戯れ言たれる侏儒
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CKDは今やホットな話題です。

いつから唱えられた概念かと、 日本腎臓学会のHPを覗いてみましたが、意外に、その歴史がはっきりせず

近年慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease、CKD)という疾患概念が提唱され、・・・・・・」と記載されているのみでした。

CKD診療ガイド公開について 
http://www.jsn.or.jp/jsn_new/index.html 

 

さて。昔(3~4年前) の雑誌を処分しようとパラパラとページを繰っていたら降圧治療と腎機能の問題をとりあげた対談が見つかりました。

温故知新というには大袈裟ですが、当時はまだCKDという用語(概念)はなかったようです。

この3~4年の間にはたしてどれだけの進歩があったのでしょうか。

そういった目で読み直してみるのも一興と思い取り上げました。

きょうから3日にわたって紹介させていただく予定です。

 

この対談のスポンサー(製薬会社)の関係で、(今流行のARBやACEIではなく)CCB(塩酸ベニジピン、商品名コニール)を主体とした内容であることが、かえって新鮮な感じがします。

また、われわれ循環器医には腎臓内科の専門医の話を聞くことは、違った角度からの見方を知るということで有意義と思われます。 

中川一政 銅版画「金魚」
http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v32384189?u=;ginza_kaigakan
 

出典 

日本医事新報 4134 2003.7.19
藤田 敏郎先生 
 東京大学大学院医学系研究科内科学教授
木村健二郎先生
 聖マリアンナ医科大学腎臓高血圧内科教授

要約
□ 透析導入疾患患者の第1位は糖尿病性腎症(38%)となり、慢性糸球体腎炎(約32%)と逆転した。
それは慢性糸球体腎炎が減少したのではなく,糖尿病性腎症の絶対数が増加したためである。
□ 腎保護効果としてはRA系抑制薬が有利であるが、塩酸ベニジピンなど-部の長時間作用型Ca拮抗薬には腎の輸出・輸入細動脈をバランス良<拡張し,糸球体内圧を下げる作用がある。
□ 腎障害を伴う高血圧や糖尿病では、RA系抑制薬、利尿薬に加えて,降圧には必須なCa拮抗薬を加えた「コンビネーションセラピー」が薬物療法の中心となる。

加齢と腎機能障害
藤田 
「腎機能低下例における降圧治療のポイント」について、木村先生とお話を進めていきたいと思います。
一般に高齢者では、腎機能が低下したり腎障害を伴ってくるといわれておりますが、実際に現在もこの認識で変わりませんか。

木村
1993年の厚生省(当時)の班会議の報告に、年齢と糸球体濾過量との関係をみたものがあります。年齢とともに糸球体漉過量が低下していますので、加齢自体が腎機能障害の大きな危険因子になっているのは間違いないと思います。

藤田
それでは、透析導入患者の年齢は上がってきていますか。

木村
高齢者も透析導入が増加していますので、平均年齢は上がってきています。
特に腎硬化症と分類される患者さんが高齢者で増えているためと考えられます。

藤田
高齢者の腎機能障害の患者さんをいかに治療するかが重要になってくると思います。
一般的に高血圧による心血管イベントは、腎機能の低下が一つの危険因子になるのではないかといわれておりますが、木村先生はどのように考えられますか。


木村
非常に軽い微量アルブミン尿でさえも既に心血管イベントの危険因子になるという報告があります。
また、血清クレアニチンの上昇も高血圧患者では心血管イベントの危険因子であるということはわかっています。
このため腎障害がある症例では、高血圧が加わればさらにリスクが増えることになりますので、十分に血圧を下げることが重要になると思います。

蛋白尿と腎機能障害
藤田
蛋白尿が腎障害を起こす原因となるということは、いつ頃からいわれるようになりましたか。

木村
臨床的な観察では約15年前からいわれていましたが、はっきり蛋白尿自体が腎臓の間質尿細管障害を惹起して進行させるというのはここ7~8年で、その機序がわかってきたのが、この2~3年です。

藤田 
その機序は、蛋白尿が尿細管に再吸収されていろいろな炎症を起こし、間質の線維化を起こすことにつながっていくのですか。

木村
糸球体から蛋白が漏れると近位尿細管で蛋白が再吸収され、ライソゾームで加水分解されます。
蛋白が増えると、ライソゾームの負荷が増えてきます。
メカニズムがよくわかりませんが、炎症惹起物質が近位尿細管で作られて、それが間質のほうに放出されて、マクロファージが侵入し腎障害がさらに悪化していくと考えられています。
ただ、蛋白とともにいろいろなサイトカインが尿細管腔に滲出してきますので、そういう物質もかなり悪化要因であるということがわかってきています。
また、アルブミンには脂肪酸がついていますから、その脂肪酸が近位尿細管に作用して、炎症惹起物質が間質まで放出するという可能性もあります。

藤田 
蛋白尿そのものが腎障害を進展させるということについて、最近の大規模臨床試験ではRENAAL(reduction of endopoints in non-insulin-dependent diabetes mellitus with angiotensin 2 antagonist losartan)やIDNT(irbesartan type 2 diabetic nephropathy trial)では、ARBが腎障害の進展を抑制する作用を有することを示しています。
その際、蛋白尿をかなり抑制していますね。

木村
血圧を同じように下げているのに、ACE阻害薬やARBが腎機能の低下を抑制するというのは、尿蛋白を減らすことによる部分が大きいのではないかと思います。
以前は、尿蛋白は単に腎障害の結果とのみ考えられていましたが、蛋白尿が腎障害を進展させる重要な因子であると認識されてきています。

藤田 
悪循環を作っているということですね。
蛋白尿が腎障害を起こすというメカニズムはわかりますが、微量アルブミン尿や蛋白尿があると心血管イベントを起こすというのは、どのように考えればよろしいですか。

木村
それは血管障害だと思います。
糸球体は毛細血管の集まりですし、腎臓も血管の集まりですから、血管障害の結果として微量アルブミンが出ているということが、全身の血管障害を反映しているのではないかと、私は考えています。

RENAAL
Losartan and diabetic nephropathy: commentaries on the RENAAL study
http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=116616
RENAAL
http://www.fda.gov/ohrms/dockets/ac/02/slides/3849S1_01_merck/sld002.htm
(スライド形式で紹介されています。)


IDNT
Hypertension Online Slides - IDNT, Irbesartan in Diabetic Nephropathy Trial
http://www.hypertensiononline.org/slides2/slide01.cfm?q=IDNT
(スライド形式で紹介されています。)

 

 

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