戯れ言たれる侏儒
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新着のMedical Tribune2007.11.15からのご紹介です。 

Bayer Stroke Forum 2007(東京)

抗血小板療法の最新動向

(欧米の専門家が臨床的注目店を説く) 

という講演会でのイタリア・カトリック大学 薬理学

Cario Patrrono教授の講演です。 

アスピリンレジスタンス:事実か流行か?その2 (2/2)

アスピリン抵抗性を見極める  理想的指標は血清TXB2濃度

続いてPatrono氏は,さまざまな血小板凝集能の測定結果を示し,その不確実性を明らかにした。

アスピリンは,、血小板シクロオキシゲナーゼ(COX)-1活性を抑制し、トロンボキサン(TX)A2生合成を阻害して血小板凝集能を抑制する。
血小板凝集は,ex vivoでアデノシンニリン酸(ADP)やアラキドン酸などを多血小板血漿に添加すると誘発される。
血小板凝集能は、その血漿の光透過性の測定によって評価される。
ただし血小板凝集能は、心理ストレス・年齢・性・人種・食事・ヘマトクリット値によって変化する可能性がある。
血小板凝集能の変化と、in vivoでの血小板の活性化や抑制との関係も解明されていないという。
同氏らは最近、健康成人に低用量アスピリン(100mg/日)を1~8週投与し、血小板凝集能の変化を調べた。
するとADP誘発性血小板凝集能は、投与3週後に最も抑制きれ、1~6週後は投与前と比べて有意に抑制され続けた。しかし7週後から有意差はなくなり、8週後に投与前の水準に戻った。
一方、アラキドン酸誘発性血小板凝集能は、投与後1~8週
を通じて有意に抑制された。
急速血小板機能検査(Verify Now Aspirin Assay)でも,血小板凝集能は投与1~8週後に持続的かつ有意に抑制されていた。
なお、こうした変動パターンには個人差があり、同一人物であっても変動幅が大きいこともわかった。

さらに同対象の血清TXB2(TXA2の安定加水分解物)および尿中11-デヒドロTXB2の濃度を測定したところ、アスピリン投与1週間後から、いずれも有意に抑制された(図2)。
しかし、血小板凝集能をアスピリン抵抗性の閾値未満群に分けて解析すると、いずれのTXB2濃度も両群間で有意差が示されなかった。



以上の検討結果を踏まえ,同氏は「血小板凝集はあいまいな現象で,臨床的診断の対象とはなり得ない。
このため米国胸部疾患学会(ACCP)や欧州心臓学会(ESC)、国際血栓止血学会(ISTH)は血小板凝集能の検査、それを考慮した治療の変更に反対する勧告を出した。
一方、TXA2生合成はアスピリンの抗血小板作用を直接反映するから、血清TXB2濃度の測定はコンプライアンスの不良や血小板COX-1阻害の程度を推し量る理想的指標になる」と説明した。

薬力学的相互作用や炎症反応  
   亢進などの解明も期待される


では,アスピリン投与で十分な抗血小板作用が得られないのはどのような場合か。
Patrono氏は、
①非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)との薬力学的相互作用
②炎症反応亢進
③血小板ターンオーバー
が関与する可能性を指摘。
その根拠として最近の報告例を提示した。

①については、例えば抗血小板作用はアスピリンとイブプロフェンを併用すると減弱するが、アスピリンとCOX-2阻害薬の併用時は減弱が見られないとの報告がある(N Engl J Med 345: 1809-2001)。
同氏は「イブプロフェンは,アスピリンによる血小板COX-1の不可逆的不活性化を妨げる。
その臨床的意義の本質は不明であるが、アスピリンを服用している患者には、その効果を妨げないNSAIDsを選択するといった工夫が求められる」と補説した。

②③は、Eikelboomらの研究からうかがえる。
彼らは、アスピリン療法中の高リスク患者における持続的なTXA2生合成が、他の因子から独立した血管イベント発生リスクの予知因子となると報告(Circulation 1O5: 1650-2002)。
COX-2活性化に伴う炎症や血小板再生の増強を介し,
TXA2生合成が新たに生じる可能性をも示唆した。
同氏は「この臨床的意義は現在、脳血管疾患例に対する
低用量アスピリンとTXA2'受容体拮抗薬の効果を比較する無作為化試験で検討されている」と付言し、講演を締めくくった。


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