戯れ言たれる侏儒
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心腎連関とは(その1)1/3  http://blog.m3.com/reed/20071206 

心腎連関とは(その2)2/3 http://blog.m3.com/reed/20071207 

の続きです。 

出典はMedical Tribune 2007.11.22です。

ARBが腎臓を介して心血管病を減少させる可能性も
以上の検討から、腎臓病は心血管病に合併しやすく、そうした合併は予後を著明に悪化させることが明らかになった。
では、そうした病態にはどんな対策を取るべきか。

鈴木氏はかつて,左室駆出率55%未満、クレアチニンクリアランス50mL/分未満の”心腎不全'” 56例で厳格な降圧と通常の降圧を比較した。
その結果、目標血圧120/75mmHgの厳格群では、130/80mmHgの通常群に比べ左室駆出率とGFR、生存曲線が改善した。
こうした心腎不全例では、120/75mmHgの厳格な降圧を目指すことがまず必要になると言える。

降圧薬は何を用いるべきか。
心血管病抑制のエビデンスが豊富な降圧楽と言えばARBである。
同氏はこの点について、「実はARBは、腎臓を介して心血管病を減少させる可能性がある」と語る。

すなわち、ARBは
①蛋白尿・アルブミン尿の減少により心血管病を減少させる
②腎機能改善、心不全改善、心房細動減少から脳卒中を減らす
③腎でのインスリン代謝改善、糖尿病の発症抑制により心血管病を抑制する可能性がある

これらの機序が腎臓を介しているのではないかというのである。

例えば、心房細動は、CHARM、LIFE、Val-HeFT、VALUEのいずれにおいても、ARBがこれを有意に減らすことが確認された。

糖尿病に関しては、今年のLancetにNetwork meta-analysisによる検討が掲載された。
それによると、ARBの糖尿病発症予防作用が、各種降圧
薬のなかで最も優れていた。

心不全ではどうか。
ハイリスク高血圧患者でARBバルサルタンとCa拮抗薬アムロジピンを比較したVALUEでは、両群の心不全発症に差がなかった。
ところが、両群の単剤治療例だけを抜き出した成績では、バルサルタン群で有意な相対リスク低下(ハザード比0.63,95%信頼区間0.481-0.862、p=0.004)が認められた(図5)。


この結果は、ハイリスク高血圧患者の心不全発症に対する
バルサルタンの作用を、端的に示す興味深い成績である。JIKEI HEARTStudyでも、同様の心不全抑制が報告されている。
 
血圧治療において注目されるバルサルタンのNa利尿作用
最後に鈴木氏は、ARBというクラスの中でのバルサルタンの位置付けについて言及。
バルサルタンは、ほかのARBとは異なる特徴を有するARBではないかと述べた。

一般に、ARBのみならずRA系抑制薬の降圧効果には人種差、性差、年齢差が存在すると言われている。
黒人、女性、高齢者で効果が弱いのである。
ところがバルサルタンの降圧効果は、人種や性別、年齢でほとんど差がない()。


この点は最近のメルクインデックスにも記載されており、同氏は「我々もバルサルタンの位置付けを再考すべき」と語る。

これら黒人、女性、高齢者の高血圧に共通するものは、食塩依存性高血圧である。
バルサルタンがこれらの高血圧に効果を示すのは、Na利尿
をもたらすためではないか

鈴木氏は仮説を提示し、「これはVALUEやJIKEI HEARTでバルサルタンが優れた心不全の改善を示したこととも一致する」と言う。
つまり、ALLHATで利尿薬がCa拮抗薬やACE阻害薬より優れた心不全予防作用を発揮したように、心不全では水分を除去することが最大の治療となる。
バルサルタンの高血圧患者の心不全に対する好影響には、Na利尿も寄与しているのかもしれない。
 
ちなみに同氏は、腹膜透析(CAPD)患者でバルサルタンが除水能を増加させることを示唆する結果を得ている。
従来降圧治療と比べて、バルサルタンはCAPD患者の尿量を増加(図6)、血清クレアチニンを減少、さらには残腎腎機能、腹膜クリアランスを改善したという。


鈴木氏は「現時点ではバルサルタンのNa利尿作用はまだ確立したものではない」としつつ、心腎連関という視点からは大きな意味を有してくる可能性を指摘して、講演を締めくくった。

<コメント1> 
利尿作用についてはCCBも腎血流量増加を介した効果として以前から言われています。。
最近はこのCCBについては糸球体内高血圧との関連から 輸入動脈、輸出動脈の拡張の概念からややこしくなって来ました。
一般的に、ARBがCCBに比較して利尿作用が強いということなのでしょうか。 
利尿作用にバルサルタンの降圧効果の人種差がないことを理由として求めるのなら、CCBも同じということになりそうです。
何だかよくわからなくなって来ました。 
 
<コメント2>
以下の論文が示唆的です。

慢性腎疾患をどのように定義し分類すべきか?
http://www.natureasia.com/japan/ncp/ncpneph/pp/0601/1.php

他に  「井蛙内科/開業医診療録」 http://wellfrog.exblog.jp/があります。

 

 

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