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昨日は、HDL-Cを上昇させるコレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害薬torcetrapibについて少し触れました。
HDLを上昇させる薬剤があればということは、循環器医なら誰でもが考えることです。
きょうはILLUMINATE (Investigation of Lipid Level Management to Understand its Impact in Atherosclerotic Event)について勉強してみました。
目的
心血管疾患高リスク患者において,HDL-Cを上昇させるコレステロールエステル転送蛋白(CETP)阻害薬 torcetrapibの心血管疾患抑制効果をみるために,HMG-CoA reductase阻害薬atorvastatin単独投与に対してatorvastatinとtorcetrapib併用により検討する。
一次エンドポイントは主要な心血管イベント(冠動脈疾患[CHD]死+非致死的心筋梗塞(MI)+脳卒中+不安定狭心症による入院)。
結論
torcetrapib治療により死亡,合併症が増加したが,その理由は明らかではない。同剤による予期しなかった効果がないわけではなかったが,CETP阻害薬に関連する有害反応を無視するわけにはいかない。
以下、 寺本民生先生 (帝京大学医学部内科教授)の解説です。
スタチンによるLDL-C低下療法の意義についてはほぼ確立し,一段落した感がある。
しかし,それでもイベント抑制効果は30~40%である。
さらなる抑制効果をもとめて,HDL-Cの上昇効果が期待されている。
CETP阻害薬であるtorcetrapibは確実なHDL-C上昇効果と合わせてLDL-C 低下効果を示した。
しかし,逆にtorcetrapib群で心血管イベントの有意な増加が認められた。
これが,torcetrapib自体の問題なのか, CETP阻害自体の問題なのか以前より問題となっていた。
十分な慎重な検討が必要であるが,torcetrapib群では収縮期血圧が5.4mmHgも上昇しており,これも一因と考えられる。
また,torcetrapib群では血清Kの低下,Naの増加,アルドステロンの増加をみており,レニン-アンギオテンシン系の活性化が血圧上昇の説明因子になるかもしれない。
致死的脳卒中がtorcetrapib群で増加しているのは血圧で説明できるかもしれないが,むしろ癌や感染症での死亡率が高い点が問題となろう。
hhttp://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002622.html
(ILLUMINATEについてもう少し詳しく知りたい方はこのサイトをご覧下さい。)
HDLコレステロールも質が問題
http://blog.m3.com/reed/20071203
<コメント>
現段階では、夢のHDL-C上昇(増加)薬登場というわけにはいかないようです。
それ以前に、HDL-C、LDL-Cを善玉と悪玉と決め付けてしまうことにも問題があるのかも知れません。
鈴木信太郎 すすきの野 油彩6号http://page19.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/x27709067
他に 「井蛙内科/開業医診療録」 http://wellfrog.exblog.jp/があります。
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