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昨日お話した講演会ではINNOVATIONというスタディの紹介が少しされました。
私はテルミサルタンで糖尿病性腎症の適応をとるための大規模研究と受け止めましたが、正常血圧でのテルミサルタンの使用例があるためにまだ公表できないようでした。
症例選択には苦労話があったようですが、得られた結果はかなり良好のようです。
あれっ、きのうネットで探した時にはなかったのに今見たら出ています。(2007.10.6AM1:20)
皆さんにホットニュースとしてお届けできます!
6 October 2007
Study design and patient background of a large-scale clinical study, INNOVATION, of the angiotensin II receptor blocker MICARDISR was published in medical journal
-The first study in the world to evaluate the inhibitory effect of ARBs on nephropathy progression in normotensive type 2 diabetic patients-
http://www.boehringer-ingelheim.co.jp/news/p-release_e/05_1221-e.html

島野重之「駒ケ岳」油彩10号 日展評議員
http://page9.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/k45104414
さてきのうに引き続き「心腎連関」です。
腎機能低下と動脈硬化の悪循環
#CKDは全身の血管障害の表れと考えることができる。
#腎臓は血流の豊富な臓器で、1分間に1リットル、心拍出量の20%もの血流がある。
#さらに糸球体は約50mmHgっという他の毛細管とは比較にならないほどの高い圧がかかっている。
#したがって、全身の血管で何かしらの異常があれば、尿に最初に表れる。
#CVDの最も初期の病変は内皮機能の異常であり、微量アルブミン尿も内皮機能の異常を反映している。
#動脈硬化を起こす危険因子には伝統的危険因子として高血圧、糖尿病、喫煙、脂質異常などがあるが、最近、腎不全特有の危険因子として酸化ストレス(ROS)や炎症なども動脈硬化を促進すると考えられている。
#従来の危険因子は腎臓を障害し、腎機能障害は血圧や糖・脂質代謝に悪影響を及ぼし、両者の間には悪循環ができる。
#腎機能が悪くなると、体内に酸化ストレス(ROS)が貯まり、炎症反応も強くなる。
#これら尿毒素物質の蓄積はまだ自覚障害の無い腎機能低下GFR60ml/分(血清クレアチニン値にして1.2~1.5mg/dl)程度からすでに起こっている。
#そして、これらの新しい危険因子も腎臓を悪くし、ここでも悪循環が生じる。
#すなわち、CKDは動脈硬化の表れであり、かつ、CKDは動脈硬化を加速度的に悪化させることになる。

心不全と腎臓
#腎血流量は毎分1リットルにも及ぶが、その90%以上は皮質、10%未満が髄質を灌流する。
#皮質循環はGFRの維持に重要である。
#髄質循環は尿の濃縮・希釈と水・Naの排泄に重要である。特に、髄質血流の減少はNa排泄を強力に抑制する。
#正常人に食塩を負荷すると、近位尿細管によるNa吸収が低下して、Naバランスは維持される。
#一方、代償期心不全患者では1週間以上にわたってNa貯留が続く。
#Na負荷前に比べ、負荷後で近位尿細管でのNa再吸収率が上昇している。
(心不全の腎臓では、ただ単に摂取したNaを排泄できないのではなく、食塩を負荷したときに積極的にNaを貯留する機序が作動している)
#心不全では、腎機能が比較的保たれているのに乏尿になり、利尿薬の効果も極端に悪くなることがしばしば見られる。
(すなわち皮質循環が保たれているのに、利尿がつかない)
この現象は腎臓の構造と血行動態、特に髄質循環
の変化に起因すると考えられる。
#髄質血流は傍髄質糸球体の輸出細動脈に続く直血管の束によって調節される。
#直血管に隣接しているのは傍髄質ネフロンの太いヘンレの脚(mTAL)であり、中皮質や表在ネフロンは遥かに遠い位置にある。
#最近、 mTALで産生されるNOやROSが直血管抵抗を調節し、かつmTAL尿細管液のNaCl濃度が高くなるとROSの産生が亢進することが示された。
#心不全では表在ネフロンGFRは低下するが、傍髄質ネフロンGFRは増加することになる。その結果、 傍髄質ネフロンのmTALにおけるNaCl濃度も上昇する。
#その結果 mTALにおけるROS産生が亢進し、これが直血管に伝播して血管収縮を起こして、Na貯留が促進されると考えられる。
#心不全においては、皮質血流が減少するが、髄質血流が保たれている時期があることも報告されている。これはAngⅡや尿細管間質の浸透圧の変化などによりNOやPGの産生が亢進しているからと 考えられる。
#実際、軽症心不全モデルにNO合成阻害薬とインドメサシンを投与すると、尿細管壊死や間質障害が髄質外層に特異的に見られる。
#したがって、 mTALのNa輸送によるROSの活性化とNOやPGのバランスが崩れ、髄質血流が減少すると、急激にNa貯留が進行して、非代償期に陥ることが考えられる。
以上です。
読んでいただいて有難うございました。
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