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心血管イベントの一次予防は循環器内科医にとっては一番重要なことと思われます。
薬物や生活指導による効果は開業医ではなかなか実感できないのが実情です。
イベントが起こってからのインターベンションなどと比べれば、まことに地味な分野であり、患者さんに外来通院を継続していただくにはそれなりのスキルが必要です。
本日と明日の2回、最新の心血管イベントの一次と二次予防はどうなっているかを勉強してみます。
教材はMedical Tribuneの座談会です。
CVDの一次予防を目指して(その1)
Medical Tribune2007.10.8の特別企画
座談会「わが国の心血管系イベントの抑制はどこまで可能か?」
からです。
小川久雄先生(司会) 、石原正治先生、金谷法忍先生、木村一雄先生、斉藤能彦先生、坂本和浩先生、高野仁司先生、水野杏一先生
以下敬称略
肥満・メタボリックシンドロームとアンジオテンシンⅡ
水野
肥満・メタボリックシンドロームの病態とCVDの関係で最もポピュラーなのがインスリン抵抗性という概念だと思います。
インスリン抵抗性により生じる高インスリン血症はNa再吸収の促進や交感神経の活性レ二ン・アンジオテンシン(RA)系の亢進、血管平滑筋の増殖などにより、CVDの重大なリスクである高血圧を惹起させます。
また.インスリン抵抗性は糖代謝ならびに脂質代謝を障害するため、高血糖のみならず、高中性脂肪血症を引き起こします。
一方.肥大化した脂肪細胞から分秘されるさまざまなアデイポサイトカインによるアンジオテンシンⅡ(ATⅡ)の活性化が.最近注目されています。
これは「メタボリックドミノ」という概念で、肥満がインスリン抵抗性を惹起させ,高血圧、脂質異常症、糖尿病などが起こるという考えですが、AⅡの活性化がインスリン抵抗性を増悪させます。
いずれにしても、その中心となるインスリン抵抗性の治療を念頭に置くことが大切だと思います。
(インスリン抵抗性が重要だが、最近では肥満者におけるATⅡの活性化も重視すべきである。ここに減量による降圧効果の理由が見出せる。)
小川
高血圧症を対象にカンデサルタンとアムロジピンとで予後を検討したCASE-Jでは、カンデサルタンが肥満高血圧症患者の全死亡リスクを低下させました。これも、今のお話と関連するのでしょうか。
斎藤
AⅡの前駆物質であるアンジオテンシノーゲンのmRNA量は,肥満の程度と相関します。
つまり,肥満であるほどRA系は冗進していると考えてよいでしょう。
そして,RA系はCVDの発症におけるさまざまなステップで関与しています(図1)。
ですから,CASE-Jの結果は,肥満者がCVDを発症する過程において、RA系が重要な役割を果たしていることを,あらためて認識させる結果であったと思います。

高齢者の重大なCVDリスクは高血圧
小川
高齢者についてはいかがでしょう。
木村
心筋梗塞発症後48時間以内に登録したJACS研究の約3,000例のデータ
ベースから,心筋梗塞患者の背景を調べると,糖尿病は45-65歳に多く,脂質異常症あるいは喫煙者は,さらに若い人に多いことがわかりました。
一方、高血圧だけは、男女とも加齢とともに増加します(図2)。
OASIS Studyでも同様の結果です。
つまり、高齢者では高血圧がCVDのリスクとしてきわめて重要かもしれません。

金谷
私も,高齢者のCVDには肥満が少なく,高血圧が多いと感じています。
循環器疾患で一番問題視しているのは,突然死と急'性心筋梗塞,そして心不全の増悪です。
高齢者では左室拡張能が低下していますから,特に心不全,そして発作
性心房細動を含めた心房細動を意識して,高血圧の治療に臨む必要があると思います。
以前は,spasmを考慮してCa拮抗薬を第一選択薬としてきましたが 心房細動や心不全をより重視すべき現代においては、ARBを選択することが多くなっています。
<コメント>
#両者の併用の選択肢もありうるし実際は併用されることが多い。
#この講演のスポンサーはカンデサルタン発売の製薬会社です。
ACEIの選択肢について言及されていないのは仕方がないことかも知れません。ARBとして限定するのではなく、両者の総称としてのRAS系抑制剤という言い回しが適切かも知れません。
ACEIに優位性がもしあるのならば(ARBと同等ないし優位)についても説明していただけるとよかったかなと思います。
高性能ACEI
http://blog.m3.com/reed/20071023/_ACEI)
Hypertension Online Slide
http://www.hypertensiononline.org/slides2/slide01.cfm?q=congestive+heart+failure
(高血圧の主だったトライアルの要点がスライドになって紹介されています。)
カトラン 赤い花瓶の赤い花
http://page12.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/p91400438
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