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現在の高脂血症の治療薬の主流はHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)です。このスタチンの開発もロスバスタチン(商品名クレスト-ル)の登場で一息ついた感があります。
他の方面からの高脂血症治療へのアプローチとしてはメタボリックシンドロームの観点からの薬剤があります。
すなわち、高トリグリセライド・低HDLコレステロール血症の改善を目的にしたフィブラート系薬剤です。
最近(2007年6月)臨床使用が可能となったエゼチミブ(商品名ゼチーア)は、NAFLD改善といった側面もあり両者の橋渡し的な薬効のある高脂血症治療薬ともいえます。
このエゼチミブは薬理作用から小腸コレステロールトランスポーター阻害薬と称されていますが、フィブラート系薬剤と違ってスタチンとの併用が可能ということで大きな武器を手に入れたことになります。
さて高脂血症治療薬として、どんな薬剤が開発中か気になるところです。
まずは現在使用可能な薬剤を自家薬籠中のものとして使いこなすことが大切であることには間違いありませんがちょっと勉強してみました。
1)ACAT阻害薬
Acyl coenzyme A(CoA):cholesterol acyltransferase(ACAT)は小胞体に存在する膜蛋白で、細胞内の長鎖脂肪酸と遊離コレステロールからコレステロールエステルへの変換を触媒する酵素です。
これまで開発されたACAT阻害薬は動脈硬化抑制効果に乏しく、ACAT-2選択的な阻害薬の開発が期待されています。
2)CETP阻害薬
CETP(Choresterol ester transfer protein)はコレステロール逆転送系に重要な役割を担っており、HDlからアポ蛋白B含有リポ蛋白(VLDL,IDL,LDL)へコレズテロールエステルを転送する蛋白です。
このCETP阻害薬の一部(トルセトラピブ)は、動脈硬化抑制効果はなく、むしろ死亡率を上昇させる可能性も報告されています。
HDL-Cの上昇を期待されています。
3)スクアレン合成酵素阻害薬
スクアレン合成酵素はHMG-CoA還元酵素とともに、コレステロール生合成において重要な酵素であり、ファルネシルピロリン酸からスクアレンの生成を触媒する酵素です。
この薬剤は黄紋筋融解症などの副作用はないと考えられています。
4)MTP阻害薬
MTP(Microsomal triglyceride transfer protein)はVLDLやカイロミクロンの合成に重要な蛋白です。
MTPを阻害することで小腸での脂質吸収や肝臓での脂質合成を抑制し、VLDLやカイロミクロンの合成、分泌を阻害します。
<コメント>
今のところ、スタチンやエゼチミブを上回る画期的な高脂血症があるかどうかは、調べた限りではクエスチョンでした。
降圧剤のARBは正常血圧の場合にも糖尿病性腎症に使用する動きがあります。
いわゆるbeyond antihypertensiveeffectです。
スタチンもコレステロールのコントロールに関するlower the better(私には抵抗がありますが)の考えから、コレステロール値正常の方に対して「抗動脈硬化剤」として使用する場合も今後大いにありうると思われます。
スタチンのもつpleiotropic effect(多面的作用)は、まだまだ検討する余地のあることと思われます。
参考資料
medicina44:8 2007.8
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