NCEP(米国コレステロール教育プログラム)のガイドライン
Adult Treatment Panel第3版では、これまでハイリスク群のLDL-Cの目標値を100mg/dLとしていたところに、「optional goalに70mg/dL未満」という記載が加えられている。
IVUSによるプラーク評価:新たなる方向性
近年のIVUS技術の進歩はプラークの質的評価も可能にしている。
すでに報告されている試験としては、プラークの輝度を指標にした2001年のGAIN、国内からは小宮山らのIB-IVUSによるカラーコードマップを用いたCPLASS、川崎らの3D-IB-IVUSを使ったプラーク評価のデータなどが発表されており、こうした質的変化は今後の介入試験の重要なサロゲートマーカーになると考えられる。
スタチン以外の介入試験にも、プラークの変化はサロゲートマーカーとして使われている。
たとえば、HDL-C上昇を目的としたCETP阻害薬の介入試験やリコンビナントApoA-1を使ったERASEは、いずれの結果もネガティブではあったが、サロゲートエンドポイントを用いた試験ならではの迅速な結果を得ることができた。
これら新薬の検討結果は芳しくなかったものの、HDL-Cの意義は大きく、我々もLDL-Cに対するHDL-C比が大きいほどプラーク退縮効果が大きいことを以前報告している。
また、NissenらもLDL-Cの低下とHDL-C上昇を達成した群で退縮がみられることを示しており(図1)、HDL‐Cがプラークの進展・退縮に重要な因子であることは間違いないと思われる。

ピタバスタチンは優れたLDL-C低下作用に加え、HDL-Cに対する効果も報告されており、その意味でも、プラーク容積の変化をエンドポイントとしたJAPAN‐ACSの結果が待たれる(図2)。
出典 メディカル・ビューポイント 2008.1.10
版権 医事出版社
JAPAN-ACS
http://www.japan-acs.or.jp/
JAPAN-ACS ピタバスタチンおよびアトルバスタチンの急性冠症候群患者に対するプラーク退縮効果に関する多施設共同臨床試験
http://www.jhf.or.jp/josei/studies/number/162.html
(先日、上記スタチンに関係するMRが訪問しました。結果はもう出ているようですが今年3月の日循総会まで発表はお預けとのことでした。)
<参考>
surrogate
【名】代わりのもの、代理、代理人
サロゲート・マザー Surrogate Mother(1996)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD28074/
代理母のことをSurrogate Motherというようです。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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2007年9月11日の第55回日本心臓病学会学術集会ファイアーサイドシンポジウム(東京ベイホテル東急)
「冠動脈プラークを斬る 診る・識る・治す」
の記事で勉強しました。
血管内イメージングでプラークの不安定性は本当に評価できるのか: その現状と将来
山口大学 器官病態内科学 廣 高史講師
プラークの不安定性(vulnerability)という言葉は本来、「破綻しやすさ」を評価するために作られた言葉であるが、実際は破綻=急性冠症候群(acute coronary syndrome; ACS)発症というわけではなく、無症候性破綻の存在が少なからずあることが報告されて以来、「破綻しやすさ」に加えて「血栓のできやすさ」や「ACSの起りやすさ」なども評価すべき時代になりつつある。
プラークのvulnerabilityを規定する要素は、決して一元的なものではなく、病理学的には
①薄い線維性被膜や大きな脂質コアを有する偏心性プラーク
②炎症細胞の集族
③陽性リモデリングの存在
④spottyな石灰化の存在
⑤プラーク内出血(新生血管の脆弱性)
などがあげられている。
一方、構造力学的には
①引っ張り応力の局所集中や、②シェアストレスの局所的増大 が破裂に関与していることを私たちは報告してきた(図)。すなわち、プラークのvulnerabilityはマルチファクトリアルな要素によって形成されているものであり、それを評価するにはこうした多様な要素を包括的に評価しなくてはならない。
私たちは現在山口大学理学部・工学部との共同研究により、これらの複数因子をまとめて多面表示できる超音波画像解析システムを構築するプロジェクトに取り組んでいる。
血管内イメージングによるVulnerability評価に求められるものと問題点
Vulnerabilityを評価すると一言にいっても、それに対応した数値指標はいまだ何も提唱されていない。
プラーク破綻やACSの発症を来たしやすいかという観点でいえば、「ある時間内における発症の確率」ということになり、確率論的なアプローチが必要となる。
ところが、いくつかの報告によると、エントリーしたプラークが約2年間で自然に破裂する確率は数%にすぎない。
Baye's theoremによれば、感度、特異度ともに90%のvulnerabilityの指標を見つけたとしても、発症率がそこまで低い群における陽性的中率は40%以下である。
したがって、予測能を高めるには、biomarkerなどによる情報を加味して、単一の指標でなく複数の指標を用いた、しかもできるだけ精度の高い画像技術を使った大量のデータベースの蓄積力泌要である。
近年、血管内イメージング技術の問題はV(Virtual Histology)‐IVUSやIB(Integrated Backscatter)-IVUS、OCT(Optical Coherence Tomography)などにみられるように、組織性状診断に対して確かに高い感度、特異度が得られるようになった。
しかし、いずれも観血的な検査法であり、その侵襲度に応じた治療方針に直結する情報がなければ意味をなさない。
ところが、仮にその情報から何らかの侵襲的治療法(たとえば、有意狭窄がなくてもステント留置をするなどの治療法)を提唱したとしても、発症率数%の世界では、NNTが軽く20を超えてしまう。
となると、そのような治療法が医療経済的にも認められるかどうかという問題がそこに生じるのである。
将来像:生命活動の秩序理論からの評価
マルチファクトリアルな世界から単一の確率論的数値を正確に引き出すことは、かなり困難を伴う。
そこで、私達はさらに新たな視点として、プラークの破綻を一つの生命構造の破綻ととらえ、生命構造を維持するための秩序性そのものの乱れを早期に発見する手法の開発に取り組んでいる。
そのために現在、山口大学理学部との共同研究を推し進めているところである。
出典 メディカル・ビューポイント 2008.1.10
版権 医事出版社
森本正興 PEACEFUL BLUE
http://page14.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/s80648121?u=edelcoltd
動脈硬化性疾患
http://www.gik.gr.jp/~skj/arteriosclerosis/arteriosclerosis.php3
不安定プラークの場合には局所の炎症反応も強く、それがプラークの脆さに関係しているとされています。またプラークの破綻に関しても強力な血管収縮物質であるアンジオテンシンⅡなどによる血圧の急激な上昇や血管の攣縮(スパスム)なども引き金になるとされています。
血管内不安定プラークのイメージング
http://www.pharm.kyoto-u.ac.jp/byotai/research-7.html
Acute Coronary Syndrome (ACS)
予後のカギ握るプラークの型
http://www.mochida.co.jp/dis/jelis/jlnwepm3.html
動脈硬化症の形成過程を、I(内皮細胞期) 、II(内膜マクロファージ期) 、III(内膜平滑筋細胞期) 、 IV(脂肪融合期) 、V(被膜形成期) 、VI(血栓形成期) の6つのタイプに分類するものである。後半の IV~VI の時期と ACS が起こる時期が一致する、と Stary らは述べており、このような視点は、何が血栓形成の主要な要因であるかの解明に重要な手掛かりとなる。
不安定プラーク
http://blog.m3.com/reed/20070921/1
動脈硬化の診断 ~冠動脈プラークの不安定性~
http://www.okinawa.med.or.jp/activities/kaiho/kaiho_data/2007/200705/094.html
IVUS以外でCT、MRIはプラークの組織性状診断にも応用されつつあり、将来の不安定プラークの診断において重要なmodalityに発展する可能性がある。また血管内視鏡により血管壁表面が直接観察できるようになり視覚的にもプラークの評価が可能となった。超音波の代わりに赤外線光を用いたOptical Coherence Tomography(OCT)は分解能が10-30μmであり、詳細なプラーク表面の構造評価が行へ実用化が期待されている。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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少量利尿薬は第一選択薬か併用か
東大 分子循環代謝病学 安東克之
利尿薬少量投与
降圧薬として一般に用いられているサイアザイド利尿薬またはサイアザイド類似薬は、低力リウム血症、高尿酸血症、インスリン抵抗性亢進、脂質代謝異常といった代謝系の副作用があリ、このため降圧によって得られるベネフィットが相殺される可能性があるのが欠点である。
サイアザイド利尿薬の降圧効果は、少量の時には用量依存性であるが、ある程度の用量以上では頭打ちになり、一方、代謝系の副作用は用量依存性に増大するために、降圧効果と副作用のバランスから少量投与が高血圧の治療には合理的であると考えられる。
JNC7とわが国の添付文書の用量を比べると、1985年に発売したインダパミド(商品名ナトリックス)は同程度の用量が定められているが、1959~1961年に発売されたヒドロクロロチアジド(商品名ダイクロトライド)、クロルタリドン(商品名ハイグロトン)、ならびにトリクロルメチアジド(商品名フルイトラン)の用量は多すぎることが明らかである(表)。
すなわち、添付文書においてはこれまでのエビデンスの集積にもかかわらず、発売当時以来、用量の変更がなされていないためにこのような用量設定になっているのである。
また、この表に示された最少適正用量の投与が可能な剤型が存在するわが国で、使用できる薬剤はトリクロルメチアジド(2mg錠を1/4分割)とインダパミド (1mg錠を1/2分割)のみであり、単価の安い薬剤であるために医療環境にも不備がある。
利尿薬の特徴と併用療法
サイアザイド利尿薬のもう一つの特徴は、その効果に個体差が大きいこととほかの降圧薬、特に血管拡張作用に基づき降圧を来たす薬剤の降圧作用を増強することである。
特に近年主要に用いられているCa拮抗薬やレニン・アンギオテンシン系抑制薬の作用増強効果が顕著である。
単剤における140/90mmHg未満の降圧達成率は、Moriによると3~4割であるということからも、併用薬として優れたサイアザイド利尿薬は併用療法が中心となっている今日の高血圧治療に欠くべからざる薬剤である。
その併用薬としての有用性をよくあらわしているのが、PROGRESS(Perindopril Protection against Recurrent Stroke Study)である。
この試験はアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬ペリンドプリル(商品名コバシル)を一次薬として、サイアザイド類似利尿薬インダパミドを二次薬として脳卒の二次予防について検討したものである。
治療群全体としては有意の二次予防効果を認めたが、ACE阻害薬単剤群とACE阻害薬 + サイアザイド類似利尿薬併用群に分けて検討すると、単剤群では有意の効果を認めず併用群のみで有用性があったのである。
また、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の有用性を示したLIFE(The Losartan lntervention For Endpoint
Reduction in Hypertension Study)においても約8割に利尿薬が入っていたという。
以上のように、利尿薬は特に併用薬として有用であると考えられている。
なお、このような成績は最近登場したARBと少量利尿薬の有用性の根拠となっている。
出典 メディカル・ビューポイント 2008.1.10
版権 医事出版社
<コメント>
プレミネント錠はロサルタン50mgと、ヒドロクロロチアジド12.5mgの合剤です。
文中で「最少適正用量の投与が可能な剤型が存在するわが国で、使用できる薬剤はトリクロルメチアジド(2mg錠を1/4分割)とインダパミド (1mg錠を1/2分割)のみ」と書かれています。
ヒドロクロロチアジド(ダイクロトライド錠25mg)の1/2分割、つまり12.5mgは該当しなくなってしまいます。
表にはヒドロクロロチアジドの最小用量は6.25mgとなっています。
プレミネントのヒドロクロロチアジドの用量設定が6.25mgではなく12.5mgになった経緯も知りたいものです。
そして、製薬メーカーの事情とはいえサイアザイド系薬剤としては1959年発売という一番古い薬剤というのも気になるところです。
ヒドロクロロチアジド(ダイクロトライド錠25mg等)
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se21/se2132004.html
中島 忠 サントロッペhttp://page15.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t59069704?u=edelcoltd
<参考>
プレミネント錠:日本初の配合降圧薬
2006年10月20日、2種類の降圧薬を配合した「プレミネント錠」が製造承認を取得した。
配合されているのは、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)のロサルタンカリウムと、サイアザイド系利尿薬のヒドロクロロチアジドである。
本薬は、降圧薬の配合剤としては日本初であるが、世界的には1995年以降、フランス、米国をはじめとして82カ国で承認され、広く臨床で使用されている。
ロサルタンカリウムをはじめとするARBは、昇圧物質アンジオテンシンIIの作用に拮抗することで降圧作用を示し、特にレニン・アンジオテンシン(RA)系が活性化した高血圧症患者において、良好な降圧作用を発揮する。
一方のヒドロクロロチアジドは、腎臓の尿細管に作用して体内のナトリウムと水分の排泄を促進する利尿薬であり、尿量を増やすことで降圧効果を発揮する。
プレミネント錠の1錠中には、常用量1回分に相当する50mgのロサルタンと、少量のヒドロクロロチアジド(12.5mg:単独投与時の常用量は1回25~100mgを1日1~2回)が含有されている。
このような既存の2種類の降圧薬を配合した薬剤が登場したのは、国内外のガイドラインにおいて、複数種類の降圧薬の使用が推奨されていることと関係している。
これは、1種類の降圧薬を常用量使用しても十分に血圧が低下しない場合、その降圧薬を増量するよりも、別の種類の降圧薬を併用した方が、副作用の発現を抑えられるためである。実際、日本でも、複数種類の降圧薬を併用することが広く行われている。
また単独療法の場合、ARBは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬とともに、カルシウム拮抗薬と並ぶ第1選択薬となっているが、RA系の亢進が見られない患者では降圧効果が弱い場合があった。
一方のサイアザイド系利尿薬は、降圧作用が比較的良好で薬価も安いが、カリウムの排泄を促すなど代謝面での副作用から使用できない症例もあった。
その点、ARBとサイアザイド利尿薬を組み合わせたプレミネントは、利尿薬による体液量減少でRA系が活性化されるため、併用されたARBの降圧作用が効果的に機能する可能性がある。
また、利尿薬によるカリウム排泄が、ARBの使用による血清カリウム値上昇で相殺もしくは軽減できると期待されている。
患者にとって本薬は、配合剤であることから、1錠で2種類の薬剤を服用できることになり、飲み忘れがなくなるなど、服薬コンプライアンスの向上に結び付くのではないかと考えられる。
しかし一方で、2成分を含んでいることから、過度の降圧が起こる可能性があり、本薬を安易に高血圧治療の第1選択薬としては用いるべきではない。
このことは、添付文書の「用法・用量」にも明記されており、十分に注意したい。
(北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200611/501799.html
プレミネント降圧効果(8週間)
http://preminent.jp/secure/effect_8w.html
プレミネント錠を1日1回1錠8週間投与したところ、ロサルタン50mg投与より有意に優れた降圧効果が認められました(-18.4%vs-10.6%)。
副作用発現率はプレミネント群9.0%(14/155例)、ロサルタン群6.3%(10/160例)でした。臨床検査値異常発現率はプレミネント群14.2%(22/155例)、ロサルタン群6.3%(10/160例)でした。
<コメント>
尿酸増加を主体とした臨床検査値異常発現率も決してひくくないようです。
http://preminent.jp/secure/sideeffect.html
PROGRESS
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c1999059.html
本試験の結果で注目すべき点は,まず第一に高血圧群(平均159/94mmHg),非高血圧群(136/79mmHg)ともに,perindopril+ indapamide併用療法によってほぼ同等の降圧(各9.5/3.9mmHg,8.8/4.2mmHg)と脳卒中発症率(32%,27%)の減少が得られていることである。このことは少なくとも127.2/74.8mmHgまでは降圧によって脳卒中予防効果が明らかであることを示唆している。第二に ACE阻害薬と利尿薬の併用の相乗効果である。すなわち併用例にのみ限ったサブ解析では脳卒中の減少率は43%,主要な心血管イベントは40%と著しい予防効果が認められていることは注目に値する。
我が国のガイドラインでは脳卒中既往例ではより高めの降圧目標値が示されていたが,降圧目標値を大幅に変更すべきであろう。また併用療法についてはもっと推奨されるべきである。(桑島)
LIFE
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2000095.html
左室肥大の合併は脳卒中頻度を増加させ,また退縮は脳心血管イベントの減少をもたらすとする成績を裏付ける結果である。losartanの一次エンドポイント予防効果はほとんど脳卒中予防効果によるもので,心筋梗塞予防効果はatenololと差がみられていない。言い換えればlosartanの心筋梗塞予防効果はatenololと同等であるが,脳卒中予防効果ははるかに優れているということである。両群の降圧効果はほぼ同等であることから losartanの脳卒中予防効果は降圧効果以外の要因が関与していると考えられるが,losartan群ではatenolol群に比べて左室肥大の退縮効果が大きかったこと,糖尿病発症は少なかったことの2点がなんらかの関連で脳卒中予防効果をもたらしたと推定されるが,なお脳卒中の病型別の予防効果などサブ解析の結果が待たれる。(桑島)
→サブスタディ(J Am Coll Cardiol. 2005; 45: 705-11,712-9.)へのコメント
losartanは心房細動(AF)の発生を抑制するばかりでなく,AF発症においてもatenololに比べて有意に脳卒中,心血管死を抑制することができる(井上)。
LIFE 試験のこの二つのサブスタディは,心房細動による脳塞栓症の予防策として唯一確認されている治療法はワルファリンによる抗凝固療法であるが,アンジオテンシンII受容体拮抗薬も左室肥大のみならず左心房のリモデリングを予防して心房細動発作の予防とともに血栓形成を予防する可能性があることを示している(桑島)。
→サブスタディ(Lancet. 2002; 359: 1004-10.)へのコメント
左室肥大に加えて糖尿病を有する高リスクの高血圧患者に対するlosartanとatenololの心血管合併症発生に対する予防効果を比較したものであるが,一次エンドポイントに関してはlosartan群が有意に少なかった。しかし内訳をみると全体解析と異なり脳卒中,心筋梗塞発症の予防に関しては両群間に有意差はみられなかったが,心血管死亡はlosartan群の方が有意に少ないという結果であり,解釈が難しい。降圧効果は両群同等であることから,やはり左室肥大の退縮およびレニンアンジオテンシン系の抑制を介した効果と考えるのが妥当か(桑島)。
他に
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左冠動脈主幹部への適応
土谷総合病院 心臓血管センター 林 康彦先生
はじめに
非保護左冠動脈主幹部病変 (ULMD)の治療は、DESの出現後も原則冠動脈バイパス術(CABG)であることは認められているところで、それに比肩するカテーテルインターベンション(PCI)の適応にコンセンサスは得られていない(文献1)。
しかしながら現実には、特にDESの出現後は入口部や体部の病変でPCIが行われることも多くなっている。
また、分岐部病変では一般に症例選択がなされた上でPCIが施行されているが、この部位のPCIはいまだチャレンジングな治療の域を出ない。
最近のデータもまじえて、主としてDESの適応について述べてみたい。
最近の報告およびデータ
Chieffoらは147例のULMD入口部と体部病変へのDESを用いた成績を報告している(文献2)。
886±308日の追跡期間で総死亡5例(3.4%)、心死亡4例(2.7%)、標的血管再血行再建(TVR)7例(4.7%)、標的病変再血行再建(TLR)は1例(0.7%)のみであり、安全で有効であるとしている。
同著者らは別の報告において1施設でのデータとして87例の遠位ULMDを含む107例のDESを用いたPCIと142例のCABGを1年間比較し、死亡率は2.8%と6.4%、心筋梗塞は0.9%と1.4%、TLRは15.8%と3.6%、TVRは19.6%と3.6%であり、心事故発生率に差異はなかったとしている(文献3)。
Kereiakesはこの報告に対する論説として、複雑な分岐部主幹部病変における血行再建はCABGのほうがいまだ信頼される治療としているが、近い将来のPCIの進歩も含蓄してULMDの治療は岐路にさしかかっていると述べている(文献4)。
ValgimigliらはRESEARCHおよびT-RESEARCH症例からの遠位ULMDに対するシングルステント(SVS)48例と2ステント(BS)46例を平均587日追跡し、総死亡は10%と11%、TVRは10%と13%、ステント血栓症はいずれも0%、心事故率はそれぞれ28%と31%で差はなかったと報告している(文献5)。
Cypher Registryの主幹部PCIの解析では、2004年8月から2006年5月の間に384例(待機的332例、緊急52例)のULMD例があり、330例(86%)が1年の追跡を完了している。
死亡率は10.6%で、うち緊急例が32.6%、待機例が7%であり、心死亡は6.7%で緊急19.6%、待機4.6%であった。
ステント血栓症(ARC,definite or robable)は1.8%、TLRは11.5%であった。
多変量解析では心死亡で慢性透析と心不全、TLRでは2ステント、慢性透析、41mm以上のステント長が独立した危険因子であった(文献6)。
治療法選択に寄与する因子
ULMDへの治療を考慮する場合、
①病変の性状と部位
②患者の全身状態
最終的に
③CABGかPCIかの決定をいかにするか
などが問われる。
前述の報告は無作為比較のものではないため、いずれも施設や術者の方針、技量に負うところが大きく、これらの因子に影響されていることを忘れてはならない。
病変性状は冠動脈径、石灰化の程度が影響し、径が5ないし5.5mm以上あるもの、石灰化が強くアブレーションを行っても十分な拡張が望めないものはDESに不適である。
そのほか、多枝にわたり長い病変が存在する例ではCABGが適している。
主幹分岐部病変は、現在PCIが遭遇している最も大きな障壁であることは論をまたない。
特に十分な灌流域を有する回旋枝入口部の狭窄病変を含む真性分岐部病変では、不適状態がなければ即座にGABGという考え方も現時点では受け入れられる。
しかし、CABG不適例も含め、この部位でもPCIが選択される場合もある施設では、方法論や予後も含んだ十分な考慮が要求される。
いわゆる方向性粥腫切除術(DCA)を前下行枝、回旋枝の入口部に行ってステント留置することも行われているが普遍的ではない。
今のところシングルステントとKBT(kissing balloon technique)、プロビジョナルステントというのが基本的な考え方であると思われるが、2ステン卜を始めから考えねばならない例もある。
いずれにしても十分な説明義務をはたさねばならないし、常にCABGが原則であるこを考えるべきである。
患者の状態としては、年齢、CABG不適状態(EuroSCORE高値など)、PCI不適病変(明らかに結果が悪いであろうと思われる病変)、抗血小板薬の内服困難(副作用、近々の休薬を要する観血的手術、内視鏡治療、服薬コンプライアンス不良など)、患者の強い要望などが影響する。
最終的にはCABGかPCIかを決定するが、これには前述の因子以外に双方の術者としての力量(知識、経験、技術、良心、情報開示や討論への低閾値など)が問われる。
その上で十分な説明を果たし患者の希望や決定に沿うことになるが、現実には医療サイドに決断を迫られることも多く誠実な答えを用意する必要がある。
まとめ
十分な説明、慎重なデータの積み重ねと解析、大規模無作為トライアル、治療法の進歩などがULMDsの適切な治療に必要である。

出典 メディカル・ビューポイント 2008.1.10
版権 医事出版社
千住博 雨後の朝 リト
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p100241236?u=;artfolio11
DESに至るPCIの変遷,そして今
-mechanical solutionからmolecular solutionへ-
http://www.ebm-library.jp/circ/trialreview_kyoketsu02.html
第21回 日本冠疾患学会学術集会 ランチョンセミナー 4
http://www.toaeiyo.co.jp/iryou_kankeisya/seminar/kansikkan_lun2007.html
Live Demonstration in KOKURA
http://www.kokura-heart.com/2007live/pdf/23rdhighlight.pdf
LM分岐部病変に対するステント手技にはSingle stent法、Culotte stent法、Modified T-stent with mini crush法、Kissing stent法がある。我々は国内外にてこれらのステント手技により、Cypher stentとTAXUS stentを用いてPCIを500症例に施行した。分岐部病変はこれらの症例のうち60%を占めた。
国内でBMSを用いた1例にSATを経験したが、DESでは2年間の観察期間においてSATの症例は0%であり、また国外で2年間におけるDESの再狭窄率およびTLR率は6.2~8.4%、4.7~7.6%であり、durabilityは2年間を保証され得るものと考える。
PCIを施行した500症例のうちSingle stent法によるステント手技では、回旋枝の入口部に狭窄を認めない症例に適応していたというバイアスはあるものの、SATを発症した症例は0%であった。
またTLRは、Single stent法とModified T-stent with mini crush法において各1例であるのに対し、他の手技では4例であった。
ロータブレータで前処置を行ってからCulotte stent法にてステントを留置したLM分岐部病変約60例に対しては良好な予後の成績を得ていた。
しかし、BMSと比較すると再狭窄の頻度は少ないが、特にLCxに再狭窄が認められる症例を経験するようになった。一方、分岐部病変に対してDESを使用した多くの報告では、Single stent法 で再狭窄の頻度が低いことが示唆されたためステント手技をSingle stent法に切り替え良好な結果を得ている。
LMのCTOに対してSingle stent法にてPCIを施行した症例では、IABPサポート下にCTOを通しantegrade flowを得た後、バルーンとステントを留置し、KBTにて処置した。
その結果、12~13%であったEFは10%程度まで改善された。
Single stent法で対処できない複雑病変においては、crush部分を最小限に留めるModified T-stent with mini crush法を取り入れている。
以上から,LM分岐部病変に対してDESを用いるPCIは安全に施行し得るものと考える。
ステント手技についてはSingle stent法によりloss lateを減少させることから、TLR率は圧倒的に低下するものと思われる。またSingle stent法が適応できない症例においては、Modified T-stent with mini crush法でステント留置すると良好な成績が得られるものと考える。
<コメント>
インターベンションの専門家はここまで考えながらLMT病変などの難しい病変にチャレンジしていることがわかりました。
専門外の私には、正直よく理解できません。
一開業医としては、どの施設に患者を送れば本人にベネフィットが得られるかという情報のアンテナは張り巡らしておきたいものです。
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昨夜のNHKニュースでAEDによる心肺蘇生をとりあげていました。
運動中の心停止が多いとのことで、野球の練習中に胸部にボールが直撃した、心臓震盪でのAEDによる救命例も紹介されていました。
恥ずかしながら、無床診療所の当院ではまだAEDは設置していません。
マスター階段試験ではありますが、まがりなりにも運動負荷試験をやっている手前、本来は設置しなければならないのですが。
さて今日は、Circulation誌に掲載された救急蘇生関連の報告2題を勉強しました。
連続胸部圧迫による心肺蘇生術のほうが神経機能温存率が高い
2005年に米国では、院外で現場に居合わせた第三者による心肺蘇生術(CPR)の方法として胸部圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸の比を15:2から30:2に変更したが、明確なエビデンスによる裏付けはない。
本研究では院外の心室細動心停止例のブタモデルを用いて、30:2CPRが2時間の神経学的転帰(摂餌・飲水行動異常、歩行異常、拘束への抵抗、臥位の時間が長い、起立不能、昏睡、死亡の有無)に及ぼす効果を検証した。
実験動物64例を対象に、電気ショックによる除細動までの時間を12分間とし、心室細動後から人工呼吸を行わない連続胸部圧迫もしくは30:2CPRまでの時間(3,4,5,6分)により4群に分け蘇生を実施した。
12分後は酸素投与下で除細動処置(エピネフリンも適宜投与)を行った。
24時間後に神経学的転帰が正常だった割合は、
連続胸部圧迫群の23/33(70%)に対し、30:2CPR群は13/31(42%)と有意に低かった。
現実の心室細動による院外心停止例に近い動物モデルにおいて、人工呼吸を併用しない連続胸部圧迫(心臓マッサージ)のほうが2005年度ガイドライン推奨の30:2CPRよりも蘇生術24時間後の神経学的な正常機能の温存率が有意に良好であった。
Ewy GA,et al. Circulation 2007;116:2525-2530.University of Arizona, College of Medicine,USA.
心臓発作患者には人工呼吸をしないほうがよい
http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20070322hk000hk
http://tomochans.exblog.jp/5395280
オートパルス人工蘇生システム
http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/products/resp_resus/02_def/auto.html
箕輪春秋 湖畔風景 日本画6号http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v40932897
学校での心停止発生率
米国シアトル・キング郡)の学校において1990~2005年に発生した非外傷性で救急隊員による処置を受けた症例を救急医療サービスデータベースから調査した。
対象期間中に学校で発生した心停止は97例で医療処置を受けた院外心停止全体の0.4%、公共施設で発生した心停止の2.6%に相当した。
97例中、学生は12例、教職員は33例、非職員の成人が45例であった。
年間に111校あたり平均1校で心停止が発生しており、高校(1/125校)および幼稚園~中学校(1/200)に比べ、大学(l/8)での発生率が高かった。
全体では、学生における心停止の年間推定発生率は10万人・年あたり0.18、教職員では10万人・年あたり4.51であった。
Lofti, et al. Circulation; 2007; 116;1374-1379.Pubkic Health Seattle and King County,USA.
出典 MMJ January 2008 Vol.4 No.1
版権 毎日新聞社
<コメント>
当然のことながら教育機関には学生だけではなく教職員もいるわけです。
学生よりも教職員、小学生よりも大学生に心停止が多いのも当然といえば当然です。
Brugada症候群やQT延長症候群の症例も当然あるはずです。
Channelopathy
http://blog.m3.com/reed/20070916/Channelopathy
Brugada症候群の治療
http://blog.m3.com/reed/20071102/Brugada_
着る除細動器
http://blog.m3.com/reed/20070918/1
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JAMAに掲載された脂質異常症に関する2つの論文に対する、解説で勉強してみました。

エビデンスが不十分な動脈硬化診療における高脂血症治療
筑波大学大学院内分泌代謝糖尿病内科
山田信博教授
動脈硬化性疾患の成因に関しては、種々の因子が知られており、なかでも脂質異常症は最も重要な因子として位置づけられている。
特に高LDLコレステロール血症や低HDLコレステロール血症は、虚血性心疾患発症との因果関係が古くから多くの疫学調査により確立されている。
高中性脂肪(トリグリセリド)血症は、しばしば糖尿病や高血圧症、低HDLコレステロール血症、肥満など他の生活習慣病と合併しやすいことから、動脈硬化性疾患の重大な危険因子と考えられている。
新しい動脈硬化学会のガイドラインでは atherogenic リポ蛋白として、LDLの意義が強調されている。
わが国のガイドラインは患者を4群に分け、危険因子の有無
によりLDLコレステロール以外の冠危険因子のない低リスク群と冠危険因子を有する中および高リスク群、さらに動脈硬化性疾患の既往や合併のある群に分類し、診療指針を設定している。
一般的に、高脂血症の診療目的が動脈硬化性疾患であること、大規模介入試験などのEBMから、脂質異常症診療の第一目標はLDLコレステロール値の是正であり、高中性脂肪血症は第二目標、低
HDLコレステロール血症は第三目標と位置づけられる。
したがって、高LDLコレステロール血症がない場合、あるいは高LDLコレステロール血症の目標値を達成した場合、次の治療目標は高中性脂肪血症の是正となる。
高中性脂肪血症治療の指標としてnon-HDLコレステロール(総コレステロール-HDLコレステロール)を用いることを原発性高脂血症研究班やATPIIIでは推奨している。
non-HDLコレステロールはLDLコレステロールに加えて、レムナント、IDL、small dense LDL、HDLの要素を包含するのみならず、食事の影響も最小であることや計算が容易であることが大きなメリットである。
内外の報告より、non-HDLコレステロール値の目安はIDLコレステロール+30mg/dLである。
その診療指針はリスク評価などの病態評価も含めて、現在のLDLコレステロールの診療指針(動脈硬化性疾患予防ガイドライン)に準拠しながら、non-HDLコレステロールの是正を目標とすればよい。
non-HDLコレステロールの改善は生活習慣の是正に加
えて、従来の薬物療法の強化によってしばしば達成可能である。
LDLコレステロール、non-HDLコレステロールの目標値が達成されてもまだHDLコレステロール値が低い場合、HDLコレステロール値の是正が第三目標となる。LDLコレステロール、non-HDLコレステロール、HDLコレステロール以外にも、従来の指標の組み合わせを用いたより有用な指標の探索が行われている。
一般的に動脈硬化を促進する因子と抑制する因子の組み合わせは、より良い指標と考えられている。
脂質異常症の治療で不十分な領域は、低HDLコレステロール血症に対する薬物療法である。
従来よりHDLを増加させる薬剤としてフイブレート薬やニコチン酸製剤が用いられ、その臨床的有用性も明らかになっているが、スタチン系薬剤ほど十分なエビデンスは蓄積していない。
HDLコレステロール値の是正が脂質異常症診療上の第三目標となっている大きな理由は、有効な薬物療法のエビデンスが欠けていることにある。
高LDLコレステロール血症に対するスタチンやエゼチミブに匹敵する有効かつ安全性の高い薬剤が待ち望まれる。
HDLの抗動脈硬化作用は動脈壁における泡沫細胞からのコレステロール排泄によるが、最近その分子機序としてABC(ATP binding cassette)transporterの役割が明らかになっている。
泡沫細胞では転写因子LXR(Liver X receptor)がABCA1遺伝子の発現を亢進させ、コレステロール排泄を促進させる。肝臓におけるABCA1はHDL生成に主要な役割を果たし、血中HDL濃度を規定している。
HDL代謝が明らかになり、多くの新しい試みが始まっているが、HDLを増加させる新しい薬剤のエビデンスの蓄積に期待したい。
MMJ January 2008 Vo1.4 No.1
版権 毎日新聞社
デュフィー ジークレー『日曜日』新額
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p93737795?u=;artfolio11
他に
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きょうは目先を変えて「血管石灰化」をとりあげてみました。
昨年の暮れにある循環器の講演会で東大の先生が、ついでにという形で、「今こんなこともやってます。 結構ホットな研究です。」てなことをおっしゃっていました。
その時は何故今ホットなのかがよく分かりませんでした。
個人的なことで恐縮ですが、心筋梗塞後心室瘤壁に著明な石灰化が見られ地方会で発表したことがありました。
その石灰化のメカニズムと今回の話は関係ないのかも知れませんが。
血管石灰化の分子機構とその制御
東大・加齢医学 大内尉義先生
「人は血管とともに老いる」
これはウィリアム・オスラーの有名な言葉です。
血管の老化とともに人間は老化します。
血管の加齢変化には「石灰化コラーゲン沈着」「エラスチン脱落および変性」があり、すべてが動脈硬化につながります。高齢者は、石灰化による血管の伸展性低下、大動脈のふいご機能低下から収縮期高血圧になります。
胸部大動脈の石灰化が強いと心血管イベントの発症率が上昇します。
血管の石灰化は心血管イベントのセンサーだといえます。
1984年に藤田拓男先生は紀伊半島の山間部と臨海地区で住民の骨量と大動脈石灰化を比較する研究を行いました。山間部の住民は全年齢層で男女とも骨量が低く、大動脈石灰化の頻度が高く、特に女性でそうした傾向が顕著だと報告しました。
2004年にSchulzは、大動脈石灰化の増加と骨密度(BMD)の減少の相関を示しました。
閉経後の女性は、骨量が少ないほど生存率が低く、心血管死が増加するという報告や、全身と腰椎のBMDともに大動脈石灰化がある患者では生存率が低いとの報告もあります。
心血管系の軟部組織の石灰化は骨量の低下と密接に関連します。
このため加齢に伴いカルシウムが骨から軟部組織に分布を変えるという「カルシウム移動説」が唱えられるようになりました。
血管石灰化の病態解明
血管石灰化の機序に関心が持たれなかったのは、血管石灰化が動脈硬化の終末像として「受動的」に形成されることも理由の1つでしょう。
しかし、循環器疾患や骨代謝を考えるうえで軟部組織の石灰化は重要です。
最近、血管壁細胞がさまざまな因子によって石灰化促進方向へ作動し、石灰化部位に骨代謝基質タンパクや骨代謝調節因子が存在することが明らかになり、石灰化は単なるカルシウム沈着ではなく骨組織の骨化と極めて類似の機構による病態だと考えられています。
私たちは培養血管平滑筋細胞をリンで刺激するモデルを使い、in Vitroで分子機序を解明する研究を行いました。
血清リン濃度に応じて心疾患、冠動脈疾患死などが起こり、カルシウム沈着はリンの用量や時間に依存して亢進します。大動脈の平滑筋細胞を未分化血管平滑筋細胞のマーカーのSMembと分化のマーカーのCaldesmonでみると、リン刺激でSMembが増加してCaldesmonが減少し、平滑筋細胞が分化から未分化の状態に移行することがわかります。
血管平滑筋細胞の石灰化について私たちは次の2点について検討しました。
1点はsodium dependent phosphate cotransporter(NPC)です。
NPCはリン濃度依存的に活性化しますが、特異的な阻害物質phosphonoformic acid (PFA)の投与により阻害されす。
PFAはカルシウム沈着を用量依存的に抑制します。
もう1点は、アポトーシス抗体と血管石灰化との関係です。
リン濃度依存的または時間依存的に血管平滑筋細胞のアポトーシスが増加しました。
経路の詳細は今後調査が必要なものの、アポトーシスの直接的な実行部隊caspaseのうち、リンの添加でcaspase3が活性化されますが、ZVADの添加により石灰化は抑制されます。
Growth arrest-specific genes6(Gas6)はビタミンK依存性のGla-containing proteinで、Axlと結合し、Pl3KがAkt系を活性化して、Anti-apototic signalとして働きます。
リン濃度を上げるとGas6は時間依存性に活性を抑制します。
その条件でrecombinantのGas6(mGas6)を加えると、リンにより亢進したアポトーシスはrhGas6で抑制され石灰化も同時に抑制されます。
リンで活性化したcaspase3はGas6により再度非活'性化しました。
スタチンとビスホスホネート
血管石灰化を制御しうる薬剤として、スタチンとビスホスホネートについて説明します。
2002年の「Lancet」にスタチンが大動脈弁のカルシウ
ム沈着を低下させ石灰化の進行を抑制したと報告されましたが、これはレトロスペクティブな試験であり、さらなる議論が必要です。
スタチン系の薬剤ではatrovastatin、fluvastatin、pravastatinが用量依存的に石灰化を抑制することがわかりました。
血管石灰化の2つの経路に関して、NPCの活性はスタチンの影響を受けず、リンで冗進したアポトーシスと石灰化は、スタチン用量依存的に抑制されました。
スタチンは主にGas6-Axlのsurvival pathwayのリンの作用を阻害することにより血管石灰化を抑制します。
ビスホスホネートのEHDR 、pamidronate、risedronate、alendronateはいずれも用量依存的に血管の石灰化を抑制します。
特にrisedronateが有効でした。
ビスホスホネートはいずれの経路にも作用し石灰化を抑制します。
adenineで'慢性腎不全を発生させたラットでは大動脈中膜の石灰化も発生します。
pravastatinで血管壁のカルシウム沈着が抑制されました。
この作用機序は現在検討中ですが、アポトーシスの所見は明確です。
加齢と血管石灰化は骨粗鬆症と密接に関連します。
リン刺激は血管平滑筋の石灰化を惹起し、NPC活性およびGas6/Axl系の抑制によるアポトーシスが関与しています。
NPC、Gas6/Axl系は心血管系の石灰化を抑制する分子標的と言えます。
私たちが検討したところでがスタチン、ビスホスホネート 男性・女性ホルモン、ARBは、リン刺激による石灰化を低下させました。
血管石灰化の発症機序の研究から石灰化を制御するための分子標的が明らかになり、血管をいつまでも若くしなやかに保つことができると考えます。
骨粗鬆症化と血管石灰化には密接な関連があり、骨粗鬆症の予防、治療が血管の老化の防止にもつながると考えられます。
(東京で11月に開催された第9回日本骨粗髭症学会
骨ドック・健診分科会より)
MMJ January 2008 Vol.4 No.1
版権 毎日新聞社
<コメント>
講演会での話のようで、分かりやすい内容かと思いましたが、正直難しくてよく理解できませんでした。
中島千波 シルク『小石川後楽園の枝垂桜』
http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v40932885
企業提供・血管石灰化とその制御
第25回 日本骨代謝学会学術集会 ランチョンセミナー
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/hotnews/co/200709/504076.html
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/data/ds-pharma/bis070830.pdf
血管石灰化は糖尿病や慢性腎不全の症例において、虚血性心疾患や脳血管障害などを誘発する因子として注目され、発症機序の解明や治療法の開発に期待が寄せられている。
岡田氏は、骨粗鬆症治療薬として広く使用されている第一世代ビスフォスフォネートであるエチドロネート(EHDP)の異所性石灰化に対する効果に着目し、血管平滑筋細胞の石灰化誘導の機序と、それに対するEHDPの抑制効果を検討した。その結果、血管石灰化に最終糖化反応生成物(AGE)が関与し、用量依存性に石灰化を起こすことを明らかにした。また、大動脈に石灰化を認め、骨量の減少を伴う慢性期血液透析患者を対象にした検討では、EHDP非投与群では経時的に腹部大動脈の石灰化面積が増加したのに対して、EHDP投与群では石灰化面積の増加が有意に抑制された。
稲葉氏は、血管石灰化は従来考えられてきた「細胞が壊死した状態でカルシウムが沈着するという受動的な過程」ではなく、「骨が形成される能動的な過程」とし、健常状態では抑制されていた血管平滑筋細胞の形質転換が、高リン血症では骨芽細胞様の石灰化過程をとることを示した。さらに、大動脈のアテローム硬化型の石灰化は、非糖尿病、糖尿病の患者の双方において全死亡率、心血管死亡率の有意な独立した危険因子であり、この血管石灰化の制御は透析患者のQOLの向上と死亡率の低下に有用であると述べた。
循環器疾患の予後を左右する血管石灰化の薬物治療に向けて
http://www1.cjr.hirosaki-u.ac.jp/seeds/18/p6.pdf
血管の石灰化に及ぼす血圧の影響
http://f52.aaa.livedoor.jp/~ymiwa/clinical%20research.htm
血管の石灰化というのは、動脈硬化のなれの果てと考えられていましたが、最近では血管局所で炎症が起こっている証拠と考えられるようになってきました。実際に、大動脈や冠動脈に石灰化を認める例では心血管合併症の発症頻度が高いという結果が追跡調査によって報告されています。我々は、大動脈の石灰化を腹部 CT画像にて評価をし、長期間にわたり追跡した結果、血圧のなかでも特に脈圧の高いひとが、石灰化が進みやすいということを明らかにしました。
血管の石灰化に関する研究
http://www2.kpu-m.ac.jp/~med2/group/cardio/kenkyu-02.html
血管の石灰化はしばしば遭遇する病態である上に心血管病の重大な危険因子であるにも関わらず、有効な予防および治療法は未だに開発されていません。その大きな理由のひとつは血管の石灰化は長年、血中の余剰なカルシウムやリンが単純に沈着することにより形成されると考えられてきたことです。しかし、最近になって石灰化をおこした血管局所において今まで骨に特異的と考えられていた因子が数多く発現していることが分かってきました。これは血管局所において骨の石灰化と同じような機序により積極的な石灰沈着が引き起こされていることを示唆しています。実際に、石灰化抑制因子であり血管平滑筋細胞にもたくさん発現しているMGPという遺伝子を破壊したマウスでは血中のカルシウムやリンの濃度は正常であるにも関わらず生後4週程で著しい血管の石灰化が認められ、生後8-10週までに血管の破裂により死亡することが最近報告されました。私達は血管の石灰化の分子機構をより詳細に解明し、その治療・予防法を開発することを目的とした研究をおこなっています。現在までに冠動脈プラークなどに見られる血管内膜の石灰化の形成に血管中膜から遊走した脱分化血管平滑筋細胞が重要な働きをしていることや老化により血管平滑筋細胞の形質転換が誘導され、老化に伴う血管石灰化に大きく影響することなどを明らかにしてきました。現在は、より詳しい血管石灰化の解析にために血管石灰化のモデルとなるような遺伝子改変マウスを作成したり、様々な薬の血管石灰化に対する効果を検討したりしています。血管の石灰化が予防および治療可能になる日もそう遠くないかも知れません。
血管の石灰化とカルシウム代謝
https://www.iyaku-j.com/MDJOURNA/clin/doc/2002-08/007tokusyuu1.htm
動脈硬化及び血管石灰化におけるアポ蛋白(a)の役割
http://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/Vol3No2/TJB200402200000810.pdf
<診察椅子>
中年男性のAさんが風邪症状で当院に昨日受診されました。
顔をみると眼瞼黄色腫があります。
しかも両目にです。
本人の風邪の訴えが頭に入りません。
一通り診察を終えてたまらず切り出してみました。
私「健診でコレステロールが高いっていわれたことはありませんか?」
Aさん「コレステロールはいつも正常です。」
私「ダヴィンチの書いたモナリザっていう絵、ご存知ですよね。あの絵の・・・・・」
Aさん「あっと、目のことですね。このことは時々言われるんですが、これはモナリザとは違いますよ。お祭りで使った火縄銃で両目の目頭にやけどしたんです。」
私「・・・・・・・」
しっかり勉強させていただきました。
それにしてもどうしたあんなにうまい具合、にピッタシのところにやけどするんでしょうね。
他に
「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/
ふくろう医者の診察室
http://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy
(一般の方または患者さん向き)
があります。
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虚血性心疾患による死亡 コレステロール値と相関
英国オックスフォード大学を中心とする国際的なメタ解析グループが、61件の前向き観察研究のデータを分析したところ、虚血性心疾患の死亡リスクとコレステロール値との間に正の相関関係が見られた。脳卒中の死亡リスクとコ
レステロール値との間には同様の関係
は見られなかった。
詳細はLancet誌2007年12月1日号に報告された。
分析対象は血管疾患の既往がない40~89歳の89万2337人で、内訳は欧州の人70%、米国人またはオーストラリア人20%、中国人または日本人10%。
およそ1160万人・年(平均追跡期間は13年)の間5万5262人が血管関連疾患で死亡した。
内訳は3万3744人が虚血性心疾患、1万1663人が脳卒
中、9855人がそのほかの血管疾患だった。
虚血性心疾患死亡の予測因子として最も強力だったのは、総コレステロール/HDLコレステロールの比。
一方、脳卒中の死亡とコレステロール値との間には、独立した正の相関関係は見られなかった。
LDLコレステロール降下薬のスタチンに関するランダム化試験のメタ解析では、スタチン投与により患者の虚血性心疾患および脳卒中の発生率が下がると報告されている。
今回の試験では、脳卒中に関して異なる結果となったが、著者らは「治療は、ランダム化試験で得られたエビデンスに基づいて行う必要がある」と述べている。
Prospective Studies Collaboration. Lancet 2007;370:1829 - 39)
日経メディカル 2008.1
版権(翻訳) 日経BP社
<コメント>
表題自体が何をいまさらという感じで魅力に欠けます。
結果も何だか平凡です。
原著には、きっといいことがいっぱい書いてあるとは思いますが、インパクト・ファクターの高い「Lancet」としての真価が問われるところです。
さて日常臨床では、動脈硬化の予測に動脈硬化指数(TC-HDLC/HDLC)が使われており、最近ではLDL/HDLC,TC/HDLCが指標として使われています。
今回の論文では、TC/HDLCを予測因子としていますが、個人的にはどの指標が一番よいのかということに興味を持ちます。
先生方はどの指標をお使いでしょうか。
今回の論文は死亡リスクに限定した点、そして膨大な人数が対象となっている点、さらにはスタチンの有効性が浮かび上がった点にあるといえるのでしょうか。
人種別も「欧州の人、米国人またはオーストラリア人、中国人または日本人」といかにも大雑把です。
「その国に住んでいる人」と「人種」は別で、中国や日本以外はいかにも多民族国家のはずです。
生活環境重視ということでしょうか。
中国と日本を一緒にされるのも何だか抵抗があります。
余談になりますが、英国への移民(移住)者が増えて、数十年後には日本の人口を英国が超えるという話題が新聞に出ていました。
英国も他民族国家なんですね。
動脈硬化指数(AI)
http://kensin.igaju-tky.com/2006/09/post_38.html
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