| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 |
昨日の続きです。http://blog.m3.com/reed/20071215
特別企画 Bayer Stroke Forum 2007 モーニング・ディスカッション
出席者(敬称および所属 略)
司会 北川一夫、井上 亨 討論者 吉村紳一、古谷大典、黒田 敏、山本晴子 ゲスト Carlo Patrono、Kevin M.Cockroft
CEA/CAS周術期の抗血小板療法の実際は?
CAS施行前後はアスピリンベースの併用療法を進める
井上
続いて討論後半に移ります。
最初のトピックは、頚部脳血管の外科的治療時の抗血小板療法です。
序論としてCockroft先生,米国の現状を解説していただけますか。
Crockroft
2007年に米国心臓学会財団(ACCF)と血管治療関係の4学会が発表した、CAS周術期の抗血栓療法に対する見解を紹介します(図1)。

まず頚動脈ステント留置術(CAS)施行前は,アスピリンとクロピドグレルの併用を少なくとも4日間続けることを推奨しています。
アスピリンは81~325mg/日、クロピドグレルは開始時300~600mg、以後75mg/日を投与します。
ただ実際の臨床では、ほとんどのCAS適応例には既にアスピリンが処方されています。
一方,施行時は抗血小板療法を中止し、ヘパリンの静注に切り替えます。
その際、ACT(活性化全血凝固時間)を250~300秒に維持します。
そして施行後は,、アスピリンとクロピドグレルの併用を再開。
通常クロピドグレルは最低30日間、アスピリンは無期限に継続投与します。
経過観察は、頚動脈超音波法によりCAS施行後30日以内、半年時点、その後は年1回のぺースで行います。
なお、CAS適応の判断をめぐっては今も議論が続いています。
「適応あり」と合意されているのは、CAS施行前に頚動脈・前頚部手術を受けていたり、頚部放射線治療歴があったりする場合に限られます。
麻酔に関係する心血管リスク因子や、頚動脈内膜剥離術(CEA)のリスク因子である年齢に関しては、明確な合意が得られていません。
またCAS適応例が、必ずしも保険適用例に一致しないという問題もあります。
井上
米国と同様、日本でもCASやCEAを実施する場合、血栓症を回避するため、一般に抗血小板薬が投与されます。
しかし日本では、その使い方は医師や施設によって異なるのではないでしょうか。
黒田
CEA施行患者の場合、たいてい抗血小板療法を既に受けていますから、われわれは基本的に施行前日まで何じ抗血小板療法を続行しています。
中止するのは、施行当日の朝だけです。
井上 CASの場合はどうでしょうか。
吉村
CAS施行例は心合併症などによる高リスクの症例が多く、施行前に循環器内科医と協議しながら抗血小板療法を行っています。
多くの場合、施行前はアスピリンにクロピドグレルを併用します。
施行後も1~3か月は両薬を併用し、その後はアスピリン単独に切り替えています。
CEA施行例では対側病変も考慮し抗血小板療法を継続
井上
日本でもアスピリンをベースに併用療法を進めるのは共通認識になってきていますが、アスピリンに追加する薬剤については定見がないのが現伏です。
血栓予防と出血リスクの兼ね合いを考慮し、適切な追加薬を見極めていく必要があります。
また、CAS/CEAを要する患者は冠動脈疾疾患を有することが非常に多く,最近は冠動脈にDES(薬剤溶出ステント)が留置されている患者も増えてきています。
DES留置患者には抗血小板療法を強力かつ長期に続ける必要がありますが,この点についてはどう考えられますか。
吉村
現在日本で使えるDESの種類は欧米ほど多くありませんが、術後慢性期に急性閉塞を末す例が年間0.5%程度あります。
しかもDESの導入当初は、特に主幹部に留置されるケースが多く、突然死を来すこともありました。
このため、外科手術に祭しても「抗血小板薬の併用療法を休止しないでほしい」と強く要望されることがありました。
しかし最近では、あえてベアメタルを用いて抗血小板薬を減量あるいは中止できる状態に導き、後に他の手術を施行しうる余地を残しておく工夫もなされているようです。
井上
患者の状態を見極めて治療法を選択することが重要というわけですね。
では、CEA施行部の対側に中等~高度狭窄が見られる場合は,どのようなことに注意されていますか。
黒田
対側に狭窄を有するCEA施行例を長期観察すると、数年以内に対側の病変が進展してくることが多いです。
いずれ対側にもCEAあるいはCASが必要になってくるわけで、日本でも最近そうした例が増えてきています。
ですから、CEA施行後も抗血小板療法をしっかりと継続し、半年置きにMRAなどの画像検査を行い、経過を観察し続けることが重要であると考えています。
井上
頚動脈狭窄病変というのは片方だけでは完結しませんので、対側病変も考慮しながら治療を進めていく必要がありますね。
Medical Tribune 2007.12.13
版権 (株)メディカル トリビューン
<コメント>
カテゴリの抗血小板療法をクリックいただくと今までの関連記事がでます。
抗血小板剤どうし(2種類)の併用療法。意外とエビデンスはそろっていないように思います。
徐放性ジピリダモールとアスピリンの配合剤「アグレノックス」(製品名)という薬剤も海外ではあるようです。
個人的には当面この路線での併用を考えていきたいとおもいます。
<参考サイト>
脳梗塞に対する抗血栓療法
http://www.lifescience.jp/ebm/medhist/0309/0309.htm
脳卒中予防の新展望:2006年AHA/ASAガイドライン
http://blog.goo.ne.jp/aromadrug/m/200704
[PDF] 冠動脈疾患を伴った虚血性脳血管障 害患者の抗血栓療法
www.kessen-junkan.com/2007031501/Q13.pdf
他に 「井蛙内科/開業医診療録」
http://wellfrog.exblog.jp/ があります。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)