戯れ言たれる侏儒
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Doctors Blog

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新着のMedical Tribune誌の心不全の特集が目にとまりました。

ARBを販売している某メーカーの提供記事のため、バイアスがかかっているかも知れません。

先生方はすでにご存知のことばかりと思いますが、知識の整理ということで載せてみました。

司会は熊本大学大学院循環器病態学 小川久雄教授、出席の先生は県内の病院勤務の方達です。 

出典 Medical Tribune 2007.11.22

斉藤三郎 画   少女 イザベル  パステル画
http://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/92823901
 

特別企画 

日本人の心を護る

~虚血性心疾患から心不全の発症を防ぐ~ 

司会
近年わが国では、肥満者や高齢者が著しく増加しています。この方たちは,糖尿病や高血圧の発症リスクを高め、ひいては、心血管系イベント(CVD)や心血管死を増やすため、大きな問題となっています。
そこで本日は、”肥満者や高齢者のCVDをいかに防ぐか?”について、考えてみたいと思います。
はじめにCVDの一次予防のあり方について伺いましょう。

メタボリックシンドロームの-次予防は血圧管理から
A先生
メタボリックシンドローム(MetS)の構成因子には、血圧高値、耐糖能異常、脂質代謝異常がありますが、基盤を成す
のは肥満(内臓脂肪蓄積)
であり、CVDの一次予防は、内臓肥満に伴うインスリン抵抗性がポイントになると思います。
これには、運動と体重管理が重要ですが、現実的には、肥満の方で最初に発症しやすい高血圧を、CVDの発現抑制が認められているARBを用いて厳格にコントロールするようにしています。
ARBの糖尿病新規発症抑制にも期待しています。

B先生
肥満者は,内臓脂肪の蓄積により、インスリン抵抗性やTNF-α・PAI-1の発現増加、抗動脈硬化作用をもつアディポネクチンの低下などが起こり、CVDが発現しやすい状態にあります。
また肥満者では,インスリン抵抗性や脂肪細胞の肥大化により、アンジオテンシンⅡ(AⅡ)の産生が亢進しています(図1)。


CVD抑制のためには、血圧を厳格にコントロールすることが最も重要であると考えています。
薬剤による治療介入を行う場合、降圧効果に差がないのであれば、患者さんの病態により適している薬剤、肥満者のようにAⅡが亢進した状態が予めある場合にはARBを用いた降圧療法が最適だと考えます。

高齢者の冠危険因子に応じた降圧療法
司会
高齢者のCVDの発現抑制についてはいかがでしょうか。

A先生
一般的なCVDのリスク因子は高齢者でも同じですが、高齢者では加齢に伴い腎機能が低下し、血圧が上昇している
症例が多い
点で異なります。
腎機能低下は血圧上昇を招き、逆に血圧上昇は腎機能低下をもたらすという、高齢者はまさにこの悪循環のなかにいることが予想されます。
CASE-Jでは,カンデサルタンが腎機能の悪化を特に高齢者で大きく抑制することを認めました。
高齢者の降圧療法においても,カンデサルタンをベースに用いることが適切だと考えています。

CVDと慢性腎臓病の-次予防
司会
CVDのリスク因子として慢性腎臓病(CKD)が注目されていますね。

D先生
肥満をベースとするMetSの方、特にその構成因子保有数が増えるに従い、CKDのリスクが高まります(図2)。


腎機能障害は、糖尿病以上に、CVDの発現に最も大きく寄与する因子であることがCASE-Jにおいて示されており、高血圧治療機能を保っていくことは非常に重要です。
CKDは腎疾患というより、むしろ動脈硬化性疾患としてとらえ、われわれ循環器専門医が積極的にCKDの重要性を認識していくべきだと思います。
CKDを発症している方では、すでに全身の動脈硬化が進行していますが、CKDはさらに動脈硬化を進行させ、逆に動脈硬化はCKDを悪化させるという悪循環を形成します。
CKDを発症すると、血圧は130/80mmHg未満、LDLコレステロール120mg/dL未満と、通常の目標値より厳しくコントロールしていかなければなりません。
より早期にCKDを発見し治療介入していくことが大切です。

E先生
 CKDはCVDの明らかなリスク因子ですが、それだけではなく、CKD後の治療や予後にも影響します。
例えば冠インターベンション(PCI)を実施する際、腎障害がある方では、造影剤1つ使うにしても造影剤腎症を懸念し、細心の注意を払わねばなりません。
さらに、CKD患者さんでは、治療薬剤の選択肢が狭くなります。
このような理由から、腎保護を意識した治療は非常に重要ですが、腎保護を臨床的に実感することは困難です。
したがって,カンデサルタンのように、日本人で腎機能障害の進行抑制が認められている薬剤を中心に用いています。

F先生
カンデサルタンは、安定した降圧効果に加え、CKDの進行抑制や、糖尿病の新規発症抑制もCASE-Jで認められておりリスク因子の管理、CVDの抑制により効果的であると考えています。

CVDの二次予防を目的としたリスク管理
司会
続いて、糖尿病合併高血圧症患者さんに対するインターベンション、二次予防について伺いたいと思います。

F先生
糖尿病合併高血圧症患者さんは腎機能低下例が多いので、造影剤の使用量を極力少なくして造影剤腎症の予防に努めています。
再狭窄は薬剤溶出性スント(DES)の登場により減少したものの生命予後は改善されていないため、生命予後の改善には、新規病変のイベントを抑制していかなければなりません。
そのためには 、薬剤介入によって血圧・血糖を厳格にコントロールしていく必要があります。
また、糖尿病患者さんは全身性の動脈硬化を有しているため、PCI施行前に脳血管、腎血管、末梢血管をきちんと評価したうえでインターベンションを行うよう心がけています。

G先生
糖尿病患者さんの冠動脈はびまん性に病変があるうえに従来のベアメタルステント(BMS)を使用したインターベンションでも再狭窄率が高いため、再狭窄抑制効果の高いDESの使用を念頭に置きます。
ただ、DESは長期にわたる強力な抗血小板療法が必要であるため、当院では抗血小板薬の忍容性を確認したうえで使用する方針としています。
また、PCI後の再発抑制のために、薬剤療法のみならず、運
動療法や食事療法も含めた包括的心臓リハビリテーションを積極的に行っています。

A先生
二次予防のためには、血圧、血糖、脂質とも一次予防より厳格な管理が必要ですので、積極的に薬剤による治療を行っています。
当院ではPCI後のフォローは実地医家の先生方にお願いしていますので、実地医家の先生方とのコミュニケーションにも力を入れています。

D先生
私も、二次予防のためにはリスク因子の厳格な管理が必要だと考えます。
血圧にはARBまたはACE-I、血糖管理にはチアゾリジン系薬剤、脂質管理には水溶性スタチンといった、エビデンスのある薬剤を中心に選択しています。
そして、二次予防でも生活習慣の改善、特に運動をしっかり行うことが大切だと思います。

<コメント> 

「CKDを発症している方では、すでに全身の動脈硬化が進行しています」 ・・・・


CKDについての議論で、いつも疑問に思うのはCKDの背景すなわち原因としての高血圧や糖尿病などが患者によっていろいろだということです。

すなわちどちらがclinical entityであるのか混乱してしまいます。

慢性糸球腎炎やIgA腎症もCKDに入ってくるわけですから、これらの疾患のとりわけ若い患者さんも 「全身の動脈硬化が進行」ということになるのでしょうか。

高血圧性腎症、糖尿病性腎症という表現の方がよほど(原因別ということで)すんなり心に入って来る(理解しやすい)と思うのは私だけでしょうか。

  


他に  「井蛙内科/開業医診療録」 http://wellfrog.exblog.jp/があります。

 

 

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