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高性能ACEIの選択とそのエビデンス
ARBはACEIに多い空咳がなく、高薬価ではあるが患者さんへの説明の手間も省けることから処方頻度は急増しています。
皆さんもご存知のように昨今は、「CBBかARBか」とか「CKBにはARB」といった感じでACEIが(わざと?)無視される風潮もあります。
そしてARBに関する研究会や講演会が豪華なホテルで行われ、聴きに行ったわれわれはすっかり洗脳されて(?)家路につきます。
その結果欧米に比較し、ARBがACEIよりはるかに多く使われているわけです。
ARBがACEIにまさるエビデンスがないこともあって、へそ曲がりの私は、「まずはACEI」と患者さんに説明しながらACEI回帰を行っています。
そんな中で目に止まった記事です。
写真で見る限り豪華な会場での講演会ではありましたが。
(NIKKEI MEDICAL 2007.10)
シンポジウム
「RA系阻害薬を再考する2007」(東京)2007.8より。
演題名
高性能ACEIの選択とそのエビデンス
〜ACEIも使い分ける時代〜
演者 佐藤敦久先生
多くのエビデンスから確立されたACEIの心・腎保護作用
●わが国の臨床現場で、ACEIの姿が見えなくなってきた。
●その背景には、クラスエフェクトとしてのACEIの有用性が理解されておらず、さらにACEIは種類が多いため、個々の薬剤の特徴が十分に認識されていないという状況がある。
●ACEIで実証されている第一のクラスエフェクトは心・腎保護作用である。
●近年、軽度の腎機能低下は心血管系イベントの大きなリスクであることが明らかにされたが(心腎連関)、ACEIは腎機能を改善することから、その結果として心血管系イベントが抑制されると考えられる。
大規模臨床試験 MICRO-HOPE(図1)
大規模臨床試験 PREVEND-IT
●ACEIとは異なり、ARBはまだ新しい薬剤であり、心・腎保護のエビデンスがACEIに完全に追いついたとは言えない。
ブラジキニン増加によるACEI独自の効果
●ARBによる冠動脈イベント抑制効果が降圧に依存的であるのに対して、ACEIにはさらに、降圧に非依存的な付加効果(第二のクラスエフェクト)がある。
●つまりACEIは「降圧を超えた冠動脈イベント抑制効果」をもつ。
●さらにいいかえれば、「ACEIは、単に降圧薬という範疇では括れない臓器保護薬としての一面をもつ」
●冠動脈ではATⅡによる収縮反応がほとんど見られない(サルでの検討)。
●ブラジキニン(BK)増加作用を介したACEI独自の冠動脈拡張作用および虚血後の側副血行路形成促進作用が存在する。

ACEIの使い分け 「高性能ACEI」の選択
●臓器保護作用が強力で、降圧作用が持続し、長期服用可能であること。
●いいかえれば、組織親和性が高く、T/P比が長く、空咳が少ないこと。
●空咳は継続服用により消失することが多く、就寝前の服用あるいは利尿剤やCCBとの併用によっても減少する。
●HOPE/HOPETOO試験では、心血管イベントおよび糖尿病の発生抑制において、服用期間が長くなるほどACEI群とプラセボ群との差が拡大した。
<参考>
CAMELOT試験
http://www.cardiovascular.jp/camelot/camelot03.html
Nissen 私はHOPE試験はあまり評価していません。HOPE試験の対象患者は十分に治療されていませんし,現在の基準である≧140/90mmHgに基づくと対象の半数近くが高血圧なのですが,血圧測定も厳密ではありません。24時間自由行動下血圧で確認したところ,実際は文献で発表されたよりも降圧していました。最近,十分な治療によって血圧が良好にコントロールされている冠動脈疾患患者を対象にきちんと実施されたPEACE試験3)の結果が発表されましたが,ACE阻害薬の上乗せ効果は認められませんでした。よって私は冠動脈疾患においてACE阻害薬には特別な効果があるとする仮説は否定されたと思います。そしてPEACE試験の結果は,「冠動脈疾患患者にはACE阻害薬ではなくアムロジピンのような薬剤を選択すべきなのか?」というたいへん刺激的な新しい疑問を提起しました。
大規模試験を正しく評価するために
http://www.lifescience.jp/ebm/wadai/0411/index.html
心不全の病態・診断・治療
www.gik.gr.jp/~skj/lecture/okamoto03.php3
脳卒中・心筋梗塞予防に降圧を超える効果がバルサルタンでは証明でき
なかった
http://www.clinicalnewswire.com/esh2004/trial4.html
冠動脈疾患予防効果におけるACE阻害薬とARBの違い
〜世界規模のメタ解析BPLTTCより〜
http://www.carenet.com/hypertension/tana02/kuwa/index.html
読んでいただいてありがとうございます。
<追記>
コメントをいただきましたがうまく送信できなかったので返事をここに書かせていただきました。
のんきい 様
おはようございます。
以前にもコメントいただきありがとうございました。
私自身「高性能」ACEIという表現は今回初めて聞きました。
ペリンドプリル(コバシル)では、たしか脳出血再発予防のエビデンスが報告されていたと記憶しています。
また余談ですが強力な肝ガン発育抑制効果もあるとのことです。
さて、ご指摘の件ですが動物実験は多いかと思いますがACEI間での直接のきちんとした比較はあまりないかも知れません。
一度調べて近々アップさせていただきます。
またのコメント楽しみにしています。
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