戯れ言たれる侏儒
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HDLコレステロールも質が問題                                期待外れに終わる研究が多い
Medical Tribune 2007.10.11              の記事から勉強してみました。

〔ワシントン〕クリーブランド・クリニック(オハイオ州クリーブランド)循環器内科のMehdi H.Shishehbor博士らはランダム化比較試験31件に関するレビューから、「善玉」コレステロールであるHDLコレステロール(HDL-C)を増やす多くの薬剤についは、現時点では使用を推奨できる証拠は少ないが、新しい作用機序の薬剤の開発も進んでいるJAMA(2007;298:786-798)に発表した。

HDLC対象のアプローチは複雑
心臓発作と関連する心血管疾患の40%はHDL-C値が低い人で発症しているため、研究者らは長い間、血流中でHDL-C量を増やすための薬剤を探索してきた。
しかし,Shishehbor博士らは「LDLコレステロール(LDL-C)を低下させるための努力は一貫して心血管疾患リスクを低減してきたが、HDL-Cに基づくアプローチははるかに複雑で、期待外れの結果に終わることもある」と結論し、結果として基本的にLDL-Cに集中すべきとしている。

米国心臓協会(AHA)の広報担当者で小児病院オークランド研究所(CHORI、カリフォルニア州オークランド)アテローム動脈硬化症研究部のRonald Krauss部長は「HDL-Cを増加させる薬剤すべてが必ずしも有益ではないという点が新情報だ」と述べている。

シダース・サイナイ医療センター(ロサンゼルス)アテローム動脈硬化症研究センターのPrediman K. Shah所長は「HDL-CはLDL-Cよりはるかに複雑な問題だ」と指摘。
「HDL-Cの量だけでなく,、その種類や機能が優れているかどうか、あるいは正しく働かないタイプかどうかといった質
も重要である」としている。

HDL-Cには多くの種類があり、そのすべてが心臓と血管に良好に作用するわけではない。
よい種類は肝動脈から脂肪を運び出し、細胞膜などで機能すると思われるが、HDL-Cの大きさ、濃度、健康を維持する能力を決定する他の化学的性質はかなり多様である。

減量,運動,禁煙が最も安全
ある種のHDL-Cは動脈の障害物を除去するのではなく、詰まらせて炎症を増大させることさえあり、現在、医師が患者に対して実際に良質な種類の「善玉」タイプと「悪玉」タイプを識別する方法を教示することは困難である。
今のところ、このタイプを総別できるのは、研究所で行われる高価な試験のみである。

今回の研究によると、幸いなことにライフスタイルの改善は副作用を伴わずに役立ちそうだ。
Shishehbor博士は「HDL-Cを増やす最も安全な方法は減量、運動、禁煙だ」と述べている。

非飲酒者が心臓保護のために飲酒することは勧められないが、今回のレビューから男性で1日1~2杯、女性で1杯の中等度のアルコール飲用の効果を裏づける証拠も見出した
さらに、魚または魚油によるのω3不飽和脂肪酸摂取量の増加がHDL-Cを上昇させると示唆している。

薬理学的方法としてHDL-Cを増やすために現在入手できる最も有効な薬剤は、高投与量のナイアシンであることがわかった。
同博士は「スタチン、ナイアシン、フィブラートはHDL-Cを増加させる薬剤であるが、副作用には注意する必要がある」と
述べ、綿密な医学的管理を勧めている。
                                                            Shah所長は、少なくとも患者の3分の1は、高投与量のナイアシンを許容できないとし、「人々に嫌悪をもたらす最も多い副作用は、耐え難い場合もあるほどの潮紅と癌痒感である」と述べている。
また、この間題を最小限に抑える方法もあるが、すべての人に効果があるわけではないという。

新薬の開発に期待
Shah所長は新しい薬剤についても言及している。
torvetrapibの試験は、同薬が死亡リスクを増やし、血圧を上昇させることから突然終了となった。
糖尿病治療薬のチアゾリジン誘導体はHDL-Cを増やしたが、同時に心血管障害リスクも増加させる可能性がある。

一時期大きく推奨された減量薬で、マリファナにより活性化する脳の受容体を阻害するrimonabantは確かにHDL-Cを増やすが、米食品医薬品局(FDA)は最近、同薬がうつ病などの精神障害リスクも増加させると予想されたため承認をしなかった。

Shishehbor博士は「最近のネガテイブなHDL-C試験結果にもかかわらず、この分野は非常に活発で、発見のペースは信じ難いほど速い」としている。少なくとも,新しい作用機序を有する1つの薬剤が試験中で、また3つ以上の他のアプローチから新しい薬剤が開発段階にある。

血中HDL-C値が35mg/dL未満の人は、65mg/dL以上の人と比べて心疾患リスクが8倍も高い。
HDL-C値が低い人は女性では3~6%だが、男性ではおよそ16~18%を占めている。

 

佐伯祐三   リュクサンブー~    リト
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他に  「井蛙内科/開業医診療録」 http://wellfrog.exblog.jp/があります。

 

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