| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 |
Medical Tribune の掲載記事で勉強しました。
第55回曰本心臓病学会学術集会ランチョンセミナー
「心腎連関とは」 心血管病の予後は腎臓が決定する
腎臓は生体のさまざな情報を受け取り、かつ発信する"世界の中心"、かつ発信する"世界の中心"であり、心血管病の予後を決定する。
ARBの心血管病抑制作用も,実は腎臓を介している可能性がある。
第55回日本心臓病学会学術集会のランチョンセミナーでは、埼玉医科大学腎臓内科教授の鈴木洋通氏が「心腎連関とは」と題して講演。
自らの約20年にわたる臨床経験と基礎研究を踏まえ、腎臓が心血管系の制御に中心的役割を果たすとの考え方を示すとともに、その立場から心血管病の発症やARBによる抑制作用について考察した。
座長は、旭川医科大学名誉教授の菊池腱次郎氏が務めた。
腎臓は情報を受け取り発信する”世界の中心”
鈴木氏は、腎臓が”世界の中心”であるとの考え方を提唱する。
その理由は、生体のさまざま情報を受け取り、かつ発信する中心として、腎臓が機能しているからだ。
腎臓、とりわけ輸入細動脈と尿細管、糸球体の3者が接する傍糸球体細胞には、さまざまな情報が集まってくる(図1)。

すなわち、物理的情報(血圧、血流など)、化学的情報(ホルモン、ペプチド、イオン濃度など)、生物物理学的情報(交感神経活動など)である。
そして、傍糸球体細胞は情報の発信にも関与する。
Na濃度低下や腎動脈圧低下、交感神経活性亢進などの情報を受け取って、傍糸球体細胞がレニンを分泌すると、レニンはレニン基質に作用してアンジオテンシンI(AI)を生成する。
AIは生物活性をもたないが、組織でアンジオテンシン変換酵素(ACE)により強力な活性をもつAⅡに変換される。
AⅡは,腎臓ではNa貯留や血圧昇をもたらし、副腎ではアルドステロン合成分泌を促進。
中枢神経系では口渇による飲水行動を惹起する。
同氏は「腎臓を”世界の中心”たらしめているのは,レニン・アンジオテンシン(RA)系である。
RA系は生体内の情報コントロールに中心的役割を果たす」と指摘した。
腎臓はマクロ因子と調節因子で血圧を調節
腎臓は,マクロな調節因子とミクロな調節因子によって血圧調節に中心的役割を果たしている(図2)。

マクロ因子とは腎交感神経、腎血流量、圧Na利尿機構であり、ミクロ因子とは糸球体内圧、尿細管 - 糸球体フィ-ドバック機構のことである。
圧Na利尿機構とは、腎灌流圧が75~200mmHgの範囲で保たれていれば腎血流量と糸球体濾過量も一定に保持(腎自動能)、摂取したNaをそのまま尿に排泄するシステムである。
ところが腎臓に何らかの障害が生じると、灌流圧を上げることでしか蓄積されたNaを排泄できなくなる。
一方,腎交感神経機構とは、圧受容体で血圧上昇を感知すると交感神経活動が低下、血圧が低下すると交感神経活動が亢進するシステムである(圧受容体反射)。
鈴木氏らは、高血圧自然発症ラット(SHR)を用いた実験で、各種降圧薬の長期投与が圧受容体反射を改善させることを見出した。
そして、こうした圧受容体反射の改善は、心血管病変を起こりにくくする可能性があるという。
腎血流に関しては、水腎症ラットモデルを用いた実験で検討。
潅流圧またはAII濃度を上げると、輸入細動脈の径が縮小し、そこにCa拮抗薬を投与すると元に戻ることを確認した。
したがって、腎臓では圧という物理的変化とAⅡという化学的変化が同一である可能性があるという。
腎臓や血圧の情報が心血管病について教えてくれる
以上の生理学的検討を踏まえ鈴木氏は、腎臓病と心血管病の関わりについて考察。
「病気は物理(血行動態の変化)と化学(代謝・異常)で起こる」という視点を提示した。
糖尿病を例にとると、同氏らは1995年ごろから高血圧と高血糖が存在しないと腎障害は生じないのではないかと考えていた(図3)。

その数年後にBrennerは、低体重の糖尿病患者が腎症を発症する機序について、糖代謝異常と高血圧の両面から説明。
「やはり物理と化学だ」と意を強くしたという。
実際,最近注目される慢性腎臓病(CKD)の多くは、高血圧と糖尿病の合併例である。
鈴木氏らが実施した大規模臨床試験E-COSTでも、腎臓が心血管病に関係することが示唆された。
高血圧患者を対象に、ARBを含む治療と含まない治療が比較された。
その結果、非腎障害患者ではARBにより既往歴あり例の脳卒中再発が減少したのに対し、腎障害例では既往歴あり例の心不全再発が有意に抑えられた。
この結果は、心腎連関ないし脳心腎連関の存在を示唆し、既往歴を有するハイリスク高血圧には、ARBが求められることを明らかにしている。
では、腎障害はなぜ心血管病を招くのか。
鈴木氏は「腎臓とは血管そのものの臓器であり、腎障害に現れた血管の構造や機能の変化が、血圧などを介して心臓や脳に波及する」と説明した。
この点からは、腎機能や血圧値が心血管病に関する有用な情報を提供する可能性が出てくる。
これが、”心腎連関”を強調する意義なのである。
Medical Tribune 2007.11.22
<コメント>
セカチュウをたとえにしたお話です。
CKDについて私がよくわからないのは、原因が高血圧、糖尿病、そして両者の合併、慢性糸球体腎炎やIgA腎症などの非高血圧・非糖尿病性の場合といろいろあることです。
たとえば慢性腎炎によるCKDが心血管障害が高血圧、糖尿病性と同じように起こるのでしょうか。
ここがいつもわからなくなってしまうところです。
他に 「井蛙内科/開業医診療録」 http://wellfrog.exblog.jp/があります。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)