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「正常高値」血圧の中年女性は、「正常血圧」の同年代女性に比べ、10年間の心血管系イベントリスクが2倍近く有意に増加することが、米国における約4万人の女性を追跡した結果、明らかになった。
Harvard Medical School(米国)のDavid Conen氏らによるWomen’s Health Study(WHS)のサブ解析。
「正常高値」群では「正常血圧」群に比べ有意にイベントが増加
対象は、45歳以上で心血管系疾患やその他重篤な疾患を有さない医療従事者の女性39,322例。
平均年齢は約55歳、喫煙者が15%弱、40%前後がホルモン補充療法を受けていた。
28,863例(73.4%)では高血圧を認めなかったが、そのうち17.3%(4,988例)は血圧130~139/85~89mmHgの「正常高値血圧」だった。
一方、「正常血圧」(120~129/80~84mmHg)は39.2%(11,326例)、至適血圧(120/75mmHg未満)は43.5%だった(血圧分類は1999年WHO-ISH規準)。
次に10.2年間の主要心血管系イベント発生リスクを上記血圧カテゴリー別に、多変量解析で年齢や肥満度などの背景因子を補正して比較した。
「正常高値」群では「正常血圧」群に比べ有意にリスクが増加していた。
「正常血圧」群と「至適血圧」群のリスクには有意差はなかった。
「高血圧」移行後は2年間でイベントリスクが50%上昇
観察期間中の「高血圧」への移行リスクも同様で、「正常血圧」群に比べ「正常高値」群では2倍近く、有意に上昇していた。
筆者らは「正常血圧」と「正常高値」を「preheypertension(前高血圧)」と分類する現在の米国高血圧ガイドライン(JNC7)を批判し、「正常高値」群を特に高リスクとして予防に努める必要があると述べている。
http://www.carenet.com/news/journal4/0709/14_01.aspx
(ログインが必要なため一部を転載させていただきました。一部改変。)
Risk of cardiovascular events among women with high normal blood pressure or blood pressure progression: prospective cohort study.
http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pubmed&pubmedid=17704543
(原著の全文です。BMJ. 2007 Sep 1;335(7617):432. Epub 2007 Aug 19.)
ESH/ESCガイドライン2003
http://www.cardiovascular.jp/esh_esc.html
(ESH/ESCガイドライン2003では,基本的に1999年のWHO/ISH指針の血圧分類を用いている。JNC 7で新たに定義されたprehypertensionについては,多くの人々を不安にさせるだけであるとして反対の姿勢を示している。)
<コメント>
●米国ではHRTを受けている中年女性が半数弱もいる!?。
●7割強が高血圧を認めなかった。(すなわち140/90未満。高血圧は3割未満ということです。日本ではどうなんでしょうか?)
●「正常高値」群では「正常血圧」群に比べ有意にリスクが増加していた。「正常血圧」群と「至適血圧」群のリスクには有意差はなかった。
→至適血圧(120/75mmHg未満)と正常血圧(120~129/80~84mmHg)をあえて分類する必要はない。「正常高値血圧」(130~139/85~89mmHg)は高血圧(140/90mmHg以上)に分類した方がよい(という結論。)
結果的にJNC7の「preheypertension(前高血圧)」という分類に否定的見解を示している。
●中年女性に限定しているのはどのような理由からか?
WHSサブ解析のためということだが、中年女性に限定したスタディを男性やすべての年齢層に敷衍していいのだろうか。
<コメント>
JSH2004には次のような記載があります。
●女性では閉経を境として高血圧の発症が急速に増加し、65歳を過ぎる頃よりその有病率は男性とほとんど同じになっている。HRTに
関連した高血圧、さらには更年期にみられる高血圧が男性とは異なっているものと考えられる。
(出典;Rosenthal T,Oparil S:Hypertension in woman.J Hum Hypertens 2000;14:691-704)
●本邦での十分なデータがないので不明であるが、閉経期女性ではHRTは血圧に影響しないと考えてよいが、高血圧の素因を有している場合には血圧が上昇することもあるので、数か月に1回の血圧測定を行い、経過を観察する必要がある。
●更年期に血圧が上昇するか否かについては、コレステロール値ほどは明確な成績が出されていない。さらにこの時期にはさまざまな変化(体重の増加、エストロゲンをはじめとするホルモンの変化など)が生じるために、血圧も上昇しやすくなる可能性はある。
(出典;Staessen JA,Celis H,Fagard R:The epidemiology of the association between hypertension and menopause.J Hum Hypertens 1998;12:587-592)

ノーマン・ロックウェル「The Runaway」
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h49351424
また、そのまとめには
「閉経期を含む女性の高血圧は男性とは異なる可能性があり、今後の検討課題である」
と述べられています。
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