| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 |
古い循環器内科医にとって心不全にβ遮断薬を投与するなど、とんでもないことでした。
25~30年前くらいにDCMに限定したβ遮断薬の使用が欧米から発表され、そんな治療もあるもんだとたまげたことがありました。
大学の在局時代、 リンパ球を用いたβレセプターの研究を少ししていました。
いわゆるアップレギュレーション、ダウンレギュレーションの概念の世界です。
現在ご存知のように、標題のごとく慢性心不全に対するβ遮断薬の使用が脚光を浴びています。
しかし意外と心エコー、胸部レントゲンやBNPなどでの心不全マーカーでのきちんとしたチェックがされているかというと、いささか疑問でもあります。
さて、きょうから3回にわたってこのテーマについて勉強したいと思います。
慢性心不全におけるβ遮断薬療法 その1(1/3)
国立病院機構大阪医療センター循環器科 科長安村良男氏
β遮断薬が収縮機能の低下した心不全の予後を改善
慢性心不全にしてβ遮断薬を投与することにより、患者
の予後が改善するというエビデンスが蓄積されている。
例えば虚血性心疾患を約70%含むNYHAⅢ~Ⅳの重症慢性心不全患者2,289例を対象とした大規模臨床試験COPERNICUSでは、カルベジロール群でプラセボ群よりも有意に総死亡の改善が認められた(Packer M et al. N Eng J Med 2001;344:1651-1658)。
同試験では、カルベジロール群で心不全などによる入院率も有意に減少しており、患者の罹患率に対しても好影響を与えることが示されている(Packer M et al.N Eng J Med 2002;106:2194-2199)。
これらの大規模臨床試験ではβ遮断薬が突然死を抑制することも示されている。
こうしたエビデンスに基づき、β遮断薬は収縮機能の低下した有症状の慢性心不全治療において、禁忌がないかぎり必須の薬剤であり、特に、NYHAⅢ、Ⅳでその予後改善効果が大きい。
NYHAⅠ(無症候性)でも大規模臨床試験CAPRICORNにおけるエビデンスがあり(Dargie HJ.Lancet 357:1385-1390,2001)、心筋梗塞の既往があれば投与すべき
である(表1)。

実際、我が国の「慢性心不全治療ガイドライン」(2005 年改訂版)や米国の「ACC/AHA心不全ガイドライン」
(2005年改訂版)でも、無症候性(前者はNYHAI、後者
はstage B)からのβ遮断薬の早期投与が推奨されている
(図1)。
図1 慢性心不全のステージ別治療 
日常臨床の経験において、心筋梗塞既往に限らず、NYHAIからの投与により後述するようなリバース・リモデリングが期待できる。
拡張型心筋症 (DCM)に対するβ遮断薬療法の有用性
は高い。
ハイリスク高血圧患者や拡張機能不全では、その有用性はまだ確立はしていないが、特に、狭心症・心房細動・心肥大の合併例で期待できる。
NIKKEI MEDICAL 2007.12 版権 日経BP社
<コメント>
NYHAⅠ(無症候性)という言葉を聞く度にドキッとします。
OO年前の大学在局時代のこと。
ある循環器系の全国学術集会での同僚の発表の際の出来事。
心不全と体液因子に関する発表で、フロアから NYHAⅠは心不全といっていいのかという鋭い質問が演者に。
同僚は壇上で立ち尽くしてしまいました。
私にとっても今でもトラウマになっています。
アップレギュレーションの考え方から、気管支喘息に選択性の少ないベータ遮断剤を少量使用するという方法は呼吸器領域でないのでしょうか。
もちろん非発作時のことですが。
またリンパ球のベータ受容体数の測定は、結局のところ臨床には応用されなかったようです。
他に 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/ があります。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)