| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | ||||
| 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
| 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
| 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
ACEIが最初に高血圧治療薬としてデビューし、その後咳などの副作用が少ない同じRAS薬剤としてARBが登場しました。
両薬剤とも豊富なエビデンスが蓄積し、各々の薬剤の長所や短所が比較検討出来る時代に入って来ました。こうしたなか、両者の大規模臨床試験データを改めて検証すると、単にRASの阻害様式だけでなく、それぞれに特徴的な顔を持つことがわかってきました。
当ブログでは
高性能ACEI (その1)http://blog.m3.com/reed/20071023
高性能ACEI (その2) http://blog.m3.com/reed/20071027
として ACEIを持ち上げるような内容で書いて来ました。公平な立場に立っていないかも知れませんが「葦の髄から」ということでお許し下さい。
さて、高性能ACEI (その2)ではあるメーカーの学術課のエピソードを書きました。
当方の質問に対して、真摯な態度で答えていただきました。
その際に興味ある図表の入ったパンフ(2007.2) のコピーが紹介されていました。
早速、パンフを請求して入手することが出来ました。
その内容を紹介させていただきます。
2日間おつきあい願います。
題して
「心血管病に対するACE阻害薬とARBの違いを探る」
演者は
国際医療福祉大学附属三田病院内科助教授
佐藤敦久先生 です。
高性能ACE阻害薬の選択とそのエビデンス
実地臨床においてアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)の使用が広く普及してきた昨今、長い使用実績を有するACE阻害薬(ACE-I)との使い分けは重要な課題の1つである。
臓器保護を見据えた高血圧治療において両者をどのように使い分けていくべきかを、心.腎保護におけるエビデンスから検証すると、ACE-Iの臨床的有用性が改めて示唆される。
また、ひとくちにACE-Iといっても、個々の薬剤によってその特徴=性能は異なることから、より"高性能"なACE-Iの選択が求められている。
ACE-Iの多面性
ACE-IとARBの違いを端的に述べるとすれば、”受容体レベルでアンジオテンシンⅡ(AⅡ)作用をブロックする”ARBと、”ACE
が関与する様々なペプチドに影響を与え、その総和として有用
性を示す”ACE-Iといえよう。
ACE-IはAⅡの産生を抑制するだけでなく、組織ブラジキニンの賦活化など多面的な作用を発揮する(図1)。

アルドステロンブレイクスルーから見た両者の違い
AⅡ刺激などにより副腎から分泌されるアルドステロンは、ACE-Iの投与により一旦は血中濃度が減少するものの、約半数例で概ね6カ月後に投与前値あるいはそれ以上にまで増加が認められる(ブレイクスルー)が[Sato A、Saruta T:AmJ Hypertens2003;16:781]、ARBではその頻度が20~25%と少ないといわれている。
アルドステロンは心不全や心筋梗塞後の死亡・心血管系イベントのリスクファクターであるため、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系の抑制のみを考えれば、ACE-IよりもARBが有用なはずである。
しかし、心不全・心筋梗塞後にACE-IとARBを比較した大規模臨床試験においては、ARBの有用性が認められたものはなく[ELITE Ⅱ;Lancet2000;355:1582、VALIANT;NEJM2003;349:1893](図2)、逆に心血管系死亡がARB群で
相対的に17%有意(p=0.032)に増加していた試験さえ
あった[OPTIMAAL;Lancet2002;360:752]。

アルドステロンブレイクスルーを認める頻度の高いACE-Iは、理論的にはARBよりも心不全・心筋梗塞後の予後改善作用は弱いはずなのに、実際には同等以上であり、ACE-Iにはアルドステロンブレイクスルーを補って余りある心保護作用があると考えられる。
あるいは逆に、ARBには「アルドステロンブレイクスルーが少ない」というメリットを打ち消すマイナス面があるのかもしれない。
ARBによるマイナス面の1つとして、Levyらが指摘する「AT2受容体への長期刺激による悪影響」[Circulation2004;109:8]が考えられる。
AT2受容体刺激は短期的には心血管系に有用だが、長期にわたると悪影響を来す可能性があるため、ARB長期投与による治療効果は、想定されていたものより小さい可能性がある。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)