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近年、CKDの話題が数多くあります。
これら慢性の腎疾患患者さんでは、心血管イベントが多いこと、また慢性心不全と慢性腎不全の合併があると患者さんの予後が著しく悪くなることが知られています。
これらの病態の成り立ちには心臓と腎臓が密接に関連し合っていると考えられ、「心腎連関」と呼ばれています。
最近「心腎連関」に関する講演会に出席する機会がありました。
演者は東北大学伊藤貞嘉教授でした。
ご存知のように伊藤教授は腎・高血圧・内分泌学分野教授で、私のような「かつての」循環器専門医には、同じ畑の演者とは違った切り口の話で興味深く拝聴することができました。
くしくも日医雑誌136・3/2007.6に同教授の心腎連関に関する総説が出ていました。
その総説を少し勉強してみました。
講演会で「腎障害における蛋白制限の位置づけ」について質問をしました。
CKDガイドラインにも蛋白制限については、あまり踏み込んでは書かれていないことや、蛋白制限そのものを疑問視する考えもあるからです。
教授の回答は、
蛋白負荷を持続的にかけるのは良くない。
きびしい蛋白制限は必要ない。
塩分制限が重要である。
といった内容でした。
30億年前に人間は海から陸にあがって塩分を保持する、すなわち血圧を維持するように作られた。
高血圧については想定外であった。
要するにNa保持系が主として働くように作られている。
したがって過剰の塩分摂取控えるべきである、
という話も興味深いものでした。
さて日医雑誌136・3/2007.6の内容紹介です。
#心臓と腎臓は運命の双子である。CKDではCVD(心血管病)のリスクが高い。
#一方、CVDでは腎機能が低下しやすく、一旦腎機能が低下すると生命予後が著しく悪くなる。
運命の双子
#心臓と腎臓は食塩の摂取が困難で常に外的と戦っている厳しい環境の中で生命を維持するために、お互いに助け合うようにプログラムされた。
#お互いの情報交換の手段として、体液量、血圧、交感神経系、RAAS,VP(バソプレッシン)などがある。
#外傷などにより循環血漿量が低下すると、RAASや交感神経が亢進し、一方腎臓ではNa排泄量が低下し、心臓では収縮力が増強して循環を維持する。
#現代の人間社会では食塩と栄養の過剰摂取の結果、高血圧、肥満、糖尿病など自然界ではとても考えられない事象が起きている。
#これらの疾患は血管と心臓と腎臓を傷つけ、生体はこれを緊急事態と認識する。
#その結果、RAASや交感神経系が亢進し、さらに組織傷害が進展する。
#心臓と腎臓は、厳しい環境を生き延びるために備わったプログラムゆえに、現代では互いを傷つけ合い、死期を早めてしまう宿命のもとに生まれた運命の双子である。
The Clinical Challenge of Cardiorenal Syndrome -- Shlipak and Massie 110 (12): 1514 -- Circulation
http://circ.ahajournals.org/cgi/reprint/110/12/1514
(2004年Circulation誌の総説です。)
Acute decompensated heart failure: The cardiorenal syndrome
www.ccjm.org/PDFFILES/Francissuppl2_06.pdf
Addressing the challenges
of cardiorenal syndrome
www.ccjm.org/PDFFILES/Geisberg5_06.pdf
ADHF and Chronic Kidney Disease: Treatment Challenges
www.medscape.com/viewarticle/512139_32
(スライド形式で説明しています。)
Review
The severe cardiorenal syndrome: ‘Guyton revisited’
eurheartj.oxfordjournals.org/cgi/content/full/26/1/11
NHLBI Working Group
Cardio-Renal Connections in Heart Failure and Cardiovascular Disease
August 20, 2004
www.nhlbi.nih.gov/meetings/workshops/cardiorenal-hf-hd.htm
(リンクの際には、アドレスのコピーアンドペーストをお願いします。)
関口雄揮(日展審査員) 叙情詩の秋景色10号
http://page17.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/v28448660
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