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バッシングは収まり冷静な評価が進行中
爆発的に普及した薬剤溶出性ステント(DES)。
昨年大きな話題となった安全性への懸念は一段落したが、適応や長期の抗血小板療法の必要性など、DESの注意点を再確認することが求められている。
薬剤溶出性ステント(DES)は従来型ステントよりも長期予後が悪いのではないか。
昨年9月の欧州心臓病学会での発表を契機に始まったDESの安全性懸念と、それに伴うバッシングは、非常に強いものだった。
特に欧米のメディアは強い論調でDESを批判、スウェーデンのように「DESの使用はできるだけ控えるべき」と声明を発表した国もあった。
循環器領域における、ここ1年で最大のトピックスだったといえるだろう。
発端は欧州心臓病学会
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において最も重要な問題は、治療した血管が再狭窄してしまうこと。
従来型のステントであるベアメタルステント(BMS)の時代には、再狭窄は30%以上あった。
しかし、新生内膜の増殖を抑える薬剤をステントに塗布したDESが登場し(2002年、欧州)、再狭窄は大幅に減少。
再狭窄に伴う血行再建術の再施行率も、BMSの20%弱か
らDESでは数%と大幅に下がった。
表1に、DESの長所・短所をまとめた。

再狭窄に伴う心血管イベントや血行再建術の合併症なども減ったことからDESは急速に広まり、医師の圧倒的な支持を得たかに見えた。
ただ、当初からDESには「遅発性ステント血栓症」(治療後30日以後に生じるステント血栓症)が起きるという懸念はあった。
そして昨年、これを主な原因として、総死亡や心筋梗塞の頻度がBMSよりも増えるという疑念が噴出したのである。
その発端となった発表の1つが、SCAARというスウェーデンにおけるステント使用例についての観察研究だ(図1)。

これは、ステント留置後6カ月を起点とすれば、死亡+心筋
梗塞の頻度がDES群で有意に増加していたというもの。
観察研究であるとはいえ、その規模の大きさから、衝撃をもって受け止められた。
また、ベルンとロッテルダムの2施設からの報告では、DES留置例8146例を追跡したところ、30日以後3年までの間、年率0.6%の頻度で、イベントを伴うステント血栓症が発症していた。
ステント血栓症のリスクが長期にわたって継続することも
示唆されたわけだ。
血栓の発生メカニズムは不明
そもそも、なぜDESで遅発性ステント血栓症が起きるのか、そのメカニズムはまだよく分かっていない。
ただ、BMSとDESでは、留置後の血管の状態に明らかな違いがある。
血管内視鏡で調べると、DES留置例では血管内膜の新生が抑えられ、ステント留置によって傷害を受けた血管内壁やステントが長期間にわたって露出する傾向にある(図2)。
阪大先進心血管治療学助教の小谷順一氏は、「血管内部の状態からすれば、新生内膜がステントを覆って早期に治癒するBMSの方が、内膜が活動的な状態が続くDESより血栓が起きにくいとは推測できる。
しかし、抗血小板療法をやめてもすぐに発症するわけではないので、これがすべてのステント血栓症の原因だとは言い切れないだろう」と語る。
原因がはっきりしない以上、DESとBMSの優劣は、現状では総死亡や心筋梗塞発症率などの総合的アウトカムから判断するしかないのだ。
NIKKEI MEDICAL 2007.12
版権 日経BP社
MASSステント研究(2007年12月19日)
http://blog.m3.com/reed/20071219/1/day
にいただいたコメントを転載させていただきます。
Dr.I様、コメント有難うございました。
2年だけでは、DESの場合は駄目ですね。
最低5年はみないと。
DESの場合、動脈硬化を抑制するだけなので。
遅れて再閉塞する事がありますからねー。
BMSだと、半年経てばないですけど。
最狭窄じゃなく、再閉塞の場合は、死にますし。
DESの場合は、2年経っても、5年経っても再閉塞のリスクはありますから。
もっと、長期のデーターが欲しいところですね。
>再血行再建術の実施率は、DES使用群で20.1%
これって、思ったより多いですね。
もっと少ないかと思っていましたが。
written by Dr. I / 2007.12.19 00:32
<コメント>
先生がおっしゃるように、DES使用群の再血行再建術の実施率は確かに多すぎますね。
他に 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/ があります。
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