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昨日に続きRA系阻害薬です。
2日連続で恐縮です。
同じく
NIKKEI MEDICAL 2007.10の記事の紹介です。
シンポジウム
「RA系阻害薬を再考する2007」(東京)2007.8
演題名
史上最大のメタ解析から学ぶRA系阻害薬の臓器保護
〜RA系阻害薬の降圧と独立した効果の検証〜
演者 Bruce Neal先生
2007年5月に公表されたBPLTTC(Blood Pressure Lowering Tretment Trialists' Collaboration)によるメタ回帰分析の最新データの紹介です。
<まずBPLTTCとは>
WHOとISHの協力により1995年に開始されたプロジェクトで、降圧治験のメタ解析を次々に行い、世界的にも高い信頼を得ている。
その解析手法には2つの大きな特徴がある。
1つは解析対象となる試験の基準があらかじめ定められている「プロスペクティブ研究」である点、もう1つは対象となる臨床試験の「生データ」を用いて解析を行うという点で、これらによりメタ解析によって生じるバイアスを最小限におさえることができる。
Blood Pressure Lowering Treatment Trialists’ Collaboration
http://www.thegeorgeinstitute.org/bplttc/
BPLTTC
http://blog.m3.com/reed/20070915/BPLTTC
高い信頼性を誇る解析プロジェクト-BPLTTC
●2003年に発表した「ACE-IとARBの心血管イベント抑制効果」の結果では、ACE-Iはプラセボに比べ死亡を含む全ての心血管イベントを有意に減少させたが、ARBでは死亡と冠動脈イベントにおいてはは有意な低下が認められなかった。
●その結果を受け、ACE-IとARBの心血管イベント抑制効果を本格的に比較検討したのが今回の最新データである。
●解析対象となった試験は、ACE-I群を有する試験が17試験101,626例、ARB群を有する試験が9試験45,212例であった。
ACE-Iのみがもつ降圧とは独立した冠動脈イベント抑制効果

<図 説明>
ACE-I群またはARB群と対照群のSBPの差を横軸、イベント発症のオッズ比を縦軸として、そこに各臨床試験のデータをプロットし、そのプロットからACE-I、ARBの各々について回帰直線を求めることにより、降圧度とリスク低下度の相関、降圧差が0mmHgのときのイベントリスク低下率を算出
●脳卒中イベントについては、回帰直線の傾き、降圧差0mmHgでのイベントリスク低下率のいずれも、ACE-IとARBに有意差はなかった。
●しかし、冠動脈イベントについては両群の間に有意差が認められた。
回帰直線の傾きは、両群の間に有意差が認められなかったものの、降圧差0mmHgでのイベントリスクは、ACE-I群が9%減少したのに対して、ARB群では8%の上昇がみられ、両群間に有意差(p=0.002!!)が示された。
したがってACE-Iは「降圧とは独立した冠動脈イベント抑制効果」を有するといえる。
●Bruce Neal先生のまとめ
ACE-Iは冠動脈イベントに対し、降圧によって得られる抑制効果に加え、プラス9%のリスク低下が期待できる。
一方、ARBには降圧による効果以外は期待できない。
「ARBは咳の出ないACE-I」という捉え方はできない。
冠動脈イベント抑制効果を最大限に得たいのであれば、併用薬のうち1剤はACE-Iにすべきである。
<ディスカッション>
梅村敏先生
●心臓専門医のACE-I使用頻度は高い。
●ACE-IはBK分解抑制によりNOを増加させる。この点が最大のARBとの相違です。
佐藤敦久各先生
●ACE-IはARBに比べ血中PAI-Ⅰ濃度を有意に低下させます。逆に、血中t-PA活性はACE-I服用では上昇を示しますが、ARBでは有意に低下します。これらには、ACE-IによるNO増加作用が大きく関与しているようです。
●ARBがACE-I以上の有用性を明らかにした大規模臨床試験はありません。
心不全を対象としたELITEⅡ、心筋梗塞後患者を対象としたOPTIMALやVALIANT、いずれも一次評価項目は両群間に有意差はありませんでした。
(低性能ACE-Iを使っている点が重要です。最近の高性能ACE-Iを使えばARBに優るデータになっていたものと思われます。)
●高リスク患者には「高性能ACE-I」を優先させるのがEBMです。
<コメント>
2008年に報告予定のONTARGET試験では、ACE-IラミプリルとARBテルミサルタンのガチンコ勝負が行われています。

杉山寧 原画8号「静物」 文化勲章
http://page3.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/c149741148
ONTARGETプログラムの意義http://www.lifescience.jp/ebm/cms/cms/no.3/interview/interview.htm
「ONTARGET」への患者登録が順調
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp/news/p-release/03_0320_b.html
ONTARGET/TRANSCEND
http://www.ebm-library.jp/circ/doc/html/c2002419.html
読んでいただいてありがとうございます。
<追記>
週刊朝日11月2日号(p118〜124)に興味深い記事が掲載されていました。
(以下次号ということなので第二弾もあるようです。)
題して「お役人の超高収入アルバイト」
厚労省管轄の医師の原稿料、講演料が生々しく数字入りで公表されています。
これから講演を聴く際の参考(?)にもなります。
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