戯れ言たれる侏儒
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高齢者高血圧の降圧目標

戯れ言たれる侏儒 / 2007.10.31 00:03 / 推薦数 : 0

昨日に引き続き

日本循環器学会専門医誌
循環器学会専門医第15巻1号(2007年3月)で
阪大 楽木宏美、荻原俊男両先生が書かれた
「高血圧研究の進歩」
という総説からです。

 

平成19年9月 28日のブログでも

超高齢者の収縮期高血圧

http://blog.m3.com/reed/20070928
として高齢者と血圧については、既に紹介させていただきました。

 

高齢者高血圧の降圧目標  Leiden85 plusとJATOS
2004年の高血圧治療ガイドラインでは,高齢者の降圧目標について140/90mmHgを最終目標としているが、75歳以上で160mmHg以上の場合、いったん150/90mmHg未満を目指す緩徐な降圧を勧めている。
これは、介入試験において、とくに後期高齢者において140/90mmHg末満にできた試験がなく,その有用性を示すエビデスがなかったためである。
前向きの疫学研究においては、メタ解析の結果、高齢者でもthe lower,the betterとされてきたが、85歳時の血圧値をもとに群分けして生命予後を観察した
Leiden 85 plusでは,40mmHg未満群がもっとも予後が不良あった。
後期高齢あるいは超高齢患者における降圧目標設定のむずかしさを示す報告であった。


ISH2006では,高齢者高血圧の降圧目標に関するエビデンスとしてCa拮抗薬(efonidipine)を基礎薬に、降圧目標の群間比較試験を行ったJATOSの成績が報告された。
160mmHg未満を目標とする群と140mmHg未満を目標とする群での比較では,両群間で血圧に8/4mmHgの差がついたが、一次エンドポイントである脳心血管疾患の発症についての複合エンドポイントには群間で差がなかった。
ただし,全対象者を1つにして二層化解析をした結果では,
140mmHg未満に降圧できた患者群でイベント発症が少なかった。
少なくとも現在のガイドラインにある150/90mmHg未満を達成することの重要性と、可能な場合140/90mmHg未満を目指すという最終目標を設定する指針について、その意義が再確認できた結果と考える。

<コメント 1> 

efonidipine  商品名 ランデル 

<コメント 2>

JSH2004のガイドラインには「高齢者高血圧」の章が設けられています。

その中で高齢者高血圧に対する主な臨床試験が紹介されています。

1)プラセボ群との比較

EWPHE HEP SHEP STOP MRC2 STONE 

Syst-Eur  Syst-China

2)薬剤間の比較

STOP-2 ANBP-2 SCOPE NICS-EH(日本) 

PATE-Hypertension(日本)

 

山本彪一  バラ 油彩6号http://page15.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t50546923

 

以下 「JSH2004ガイドライン」からの高齢者高血圧に関する解説の紹介です。

治療対象

7O歳以上では血圧値と生命予後に逆相関がみられるとの報告もあり、さらに、85歳以上の超高齢者群では高血圧は死亡のリスクとはならず、治療効果についても死亡率を抑制していない。

このような背景下に、本邦における専門家を対象とした調査では70歳代、80歳代では治療対象血圧をやや高めに設定している。

この是非については明らかではない。

l60mmHg以上では非高齢者と同様の治療開始方針に従うが、軽症高血圧ではまず生活習慣の修正を行い、数カ月の経過後も140mmHg以上であれば降圧薬治療を開始する。

高血圧性心不全や大動脈瘤などの合併例では年齢、血圧値に関わりなく積極的な降圧を行う。

降圧目標

欧米のガイドライン、すなわちJNC7や2003ESH-ESCガイドラインでは年齢を問わず140/9OmmHg未満を降圧目標としている。

しかしながら、高齢者において140/9OmmHg未満が妥であるか否かは、現在のところエビデンスがない。

高齢者ではすでに動脈硬化による臓器障害を有することが多く、特に脳血流では自動調節能に障害がみられること、一般健常者でも収縮期血圧は加齢によりある程度上昇がみられることなどから、本邦においては降圧目標は一般成人と比べやや高めに設定されている。

最近の大規模臨床試験における治療後の血圧平均値の多くは141~152/77~85mmHgである。

高齢者の収縮期血圧160mmHg以上の高血圧を治療した場合、l40mmHg未満への降圧がよいとする考え方に疑問を持たせる事実として、SHEP試験、HOT試験のサブ解析がある

SHEP試験では150mmHg未満の群が最も脳卒中リスク抑制効果が強く、140mmHg未満ではその有意性が消失している。

HOT試験は65歳以上の群でみると

the lower thebetter

の関係が認められなくなる。

さらにSHEPでは拡張期血圧60mmHg未満では心血管事故が増加しており、収縮期血圧の降圧にも限度があることを示している。

本邦において行われたPATE-Hypertension試験でもJ型カーブ現象が認められており、収縮期血圧130mmHg未満の降圧では心血管事故が増加している。

 

Leiden 85 plus In a population-based prospective study,no association between high blood pressure and mortality after age85 years.
van Bemmel et al.  J Hypertens 

2006;24:287-292

JATOS

 
<コメント 3>
高齢者は収縮期圧140mmHg以下にならないようにするのがよいといったところでしょうか。
もともと低血圧で長生きする超高齢者がいるのはどうしてかとつっこみたくなりますが、話がまったく別なんでしょうね。

 

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