戯れ言たれる侏儒
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新着のMedical Tribune2007.11.15からのご紹介です。 

Bayer Stroke Forum 2007(東京)

抗血小板療法の最新動向

(欧米の専門家が臨床的注目店を説く) 

という講演会でのイタリア・カトリック大学 薬理学

Cario Patrrono教授の講演です。 

アスピリンレジスタンス:事実か流行か?その1 (1/2) 

抗血小板薬アスピリンは脳・心血管イベントの抑制に有用であるが、その効果が現れない例も存在する。
効果への期待が大きいだけに,臨床家はアスピリン使用例に見られるレジスタンス(抵抗性)の問題に注目している。
しかし、「アスピリンが効かない=アスピリン抵抗性」と判断するのは早計である。
Patrono氏は「近年"アスピリン抵抗性"に関する報告が相次ぎ、流行語化する様相も見受けられる。
事実と不明な点を明らかにしながら、この問題を考えたい」
と述べ、講演を始めた。

アスピリン抵抗性のみが血管イベントの再発原因ではない

Patrono氏はまず、アスピリン抵抗性をめぐる根本的な問題を概説し、臨床家の対応に懸念を示した。

アスピリン抵抗性に関する文献をインターネットの科学情報検索サイトPub Medで調べると、1,000件以上検出される。
うち2006年に発表されたのが約150件,2007年は8月末時点で約80件に上る。
だが、今のところアスピリン抵抗性の定義やメカニズム、頻度、臨床的意義は明確になっていない。
抵抗性の評価法も施設や医師によって異なる。

にもかかわらず"検査"の結果に基づき,治療法を見直す医師が少なくない。
同氏は「アスピリン抵抗性と判|折される例には"治療の失敗"も含まれる。
アスピリンの血管イベント抑制効果は証明されているが,すべてのイベントを100%防ぐわけではない」と強調した。

かつて同氏は,薬物療法で血管イベント発生を免れた症例数を縦軸、プラセボ群での血管イベント発生率を横軸とする図上に、種々の無作為化臨床試験の成績をプロット。
これを解析し、リスクが高くなるにつれて血管イベント発生予防例数が増えることを見出した(図1)。


血管イベントの発生率と抑制率には直線関係が存在し、直線の傾きが示すアスピリンの相対リスク抑制率は、リスクの程度にかかわらず約25%と計算された。
ちなみにスタチン・降圧薬の投与時も同様の関係が示され、各薬の相対リスク抑制率も約25%であった。
すなわち各薬物療法の絶対ベネフィットは血管イベント発生リスクに規定され、各薬を単独で用いた場合、4件のイベントのうち3件は防げないことが示唆されたわけである。

同氏は「アテローム性血栓症は多因子疾患であり、アスピリンはそれらの因子の1つである血小板活性化を抑制する役割をおもに担っている。
血管イベントの再発がすべてアスピリン抵抗性を意味するのではない」と語った。

「アスピリン抵抗性の臨床的意義を示す研究」に異議あり

次にPatrono氏は,アスピリン抵抗性の臨床的意義を示すエビデンスとして,しばしば引用されるGumらの研究
(J Am Coll Caldiol 41: 961, 2003)
の問題点を指摘した。

同研究では,冠動脈疾患例に低用量アスピリンを2年間投与。
治療開始時にアスピリンの血小板凝集能抑制効果が減弱していた群(アスピリン抵抗性群)17例と、そうでなかった群(アスピリン感受性群)309例の主要血管イベント発生率を比較した。
すると、抵抗性群のイベント発生率は24%で,感受性群の10%と比べて有意に高かった。

この結果について,同氏は「仮にプラセボ群を設けていたら,感受性群のイベント発生率10%と先述したアスピリンの相対リスク抑制率(約25%)から、プラセボ群のイベント発生率12~13%と推定される。
抵抗性群のイベント発生率が、これを大きく上回るのは理論的に説明がつかない」と首をかしげた。
その上で、次の3点が問題であるとの見方を示した。

①アスピリン服用の確認が十分でない(血中サリチル酸濃度測定や錠剤計数は行われていない)。
②血小板凝集能を治療開始時のみで評価し、その後の変動を考慮していない。
③総イベント数が少なすぎるため、アスピリン抵抗性に伴う臨床的帰結を過小あるいは過大に評価している可能性がある。
 
これらに関しては、Gumらも研究の限界として言及している。
しかし、同氏は「論文発表された結果と結語の間の乖離が大きすぎる。
アスピリン抵抗,性の臨床的意義を示す研究として支持し得ない」と明言した。

<コメント> 

奇しくも サッカーの日本代表を率いる66歳のオシム監督が脳梗塞で倒れて入院しました。

以前から体調が悪く薬剤を服用されていたとのこと。

心房細動があっての脳塞栓なのか、アテローム梗塞なのかなどまったくわかりません。

小渕前総理の治療についてもいろいろな憶測が流れました。

長島氏も心房細動が一過性だったのか慢性だったのか知りたいところですが。

この際、脳梗塞の予防と急性期の治療、そして再発防止について最先端の治療を見守りたいと思います。

オシム氏の回復をお祈りするのは勿論です。

オシム語録をまた聞かせて欲しいものです。 

 

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