戯れ言たれる侏儒
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脳卒中は脳血管障害により引き起こされる疾患で、高血圧はその最大の危険因子です。
従来、高血圧の治療は、圧負荷を軽減し脳血管を保護する治療と考えられて来ました。
しかし、最近では降圧だけではなくて、脳血管障害にかかわる神経体液因子の異常を是正する治療という考え方が注目されています。。そして、そのような治療において有用性が期待されているのがレニン・アンジオテンシン(RA)系抑制作用をもつ降圧薬です。

循環器科を「心臓病学」と捉えれば脳卒中は興味のない先生も多くみえるとおもいます。
しかし循環器科医で降圧剤に興味のない先生はいないはずです。
脳卒中予防と高血圧治療。
そして予防としての降圧療法は最も脳卒中に対して有効です。

循環器専門医にとっては専門外の腎臓領域の先生のお話は新鮮です。
同様に、神経内科領域の先生のお話もきっと違った切り口で勉強になると思って取り上げてみました。

教材は NIKKEI MEDICAL2007.11 からです。

 

降圧とRA系抑制からみた治療薬の選択
脳卒中における血管保護の重要性(その1)

熊本大学大学院医学薬学研究部生体機能薬理学分野教授
光山勝慶先生

大阪大学大学院医学系研究科
神経内科学(脳卒中センター)准教授
北川一夫先生
の対談形式で話が進行します。

最近の脳卒中の動向  脳梗塞による死亡率は増加
光山
現在、日本の3大死因は癌、心疾患、脳卒中ですが、脳卒中は、以前から欧米に比べ発症率、死亡率が高いといわれてきました。
最近の脳卒中の動向についてお話しいただけますか。

北川
日本人の脳卒中死亡率は1970年頃から70年代前半にかけて上昇し、一時は人口10万人当たり約180人に達しましたが、それをピークに下降に転じ、90年頃には約100人にまで減少しました。
しかし、90年代に入ってからは死亡率の低下が止まり、現在までほぼ横ばいの状態が続いています。
ですから、確かに死亡率が低下した時期はありますが、過去十数年の範囲でみると決して低下しているとはいえず、依然として国民病であると言えま
す。
また、脳卒中を病型別にみると、過去から現在にかけて大きな変化がみられます。
50年ほど前は、脳卒中死の大部分を脳出血死が占めていましたが、その後、脳梗塞死が増加して、70年代半ばには両者の関係が逆転しました(図1)。


現在、年間約13万人弱が脳卒中で死亡していますが、そのうち脳梗塞による死亡は約70%を占め、その数は約9万人にのぼります。

脳卒中は血管病  微小脳柵出血の診断が可能
光山
脳梗塞による死亡率が増加しているということですが、病型はどうなっているでしょうか。

北川
脳梗塞はラクナ梗塞と、アテローム血栓性脳梗塞、心臓から血栓が剥がれて脳動脈を閉塞する心原性脳塞栓の3つに大別されます。
ラクナ梗塞とアテローム血栓性梗塞はそれぞれ脳内細動脈および主幹動脈の動脈硬化により発症します(図2)。

光山
脳出血の病態について、新たに明らかになったことはありますか。

北川
最近は画像診断の進歩により、微小出血の診断が可能になりました。
例えば、大きな脳出血を起こした人の脳をMRIで観察すると、約半数で病巣から離れた部位に微小出血が認められるといわれます。
また、日本人に多い穿通枝領域の細動脈が詰まって起こるラクナ梗塞でも微小出血が高頻度に認められており、多発性ラクナ梗塞患者の70%で微小出血が検出されたという報告もあります
このように古い脳梗塞と思われていたものの-部が、実は古い出血であったという事がしばしば経験されます

脳卒中抑制のための降圧療法 厳格な降圧が予後を改善

光山
脳卒中の最大の危険因子は高血圧といわれますが、脳卒中の各病型と高血圧はどのようにかかわっているのでしょうか。

北川
まず、脳出血の最大の危険因子は高血圧です。
降圧治療が普及して脳出血は減少したといわれますが、現在でも脳出血の約80%は高血圧が原因で発症しています。
また、高血圧は脳梗塞の発症にも関係しますが、特にその影響が強いのはラクナ梗塞です。
ラクナ梗塞の発生部位である穿通枝に障害を来たす最大の要因は、高い血圧負荷による細動脈の硬化です。
それによって梗塞が発生しやすくなり、血管壊死を来すと出血が起こります。
つまり病態から考えるとラクナ梗塞は脳出血に通じるところがあり、それだけ高血圧の影響も強いといえます
アテローム血栓性脳梗塞は、その原因となる太い血管のアテローム硬化には糖尿病や高脂血症などが関係しますが、高血圧がアテローム硬化を促進することは確かです。
心原性脳塞栓は、一見高血圧とは無関係のようですが、高血圧は脳塞栓の最大の原因である心房細動の危険因子です。
間接的ですが、高血圧は心房細動を介して心原性脳塞栓の発症リスクを上昇させるといえます。

光山
どのような病型であっても脳卒中抑制の基本は降圧治療といえますね。
では、血圧をどこまで下げる必要があるでしょうか。

北川
脳卒中の抑制には、脳卒中をまだ発症していない人の対策(一次予防)と、すでに脳卒中を発症している人の対策(二次予防)があります。
日本脳卒中学会脳卒中治療ガイドラインは、一次、二次予防ともに140/90mmHg未満を目標に降圧治療を行うことを勧告しています。
ただし疫学報告によると、一次予防においては、血圧が低いほど脳卒中リスクが低下することが示されているので、できるだけ低く下げたほうがいいだろうと思います。
一方、二次予防についても、厳格な降圧を支持する結果が報告されています
降圧治療の脳卒中二次予防を検証した大規模臨床試験PROGRESSでは、降圧薬投与群の脳卒中再発リスクはプラセボ群に比べ28%有意に低下することが示されました。
さらに、そのサブ解析から収縮期血圧が120~180mmHgの範囲では、脳出血および脳梗塞のリスクと血圧が相関関係を示し、血圧が低ければ低いほどリスクも低下することが明らかになりました(図3)。


脳卒中既往例に対する降圧治療については過度な降圧の危険性を指摘する声もあり、確かに、脳卒中患者では降圧により脳循環に障害を来すこともあります。
そのため、治療は慎重に進める必要がありますが脳卒中抑制の基本は厳格な降圧にあると思います。

 

<コメント1> 

脳卒中予防に血圧のコントロールが「lower the better」かというとそうでもないようです。

これは脂質異常症のコントロールにもいえそうですが、動脈硬化学会では現時点ではこの点に触れていません。 

縮期血圧が120~180mmHgの範囲ではということですから120mmHg以下には降圧させないことが必要かも知れません。

<コメント2>

降圧目標の血圧値がどの血圧、つまり家庭血圧なのか外来随時血圧なのかはっきりしません。

いつもこの点が疑問です。 

<コメント3>

国内外の論文を読むと脳卒中という言葉で片付けられていることが多い4のでその点も不思議です。

脳卒中には脳梗塞と脳出血があるわけですから。

いつも読んでいてわからなくなってしまいます。

英文で「Stroke」は何を意味するのでしょうか。

今回も脳卒中と脳出血と脳梗塞が混在していてよくわからなくなってしまいます。 

以前と違ってCTにより簡単に脳出血、非出血の区別がつくわけですから。

しかしきょうの話では梗塞に出血が二次的に起こっているということでクリアカットには分けられないという意味が言外にあるのでしょうか。

 

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